しまなみ海道ふたたび 2009/10月
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前回のしまなみ海道走破から3年。こんなにも早くここに来るとは思っていませんでした。どうして1回行ったところをまた走るのか? しかもほぼ同じコースをトレース…
旅に対する考え方は様々であり、理解し難い、あるいは、何かのトレーニングでもない限り同じコースを走るのは無意味、そう考える諸兄も少なくないでしょう。ここに書くことをご覧になっても意味がないかもしれません。
でもね、そんなことどうでもいいじゃないですか。理由なんか無く旅したっていいじゃないですか。そう思わせる魅力がしまなみにはあるのです。
あの、せかせかした日常とは別世界のような、柔らかい物に包み込まれるような、優しい空気に触れたくて。
1日目 自宅→ 尾道
家から走り出して忘れ物に気づきました。財布とデジカメ。おバカです。輪行始めてからでなくて良かった。
ひと安心して再び走り出してしばらくすると、今度はウインドブレーカーを着ていないのに気づきました。まあ、無しでも大丈夫かもしれませんが、多少の風雨は防いでくれるので、取りに戻ります。何をやっているんだ、いくら一度行ったところへの旅とはいえ、緊張感なさ過ぎじゃないですか。
しばらく走ってから気がつきました。輪行袋忘れてる…
途中、段差の衝撃でフロントバックのポケットに入っていた物を交差点内にぶちまけてしまい、時間のゆとりが完全に無くなってしまいました。
なぜこんなにも気が緩んでいるのか?
まるで親戚の家に泊まりにいくかのような感覚なのです。私の中に、既にしまなみの、のどかな空気が入ってきていたのかもしれません。
最寄駅で輪行
新幹線へ乗り換えます
輪行袋を担いで名古屋駅で乗り換え。雑踏にひと苦労しました。連休の日中ですから。ところが連休だというのに新幹線はガラガラ。高速道路休日1,000円の影響でしょうか。
新尾道駅では10人ほど降りた乗客が、バスやタクシーで市内へ向かってしまうと、後は閑散としてしまいました。地方都市の新幹線こだま専用駅なんてこんなもんでしょう。
自転車自体は3年前と同じですがパーツや装備は少し違っています。ハンドルグリップにバーエンドバー。ペダルとトウクリップ、タイヤ、輪行袋、パニアバック。
これでもずいぶん走りやすくなったほうです。
ちなみに私自身の体脂肪率が3年前14%、2年前16%、昨年18%、今年14%と変わっていません! もちろんしっかり3年分老化してますけど。
新尾道駅で自転車を組み立て
駅前商店街のわき道
地図も見ずに尾道市街へ向かいます。
宿では ご好意で自転車をフロント奥に置かせてもらいました。高額な自転車ではないのに恐縮です。
そうそう、今回の旅も妻がついてきました。いえ、今度は行きたいと言い出したのが妻の方だったか。
のんびりと商店街を散策。すべてがゆるりとしています。
外界の時間の流れが、電気式でも機械式でもない、体内時計のそれとシンクロしたかのような心地よさなのです。
ふと立ち寄った和菓子の店で、ずんだのだんごを食べました。これが衝撃的なウマさ。優しく、飾らず、それでいて芯のある、自然の風味たっぷりな味。
賞味期限は1日! このだんごだけで、尾道に来る価値があるかもしれません。
ずんだのだんご
白ねぎチャーシューメン
ほかに、尾道と言えばラーメンですが、今回は脂っこいのは避けてあっさり野菜系を。これも優しい味でした。
商店街の中の温泉も行きました。豪華設備など何もありませんけど、妙に落ち着きます。帰りに一杯ひっかけていきたいくらいでした。
私にとって不思議なほど違和感がなく、なんだかずっと昔からここに住んでいたような錯覚すら起こしてしまうほどの街です。