小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2008/01/27

過去掲載した編集◇コラム10

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続々)キャブセッティング (07/12/16)

(先回からの続き)
あまりのセッティング作業の煩わしさに いっそのことFCRキャブにしちまおうか、とも考えたりしました。
しかし... 我が家の周辺環境を考えると、エンジン始動にチョークは必須。
やはりここは順当に、同じリフト量でも中速域で濃くなるようなジェットニードルを探すしかありません。カギとなるのは寸法。FCR用のジェットニードルが流用できるのではないかと思い、寸法表を片手にノーマルのニードル寸法を計測... だめだあ、全然違う。しかもZZR250のニードルって2段テーパーじゃないか...

もう他に手はありません。いよいよバクダンキット用のジェットニードルの一部寸法違い品をオーダーしました。これがはっきりと効果があり、現在オーダーメイド2号を使っていて90点くらいの印象です。
当面これでいくことにしました。いずれ100点を狙って3号をオーダーメイドするかもしれませんけど、もう面倒になってきたのが正直なところです。今のところ夏冬同一セッティングでOKみたいですし。

あるパターンのセッティングが合ってるかどうかは、エンジンをかけただけではわかりません。
近所をちょこっと走ってみただけでもわかりません。いえ、わかる場合もあるんですけど、そういう場合は相当セッティングがズレてます。最初は良くても完全に暖気できるとフィーリングが変わったり、ワインディングが良くても街乗りがダメだったり。それらが良くても長距離走ってみると不満が出たり。
ロアカウル無し
←まさか今年もこんな姿で
 走り回ることになろうとは...

しっかり確認するには暖気が完全に終わり、街中の停止・発進の繰り返し、ワインディングでのアップ・ダウン、長い直線での急加速、晴れの日と雨が降りそうな日、さらに長距離走行でのチェック+高速道路での確認が必要になります。
確認した結果、イマイチな場合はひとつずつパーツを変えて また確認作業をやり直しです。
メンドクサイですねえ。マニアでなければとてもやる気が起きないと思います。

グラフ さて、ここで 以前掲載した、キャブレター各パーツの担当領域を一部修正したいと思います。このキャブレター、各パーツのオーバーラップが多く、言葉で表現するのが難しいため、図にしてみました。
あくまで自分のバイクで実走した感触、しかもパワーフィルター仕様なので、一般的ではないかもしれません。ZZR250の場合、負圧式のせいかアクセル開度ではなく 回転数で表現したほうが実走感覚に合う気がします。
とはいえ、低回転でもガバっと開けたときにはジェットニードルやメインジェットの影響を大きく受けるわけで、それがまた負圧式の難しいところでもあり、良いところでもあるわけで...
例えば2,000〜2,500rpm付近でアクセルを開けていくとモタつくとして、ここを直すにはパイロットジェットを換えるわけですがアイドリングまで影響が及び、パイロットスクリューの再調整もするわけです。しかしそれでも調整しきれないときはジェットニードルの影響を疑うことになります。

いやあ、フクザツですねえ。
やっぱりマニア以外はキャブセッティングに手を出さないほうがいいような気がします。

続)キャブセッティング (07/10/13)

昨年夏にひと段落したと思ったキャブセッティング。実はその後大いに手間がかかり、ひと段落どころではありませんでした。かなりマニアックな話題になりますが、以下 体験記をご紹介します。

低中速域のセッティングが完了したから、後は寒い時期にもし高速域の不調を感じたらメインジェットを交換すればいいだけ、と考えていたのが昨年夏。秋〜冬になると案の定 7,000〜8,000rpm以上のパワー感が薄くなり、メインジェットを交換しました。やれやれ これで完了、と思ったのが甘かったのです。
メインジェットの番手を上げたことで9,000rpm〜の反応は良くなったのですが、季節が暖かくなってくると今度は2,000〜4,000rpmあたりがモタつくのです。う〜ん、メインジェットがここまで影響しているとは思わなかった。パイロットスクリューを締めこんでも ほとんど効果はなく、逆にアイドリングが不安定になる始末。
既にパイロットジェットは#35を使用していて、これ以上落としようがない状態でした。とはいえ、低速域の良い状態を知っているだけに、ここがモタついて加速が鈍いのは我慢できません。

まだ手はある。ジェットニードルのクリップを1段上げればいいわけです。で、1段上げて解決...とはいかなかったのがキャブセッティングの難しいところ。4,000rpm以下のモタつきは解消されたのに、逆に今度は6,000〜9,000rpmのパワーが足りず、前へ出る力感に乏しい。クリップ位置を元に戻すと6,000〜9,000rpmの力感は正常になりますが、4,000rpm以下がダメです。

ううう〜、手が無くなった... メインジェットやパイロットジェットを交換しても問題が解決しない状態に陥ったわけです。こんなことってあるんだ... たまに市販雑誌に掲載されているような、単気筒バイクのセッティング記事のようにはいかないようです。
低速域と中速域が両立しない原因は、ジェットニードルのクリップを1段上げた状態で中速域になったときに混合気が薄いことです。つまりこれを解決するには低速域はそのままで、中速域になったときにクリップを上げない状態=つまりスライドバルブのリフト量を増やせばいいことになります。

