小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2024/09/01

管理人はたぼうの編集◇コラム

猛暑とプチ・セルフネグレクト (24/09/01)

 自宅で亡くなった一人暮らしの人が、今年の上半期(1〜6月)に全国で計3万7227人(暫定値)いたことがわかった。警察庁が28日に発表した。65歳以上の高齢者は2万8330人で全体の8割近くを占めた。政府か「孤独死・孤立死」の実態把握を進めており、今年から公表を始めた。
 死者数を年代別に見ると、80代以上が最多の1万3042人。10代以下42人、20代431人、30代512人、40代1346人、50代3719人、60代6509人、70代1万1555人と、年代が上がるごとに増えている。 朝日新聞2024年8月29日付朝刊『65歳以上「孤独死」2万8330人 1〜6月』より

 自分には関係ない、そう言い切れるのは富裕層の方々だけなのかもしれません。庶民レベルでは多くの方々がいずれ独居状態になる可能性があり、自分には関係ない、そう思いたいというのが本当のところでありましょう。

 2024年の夏は記録的猛暑になり、最高気温35℃の日が連続1か月続くなど耐え難い期間が長く、体力を削がれていった感がありました。
 エアコンをつけた居室にいれば暑さはしのげるものの、戸外との寒暖差のせいか、通勤や買い物などの移動中の暑さのせいか、夫婦共々バテて体力も気力も失せ、最小限度の活動以外、ほぼ何もできないといった状態に陥りました。食欲も低下、さらに体力が落ちたのか、体温調節がおかしくなり、エアコンの設定温度を上げざるを得なくなってさらにバテる、という事態に。1か月以上も掃除や片付けができなくなり、一時は住環境が悪化しておりました。
 8月下旬に台風10号が接近すると曇りや雨が多くなって猛暑日からは解放され、急に体力が戻ったように活動可能になり、食欲も戻った結果、すぐに掃除や片付けをこなすことができるようになりました。
 原因は人それぞれだと思いますけど、猛暑の影響で一時的にセルフネグレクト気味に陥ったようです。体力も気力も失せたときは生命力の低下を感じました。いろいろとできていたことが、ほとんどできなくなってしまうことの恐ろしさを実感した気がします。

 孤独死はセルフネグレクトと関係が深いと言われることがあります。セルフネグレクトは当人の責任、あるいは努力不足の結果、などと批評されることもあるでしょう。
 しかし、決して自己責任100%ではない。持病や気候、貧困などの複合要因で、生きる意欲というか生命力が衰退すると、できていたことができなくなり、己の意志にかかわらず、緩やかに自死の方向へと向かっていく、そのように想像します。

 生命力が減退すると、おそらく自助努力ではどうしようもない。環境の改善や、他の誰かの助けが必要になってくると思います。決して本人のせいではありません。他者との関係を絶って自分を閉ざす方向へ向かいがちですが、もしかしたら動物的な本能で、群れに合わず、脱落した個体は孤独を志向してしまうのかもしれません。
 私は現代社会に自分を合わせることが難しいタイプ、日々苦しんでいるタイプです。このような、生きづらさを感じている人たちがわずかでも互いに関わりを持てたらといいと考えています。マウンティングや序列、嫉妬やねたみとは無縁でありたく、なかなか難しいですけれど。
 まだ猛暑のダメージが残っていて、考えがうまくまとまらず、酷い文章ですね。カッコつけても意味がない。これが自分の現在位置であります。

 日本社会が途方もない底なし沼に、じわじわと引き込まれつつあるのを感じる。一度足を取られると、誰もそこから抜け出せない。特殊清掃の現場で、私はそんな感覚を幾度となく抱いた。

(中略)

 私が、特殊清掃に興味を持ったのは、一言で説明すれば、亡くなった人の抱えていた生きづらさが、他人事のように思えなかったからだ。 菅野久美子著『超孤独死社会』毎日文庫より

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