小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2006/07/02

過去掲載した編集◇コラム6

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自転車再生 (06/05/13)

 皆様は自転車に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか? 車道を走る自転車がウザイとか、駐輪場から溢れた自転車を何とかしてくれとか、高校生が2台以上で並走するのはやめてほしいというようなマイナスイメージでしょうか? あるいは健康に良いとか、地球温暖化防止に貢献などのプラスイメージでしょうか?

 私は解体屋から買って再生した中古自転車を近所の用足しに使っているだけで、ここ10年ほどは特に積極的に自転車を利用しているわけではありませんでした。でも、「ちょっと昔の海外旅行記」で紹介させていただいているように、自転車に対して特別な思い入れがありまして、ここ数年市場に出回りだしたクロスバイクにはけっこう興味があります。ゴツくて重いMTBに対して、細めのタイヤにシンプルで軽いクロスバイクは日常用途に向いていそうで魅力的に見えます。
今や大型スポーツ用品店だけでなく、ホームセンターなどの売り場でも見かけるようになりましたし。ただ、それなりに丈夫でメンテナンス性が良くて、長く快適に使えそうなクロスバイクは どうしても\70,000〜80,000以上はするようで、ただでさえ少ないおこづかいをバイクに投入している現状では厳しいものがあります。

 そこで... 物置で朽ちていくだけになっていた、約15年以上前のMTBを復活させてみることにしました。現代的な水準で見ればとてもMTBでは呼べないシロモノでしょう。なにせ古いものですのでMTBといってもフレームは細めでサスペンションも無い代わりに比較的軽量。以前は林道や廃道などのダートで激しい使い方をしてたこともあって心配はあったのですが、 こいつで少しはクロスバイクまがいの雰囲気が味わえないかと思い埃を落として各部を点検、注油してみました。多少の錆はごまかしきれなくなっているものの、10年ほど前にチェーンやスプロケットを新品に交換していたこともあって、タイヤとチューブを新調するだけでOKでした。こう順調に復活できると気持ちがノッてしまい、さっそく近場の自転車道+川沿いを走ること無謀にも約40km。


走ってみれば、快適な自転車道


自転車道が終点、
勢い余って予定外のダートへ

 初めの20kmほどはけっこう快調に走れたのですが、その後ガックリとペースが落ち、家に戻ってくる頃には脚に力が入らなくて平坦路でも自転車を押そうかというほどに...


この時点でペースがガタ落ちに


川面を渡る風が心地良かったです

 体力落ちたなあ… でも楽しかった。バイクでなければ味わえない楽しさがあるように、自転車でなければ享受できない味わいがあります。
 新しいクロスバイクは要らないみたい。時間があるときにまた走ろう...

デジタルオーディオプレーヤー (06/03/25)

(音楽に対する嗜好は十人十色で、その範囲は相当に広いと思います。
私は音感が優れているわけでもマニアでもなく、この文章はあくまで個人的な感想を書いてあり、平均的な感覚から外れているかもしれません)

 今年初めに買ったデジタルオーディオプレーヤー:SONYウォークマン NW-A608。これがあればMDは不要になるのだろうか? 使用して約3ヶ月になった今、私なりの感想をご紹介します。(使用している圧縮形式や聴き比べたソース等については後述)
NW-A608
 まずポータブルユース。電車やバスでの移動中に使ってみました。私はインナーイヤー型イヤホンの長時間装用が苦手で、オープンエア型を使っています。まずこれで音質的には決定的に不利...。感想としては、可も無く不可も無くです。こういう使い方だと仕方ないと思いますが低音はかなり弱い。BASS +3にしても今ひとつで、低音がきれいに出てくれません。比較的相性の良いのはJ-POPやフュージョンでしょうか。それでも小さい音が駅の雑踏や電車の騒音にかき消される傾向があります。こういう状況ではジャズやクラシックは相性が悪く、新しい車両の新幹線ならなんとか聞けないこともないですが、本来の音とはずいぶん違う印象で長時間聴くのはちょっと無理です。もっとも高額なヘッドホンを使えばずいぶん印象が変わると思いますけど...。

 次に私のメインユースである乗用車の中。注意力はほとんど運転操作に向かい、音楽は聞き流しているといった使い方になります。ポータブルユースではパッとしなかったのに、ここではFMトランスミッターを介しているとはいえ、ポータブルプレーヤーの音にしてはかなり良い印象です。
 率直に言えば極端にノイズの少ないFMのようなものと言えるでしょう。J-POPだけでなく、ジャズやクラシックも それなりに聴けます。FM放送のクラシックが許容できる人なら、おそらく大きな違和感は無いでしょう。
 これだけで聴いていれば圧縮音源であることがわからないかもしれません。今ひとつな音質が 圧縮音源だからというよりもデッキやスピーカーなどの能力不足かと錯覚してしまうかもしれません。ほぼ満足です。MDのようにディスクを入れ替える必要がないので、利便性は圧倒的に良いですし、0℃近くでもちゃんと作動します。ただし停車して神経を音楽に集中すると、やはり物足りなさが気になります。長時間ドライブで ずっと聴いていると疲れるという面もあります。

 ではMDは...同じ車内でMDを聞くと音が断然豊かです。デッキやスピーカーも本来の能力を発揮します。今度こそ本当にスピーカーの能力不足を感じることもあります。長時間聴いていても疲れにくいですし。やっぱり半永久的に保存するメディアはMDのほうに軍配が上がるような...。もっともこれはMDディスクそのものの性能が優れているというよりも、圧縮時に欠落した情報をMDデッキ側がある程度補っているためではないかと思われます。

