紀伊半島の海岸線2025秋 2025年10月
2日目 紀伊勝浦→ 串本→ 江住→ すさみ
早朝に起床、雨はまだ降り続いていましたが、朝に止むという予報を信じ、前日スーパーで購入したおにぎりを朝食に、身支度を整えていると幸いにも雨が止んだ模様。荷物を自転車へ積み、いよいよサイクリングスタートです。

前日購入のおにぎりを朝食に

さっそくトンネルがお出迎え
路面はセミウェット。小規模なアップダウンが続きますが、この日はラッキーにもやや強い北風が追い風になり、わりとラクに進みます。
前線が南に下がり、大陸からの寒気が張り出してくる冬型の気圧配置。強烈な風で体温が奪われます。それでも追い風に助けられて順調に進んでいきます。
交通量はそれなりですが、車がすれすれにかすめるように追い抜くことも多く、走りやすいかと言われると微妙。おそらく自転車が通ることが滅多になく、ドライバーの立場からすると “いつもと違う”。その違うことにペースを乱されると “怒り” の感情が出てくるのでしょうか。
分厚い雲が晴れないまま、海沿いを走ります。この日は海が荒々しい!

強烈な北風が追い風♪

橋杭岩に到着
串本町へ入り、橋杭岩に達しました。平日ながら観光客も多いです。が、寒さと強風なせいで、皆滞在時間は短く、足早に立ち去っていきます。戸外にて体温を奪われるのを避けようと、施設のわかりにくい入口を探して屋内で休憩しました。
コンビニほか商店が立ち並び、串本中心部はここまでの道中から想像できないほど賑やかに見えました。
この先補給ポイントが無さそうだったので、串本で補給しておきます。事前に調べておいた喫茶店が見つからない... スマホの地図アプリで位置を表示しても、その場所は廃業したような外観の建物。これはダメか... あきらめきれず、念のため国道を離れて海側に回ると あった! こちら側が店の正面だったのですね。

裏手に回って確認できた喫茶店

朝定食¥750税込!
一見、休業中かのような外観でしたが、屋内に照明が灯っているのを確認し入店。この時間は朝定食一択のようです。温かいみそ汁がうれしい。生卵もありがたいです。何といってもみりん干しが最高でした。
道は串本南端から折り返すような形で北へ進みます。それまで追い風だった北風、当然のごとく向かい風に... しばらく走って西北西へ進む方向に変わりますが、もはや追い風の恩恵はありません。そしてアップダウンがやや厳しい。勾配6〜7%あるでしょうか、標高差50メートル前後のアップダウンばかりを際限なく繰り返すような道になりました。

坂を上ってトンネル...

下って海岸線、の繰り返し
平地がない... アップダウンの勾配がさらにキツくなっていき、体感で7〜8%を超える区間も出てきました。
「初心者でも簡単に」という前評判を覆す展開に妻はブチ切れ! おまけにコンビニどころか商店が無く、休めるところが見つかりません。妻はもう上り坂はすべて自転車を押すばかり、頭痛と吐き気を訴えてダウン寸前に...
途中、不似合いに幅広い自転車道を整備する道路工事を見かけました。こんなにアップダウンばかりの道ですから、地元住民向けではなく、観光目的のサイクリスト向けでしょう。しかし先に自転車道をつくったとして、ビギナーレベルにとっては景観やグルメなどの観光資源が離れすぎている印象で、少なくとも東屋でかまわないから休憩施設が欲しい。走るだけでない、もっと多くの層を呼び込むには、地場産業や文化などふれあいの要素もいくらか欲しいと思います。ともかく自転車振興の施策がちぐはぐなのは、よく見られることではあります...

アップダウンの勾配はキツくなるばかり

道の駅すさみ到着、体力の限界
やっとの思いで道の駅すさみに着きました。私はさっそく売店へ駆け込み、疲労回復にと「じゃばらサイダー」を買い求めてグロッキー状態の妻に差し出すのでした。
どうにか妻の期限が少し直り、近くの小さな食堂へ。平日ながら満席状態に近く、残されていた空席について名物:イノブタ丼をいただきます。

フラフラ状態で食堂へ

イノブタ丼¥920税込
見た目は親子丼、じゃなくて他人丼。何も派手さはありません。味のほうも格別な特徴があるようには感じません。でも疲れきった体には刺激が少ないほうがいい。食べ終わると元気が出てきました。
道の駅に戻り、缶コーヒーを飲みつつ改めて休憩。妻の様子を見つつ出発しました。
坂を下っていくと、道沿いにJR見老津駅を発見! ピットイン(?)です。限界を迎えた妻はここでリタイア。サイクルトレインを利用して目的地の駅へ向かうことに。

妻はここでリタイア

道の駅イノブータンランドすさみ
私はリタイアせずに引き続き走ります。相変わらずのアップダウンですが、いくぶん勾配が緩いようです。上って下り、道の駅イノブータンランドすさみに到着するもこの日は休館日。誰もおらず、寂しい雰囲気ですが、これもまた旅の思い出です。
先へ進むとアップダウンの繰り返しながら勾配は緩く、しかも平坦区間が出てきました。あまりキツくない。やや長いトンネルを通り、すさみ町に到着。よかった、まだ体力が残っています。
JR周参見駅に向かい、妻と合流。翌朝の朝食を買いに坂を避けつつ細い道をスーパーへ向かいます。が、道に迷いまして、通りがかりの地元の人に尋ねると、ここを通るといいとおしえてくださいました。民家の敷地内にも見える細い細い通を進むと、スーパーの裏手に出ることができました。

JR周参見駅で合流

スーパーへ買い出し

気休めの野菜ジュース

この日投宿の民宿、キレイ!
しばらくまともに野菜を摂れそうにないことから、気休めに野菜ジュースを飲み、この日お世話になる民宿へ。ネットにほぼ情報がない宿でしたが、気さくな女将さんと大将が迎えてくださり、しかもすごくきれい。
部屋は8畳プラス8畳の広さ! 風呂もトイレも新しくて超快適! まるで1泊¥2〜3万の高級旅館のようですが、これで素泊¥3,500税込です! もう頭が上がりません!

夕食はお好み焼き屋へ

モダン焼き¥900税込
夕食は歩いてすぐのお好み焼き屋へ。小さな小さな店内は5〜6人入るといっぱいな広さですけれど、変に広々とした観光客相手の店よりもよっぽどいい。
女将さんが丁寧に焼いてくださったモダン焼き、ちょっと濃い目の味ながらシンプル感が好印象、材料も一定のレベルにあって満足感が高い。ああ、関西圏に来たんだなあと感じる味でした。
この日の走行距離は70km。アップダウンのせいで数字以上に走った感があります。