過去掲載した編集◇コラム5
体のメンテナンス (05/11/19)
ZZR250に限らず、オートバイはエンジンオイル交換やタイヤの空気圧チェックだけではなく、たまにはエアクリーナー清掃やプラグチェック、ブレーキフルード交換など 少々ビギナーには作業しづらいこともメンテしないと調子を維持できません。人間の体も同じ。定期的な健康診断だけでなく、たまには虫歯の治療とか内臓のレントゲン検査とかが必要ですよね。
個人的なことですが、健康診断で引っかかってしまい、昨日大腸精密検査なるものを初めて受けてきました。内視鏡検査です。エコーとかMRIとかの生易しいものではありません。たまにTVで芸能人が検査を受けているのを見ますよね。私は今まで他人事だと思っていたのです。ところが自分自身の体に、先端にカメラのついた長ーい管がズビズビ、ゴリゴリッと ねじ込まれるかと思うと、想像するだけで気分が悪くなってお腹が痛くなってしまいます。恐ろしい...。イヤですう... できることなら一生避けて通りたいことのひとつです。
そんなわけで昨日までの1週間はかなりブルーで、あまり食欲もなく、ずっと落ち込んでいました。そしてとうとう昨日の朝、ひどくゆううつな気分で病院へ行ったわけです。
受付を済ませて検査着に着替え、まず大量の水薬を飲んで腸の中をきれいにします。これがけっこう時間かかるんです。3時間以上も。待合室には私と同じような検査着姿の男性が10人ほど。会話が弾むわけもなく、愛想笑いすらできずにイライラしながら、皆 悲しいというか困ったような複雑な表情を浮かべておりました。異様な雰囲気の中、「腸の中をきれいにしていくと どんどん力が入らなくなっていきますよねえ。もう、早くしてほしいですよねえ」と、話しかけてきた同年代ぐらいの人に、私は「そ、そうですよね」と答えるのが精一杯でした。内心(このまま帰宅できたらいいなあ)とも思っていましたし。
しかしそうするうちに時間が過ぎ、無情にも検査の順番は回ってきて、待機室に入り、順番待ちのベッドに寝かされました。もう緊張しまくり、心臓バクバクです。
私の3人前のおじいさんが検査室から出てきました。静かです。どうしたんだろう、と不安に思っていると、看護師さんの「○○さん、終わりましたよ」という声がしました。
「うーん... ええ? わしは検査やっておらん..」という おじいさんの声。
「終わったんですよ。よく眠っておられたようですね。無事ポリープも取りましたからね」「違う、検査受けておらん、うーん、zzz」
どうやら想像するに鎮静剤が良く効き、無痛に近い状態で非常に楽な検査のようです。おお、ラッキーだ。ビビることはないのかもしれない。
そして私の2人前の人が検査室へ入っていきました。同じように静かな検査のはず...。 ところが何か呻き声が聞こえてきます。
「うっ! はうあ! あああ! 何をするか!」
「まだですよ!この後カメラが入りますからね。がんばってください」
「うあっ! ぐううう! うあーっ」...
ひええっ! 何だ、痛くないなんてウソだったのか。やっぱり想像を絶する苦痛なのか...そうだよなあ、ズビズビ、ゴリゴリ入れていくんだもんなあ。でも鎮静剤使うはずだよね。気の毒に、たまたま効き目が薄かったんだよね。そうだ、そうに違いない。
悲鳴を上げていた人の検査が終わり、私の前の人が検査室に入っていきます。どうか、楽に検査が終わりますように...。でも期待に反して...