そこでいくつか思いついた対策を検討します。
1) スライドバルブのサクションホールを拡大
一見アクセルに対するスライドバルブの反応が良くなって、問題が解決するような気もしますが、しかし低速域の反応まで良くなってしまう恐れがあります。そうなると低速域が濃くなってしまい、モタつく結果になりそうです。ダメだ。

2) スライドバルブのスプリングをカット
こちらも一見、スライドバルブの動きが良くなって、問題が解決するような気がします。しかし、スプリングをカットしたところでバネレートは変わりません。つまりイニシャルは下がりますが、バネが圧縮されていったときの動き量に変化がないわけです。これでは何の解決にもなりません。低速域=イニシャルを変えずに、中速域=バネレートを変えたいのですから。
理系の諸兄ならご存知かと思いますが、バネレートはコイル径、線径、ピッチなどの要素で決まってきます。これって、全然違うスプリングを用意しなければならないということです。流用にせよ自作にせよ、非常に多くの試行錯誤をしないとならないし、しかも耐久性まで考えると ほぼ無理。仮にオーダーするにしてもコイル径、線径、ピッチをどうすればいいかわかんないし。

3) ジェットニードル自家加工
リフト量を変えられないのなら、同じリフト量でも中速域で濃い状態にもっていけばいいわけです。つまり中速域に相当する部分のジェットニードルを細くすればいいわけです。そう部分的に削るだけ。しかし... ジェットニードルの寸法精度は0.1mmどころか0.01mm単位。自家加工ではきちんと寸法を出すどころか、真円に仕上げる自信もありません。さらにそれだけの精度が要求されるわけですから、削った後の表面粗さも影響しそう。これも自分には無理だな。

4) ジェットニードルにワッシャ追加
ワッシャを挟んで、クリップを1段、ではなく0.5段上げた位置にすればいいのだ。これで解決と思いきや、低速域が微妙にモタつき、中速域も少々力感が無い、という極めて中途半端なフィーリングになりました。
やっぱり甘くなかった...

(続く)

眠れない夜 (07/08/26)

暑さのせいか、時々ひどく寝つきの悪い夜があります。もしかしたらニンニクを多く食べたせいかも。
明日の仕事に備えてしっかり休んでおかないと、なんて思うと余計に眠くならなくなってしまいます。
一人暮らしならまだしも、同じ時刻に家族が寝ていると、夜中TVを見たり、ネット徘徊もなかなか難しいわけで、布団の中で孤独な時間を過ごすことになるわけです。

そういえば こんな孤独な時間、しばらく無かったかもしれない。
若かりしころは たいてい いつでもどこでも寝れたし、学生時代は酒が入ることが多かったですし。
泥酔して駅舎の片隅でゴミのように汚らしく寝てたこともありました。
高校生時分も バイトしてチャリにカネを使っていたせいか、それなりに行動半径が広かったです。深夜0時前に必ず家に帰ることも無くなり、夜は友人・仲間と一緒。タイムトライアルごっこやってみたり、深夜の山下公園でカップルや外人さんをからかったり(失礼しました)、江ノ島周辺をフラついたり。

孤独な夜はもっと以前。
中2くらいまでは だいたい家に帰っていた記憶があります。
夜も更けて 家族が寝静まった後、孤独な時間が始まります。
現在とは時代が違うので、こんな話、40代以上の諸兄にしか理解できないかもしれませんが、当時はPCも携帯も無く、TVは一家に一台。健全な(?)少年の深夜の娯楽といえばラジオでした。

聞いていたのは 言わずと知れたオールナイトニッポンで、最もよく聞いていたときのパーソナリティは松山千春や所ジョージ、南こうせつ、ツボイノリオだった記憶があります。
眠れないといっても所詮は中学生。第1部が終わる午前3時には寝てしまうことも多かった。それでも ときどき第2部まで聞いていたときもあったものの、リスナーの数がどうしても限られてしまうのか、今ひとつ盛り上がりに欠けていたような気がします。
そんなときはなぜかTBSの深夜3時から放送される「歌うヘッドライト」を聞くことがありました。
こちらは深夜のトラックドライバーをターゲットとしていた番組で、歌謡曲のリクエストに応えつつトラックドライバーのメッセージが読まれるわけですが、こんな時間でも他人のために一生懸命働いている人たちがいるんだ、とちょっぴり感動していたものです。

タイマー録音ではだめだった、リアルタイムで聞いてないと。
そう、深夜のあの時間を共有 ─ ネットとは形も中身もずいぶん違うものの、深夜放送を聞いているだけで何となくその時間を共有し、つながっている気分になれていたのかもしれません。

こんな風に独りでラジオを聴きだしたのは小学校高学年のときからです。
よく聞いていたのは「一慶・美雄の夜はともだち」通称「よるとも」だったかな。
「赤ずきんちゃん食べちゃうぞ」のコーナーなんて、コドモにはちょっと刺激的だったり…


孤独とはいえ、ああいった時間も悪くはなかった。
明日の心配をせずに、いえ、次の日の学校が苦痛なのはあきらめ、眠気に勝てなくなるまで悶々と…

なんだか、ほのぼのとした気分になってきた。
さあ、寝よう。


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