「イタイイタイイタイイタイ!」
「がんばってくださいね。しっかり!」
「うああ! ううう!」
「動かないでください! ポリープ切除しますから。動くと切除できません!」
「ああああ!」
おおお、恐ろしい! やっぱり鎮静剤なんて効かないんじゃないのか。気絶しそうなぐらいの激痛かなあ。ああ、逃げ出したい。早くなっていた心臓の鼓動が ますます早くなったように感じました。
いよいよ私の番が来ました。ベッドに寝かされた状態で検査室に運ばれます。
「横になってひざを折り曲げてください」 来るべきときが来てしまった! 周囲には不気味な輝きを放つ検査機器が並んでいます。緊張でガクガク、サーっと変な汗が流れてきて、もう心臓が口から飛び出しそうです。
「では、鎮静剤を注射します」
うわっ、...はっ。こんなに緊張すると効かないかもしれない。リラックスしなくちゃ、リラックス、ドキドキドキ...。おっ、目の前がクラクラしてきた。
しかし、意識はある。眠ってしまうほどではない。ああ、やるなら ひと思いにやってくれ...。でもなかなか始まる様子がないのです。周囲で看護師さんたちが動いてはいるのですが、検査機器の電源がOFFになっていて、室内の照明が落とされているような...。あれ、ちょっと遅いけどお昼の休憩時間? それともシフト交替の時間か? ああ、こんな状態で待たされるなんて、私は運が悪い。いつまで待たされるんだろう。
「目が覚めましたか?」看護師さんが私に声をかけた。何を言っているのだ。まだ眠っていない。眠れるような状況じゃない。「あのー、検査は あとどのくらいで始まりますか?」と聞くと、「もう終わりましたよ」との返答。
「えっ? まだ検査受けていないんですけど。」と言って、自分で気がついた。3人前のおじいさんと同じことを喋っているではないか。「終わっていますよ。ほら、もう○時ですし」 ああ、確かに1時間半以上経過している。
本当にわからなかったんです、検査を受けたことを。眠っていたということすら覚えていないのです。少々不思議な感覚ですが、とにかく苦痛を受けずに検査できるなんてスゴイ。検査方法を開発した人に感謝。担当医に感謝。看護師の皆さんにも感謝です。なんだか急にグッタリしてきました。
しばらく休んでから医師の説明を受けて、ようやく検査が終わった実感が湧いてきました。結果はポリープなし、炎症もなし、異常なしだそうです。
ああ、良かった...、先生、ありがとうございます。看護師さん、ありがとうございます。何とお礼を言っていいのやら...
以上、大腸精密検査体験記でした。違う展開を期待していた方々、がっかりさせてごめんなさい。とにかく今後は食生活に注意して、健康に気をつけます。できれば内視鏡検査は避けて通りたいですから...。
これもひとつのバイクライフ (05/09/24)
バイクの楽しみ方は千差万別で人それぞれ。街を流したり、仲間どうしでの日帰りツーリング、温泉、グルメ、ロングツーリング、キャンプ、林道、チョイ乗り、埠頭(?)、カスタム、レストアなどなど、本当に様々な楽しみ方があります。中でも“ワインディング”はバイク独特の乗車感覚を味わえる楽しみのひとつですね。
今日は相互リンクさせていただいているyasoozzrさん主催のご近所ツーリングに参加、6台集まってワインディングを堪能してきました。ブッ飛ばすわけではありません。まったりツアラーのZZR250です。のんびりと、よろよろ走るのが関の山... 賛否両論あるとはいえ、そんなへなちょこ走行でも このZZR250は意外にも結構楽しめるバイクだと思います。
これだけの台数が集まって近くのワインディングを和やかなムードで走るのは
しばらくぶり。雰囲気も良く、その点でも十分満喫できました。しかし、バイクに乗り続けるだけでなく、年甲斐も無くワインディングを走ってしまうなんて、若い頃は全く想像すらしていませんでした。バイクに乗り始めた頃もワインディングにはそれほど興味はなかった方ですし...
いったい私はいつ頃から2輪でワインディングを楽しむようになったのだろう? 昔の記憶をたどってみました。まともに中型バイクを所有したのは もう20年近く前、GPZ250Rが最初です。当時は神奈川県に住んでいて ときどき箱根や伊豆、道志などに行ったりしてはいましたが、いずれもワインディングはツーリングでの、ただの通過点に過ぎず、楽しいと思うことは あまり無かったように記憶しています。
きっかけとなったのは
その後にたびたび参加したバイクショップのツーリング。抜群に上手い人が何人かいて、あこがれました。速さだけではなく、余裕のある、きれいな走り方をしていたのが印象に残っています。その頃からカーブでの運転技術向上の意識が出てきたのですが、手放すまでノーマル状態だったGPZ250Rでは結局ほとんど上達しませんでした...
今ではZZR250に乗り換え、ワインディングをほどほどに楽しんでいるわけですが、20代の若者に混じって走っていると、ふと当時のことを思い出します。時代は変わっても、バイクは変わっても、ワインディングの魅力は変わらないものなのか...
それにしてもいい年して何やってんだろう...
国際バランス (05/08/07)
合衆国に続き、とうとう英国ロンドンでも同時多発テロが発生しました。しかも2度も。中東ではなく先進国での事件であり、昨今の事情を考慮すると、もはやここ日本でも爆弾テロがいつ起きてもおかしくないと思ったほうがいいのかもしれません。私は何回かロンドンに行ったことがあるせいか、よけい他人事には
思えないのです。
→ London Kensington周辺
何年も前、爆弾騒ぎで一度地下鉄の駅が封鎖されて ヒースロー空港から代行バスに乗った経験もあります。
爆弾テロで 亡くなった方々、怪我をされて苦しんだ方々、家族や恋人など大切な人を亡くした方々、想像を絶する悲しみと怒りに沈んでいることと思います。実行犯は一人残らず検挙され、司法の場で裁かれるべきです。もし存在するのであれば背後組織・関連組織の解明も必要でしょう。
また、これ以上の再発を防ぐため、捜査権限の拡大や外国人入出国管理、移民管理強化もされるようです。
それに比べて日本では危機意識が足りないとか、法整備が遅れてるとか、まだ不安な点が多いようです。国民情報の管理や入出国管理、不法滞在外国人の取り締まり、活発に活動をしている団体の監視、などが近々強化されていくことになるかもしれません。確かにセキュリティのために必要なことであるのかもしれませんが、それで不安が解消されるのでしょうか? 全面的に このような方向に向かっていって 安心な生活ができるのでしょうか?
対決姿勢を明確に表し不安因子を徹底的に排除する西欧的発想に対し、東洋的発想は異なり、中でも日本人は比較的バランス感覚を大事する傾向の強い民族だと言われています。
森羅万象表裏一体、陰と陽、光あるところには影ができる、...
一部勢力への弾圧を強めれば 抵抗勢力もまた増大し、西欧先進国が強く光り輝けば その影がはっきりと濃くなっていく。私のような凡人には 合衆国のような強い国際的リーダーに日本が追従すべきかどうかはわかりませんが、妄信的に光を求めれば、自ずとその影の部分も受け入れることになるような気がします。
儒学の核心のひとつに “中庸” があります。これが凡人には難解で、実践に至っては さらに難しいことであり、何をすべきかは私には想像すらできかねますが、少なくとも「テロには屈しない」と対決姿勢を強調するような方向に、何となく不安を感じるのは私だけでしょうか?
梅雨 (05/07/10)
曇りや雨天が続き、見上げれば空は灰色か鉛色。ただでさえ気分が滅入ってしまうのに、蒸し暑くて不快指数も はね上がります。バイク乗りにとっても不満の多い季節でして、思うように乗れないことが多いばかりか、洗車やメンテナンスもできない日々が続いてしまいます。
そんな梅雨の中、週末のわずかな晴れ間。さっそくバイクに跨って何処かへ出かけたいところですね。しかし私の場合、そうもいきません。家の周りのメンテ... 早い話 雑草取り作業が待っているのです。たかが雑草といっても侮れません。特に今年の梅雨は 前半雨が少なくて雑草があまり成長しなかったので油断していたら、後半の雨天続きで雑草が急成長、2〜3週間で猫の額ほどの庭と家の周囲の通路はひざ丈ぐらいの雑草が無茶苦茶に生い茂っていて悲惨な状態になっていました。この辺りは田舎なせいか雑草の伸びるスピードも早いような...
群がる蚊を追い払いつつ悪戦苦闘しながら そんな雑草を抜き取っていると、どっと汗が噴き出してきます。私はこの時期 たっぷり汗をかいたほうが体調が良いので、実はこの草取り、健康に良いのかもしれません。ときどき蝶がいたり、小さいバッタやカマキリがいたり。ちょっと心もなごみます。もっともアリやダンゴ虫、ハサミ虫には なごんだりはしませんが...
あまり雑草をそのまま放置しておかないのには わけがありまして...
ある程度 雑草が茂ってしまうと、なぜか野良猫が庭や家の周りで くつろぐようになってしまうのです。きっとアスファルトの道路に比べれば 快適になのでしょう。気がつくと1匹が2匹に、そのうち3匹ぐらい集まってしまうこともあります。
それでも そこまでなら私も気にしないのですが、こいつらがフンをしてしまうのです。庭や家の周囲だけでなくバイクを保管しているガレージの前に人間もビックリ!の立派なものがあったりすることが! しかも湿気が多いと臭気もすごく、早々に撤去しなければなりません。この撤去作業をするぐらいなら、週末に数時間かけて雑草取りをするほうがよっぽどマシなのです。
しかし、この野良猫たち、暴風雨のときに なぜか家のドアを叩いたりして「ミャア」と鳴いたりするのです。かわいそうだけど家には入れませんよ。衛生面の問題もありますが、情が移ったりすると後がやっかいですし。
あぁ、今日も大量の雑草取りで 貴重な自由時間が確保できずにバイクに乗る時間が無くなってしまった...
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