 さて、全く想定されていない使い方でしょうが、試しに家のホームオーディオ:ミニコンポの外部入力端子に接続して聴いてみました。果たして結果は...
 “全然ダメ” でした。とても聞くに耐えない音です。BGMとしても聴きたくない...
なんだかスピーカーに布団をかぶせているような印象。これには少々がっかりしました。カセットテープのほうがまだマシのような...
一方、同じソースを録音したMDを聴くと雲泥の差です。音が自然で、量感もあります。BGMとして聴くなら何の不満も感じません。
 もっともミニコンポの前に陣取ってじっくり聴くと、MDにも若干不満が出てきます。室内楽を屋外で聴いているというか、非常に湿度が高くて響かないというか、楽器の調子が悪いというか... じっくり聴くならやっぱりCD。楽器が活き活きとしているし、ボーカルにも張りが出ています。

 そんなわけで、私にとってはMDは不要になるどころか、改めてその音質と利便性、価格のバランスが優れていることを再認識することになりました。願わくばMETALポジションのカセットテープのように店頭から消えないことを祈っています。


【使用している圧縮形式】
 NW-A608では電池の持続時間や容量を考慮してATRAC3 132kbpsを使っています。LAMEでエンコードしたMP3 128kbpsでもたいした違いはありませんが、若干あっさりしてしまうように感じました。ATRAC3PLUS 256kbpsも試してみましたが、音が自然に近づき、ボーカルや個々の楽器が多少はっきりしてくるものの、奥行きが無いというか、響かない。劇的な変化があるわけでは無いように感じました。それでもお気に入りのアーティストの曲を聴くのでしたらATRAC3PLUS 256kbpsにしないと発声が微妙に違い、不満に思うこともあるかもしれません。尚、ラジオなどアナログ音源をMP3 128kbpsにデジタル化したものはかなり音質が落ちてしまい、AMよりはマシですがFM放送よりもずいぶんと悪くなってしまいます。
 MDではLPモードは一切使用せず、MDSPにしています。後述するPIONEERのデッキを使っているので、ATRACエンコーダーはPIONEER ARTISTになります。

【カーオーディオ】
 MDデッキはPIONEER カロッツェリア MEH-P5500、スピーカーはBMボッシュマン2WAY 16cmコアキシャル+デッドニング自己作業です。純正スピーカーよりは音の歪みはだいぶ少なくなって素直に音が鳴るようになりましたが、どうも音域が狭いです。レンジの広い曲になると低音も高音も少々歪んだ音になります。まあ、価格を考えれば仕方のないことでしょう。
 FMトランスミッターは家電量販店で処分価格だったSONY DCC-FMT1を使っています。長いフレキシブル送信アンテナが特徴で、トランスミッターとしては良い性能の部類に入ると思います。(以前使っていた別のメーカーのものはダメダメでした)

【ホームオーディオ】
 2000年に購入したPIONEER FILL7MDに、後日スピーカーのみFILL99MDのものに換えました。ほどほどに音のレンジが広く、このクラスのコンポにしては低音も素直に鳴ります。音の輪郭やスピード感は少々甘いものの、全体的に暖かみのある音で、気に入っています。でも現在FILLシリーズは生産中止で、後継機種も販売されていません。残念...。

【聞き比べた主なソース】
クラシック系: 川井郁子 「嵐が丘」(2005)、
フジ子ヘミング 「カーネギーホールライブ2001」、
上松美香 「PASION」(2001)
ジャズ: TorCH 「before the night is over」(2005)、akiko 「hip hop bap」(2002)
J-POP: 中島美嘉 「BEST」(2005)、大塚愛 「LOVE COOK」(2005)
 こう並べると私の好みが想像できてしまいそうですけど、ジャンルも音の傾向もバラバラかも。これは私が未熟者だということなのか屈折しているということなのか...。
ちなみに近年はタワーレコードなどに行くと まずクラシックコーナーへ行くことが多いです。

録音メディア (06/01/22)

 昨年更新したプチサウンドギャラリー2の音は ボイスレコーダー付のMP3プレーヤーを利用しました。その前、一昨年にUPしたプチサウンドギャラリー1の音は録音機能付のポータブルカセットプレーヤーを使っています。カセットテープというと20代前半の若い方々には ほとんど縁の無い存在かもしれません。一方、私のような40代、いえ30代後半以上の方々には かなり密接に関わってきた存在だと思います。

 私がカセットテープと出会ったのは 今から30年ほども昔のこと。それまでオープンリールのデッキや8トラはたいして普及しておらず、一般家庭では楽器演奏以外の音楽といえばLPレコードを購入し、レコードプレーヤーで再生する以外 あまり選択肢がなかったように記憶しています。
tape  そこへ登場したテープレコーダーとカセットテープ。当時はコンパクトカセットという名称もあったような...。一般家庭でも手軽に、繰り返し“録音” できるという使い方が新鮮で、面白がって話し声や歌を録音したものです。まもなくTV番組のテーマソングなどを録音するようになりました。LINE入力ができずに TVの音声を内蔵マイクで拾って録音するしかなく、録音中は家族全員で “シーッ” ということもありました。
 じきにラジカセが登場し レコードプレーヤーも安価なものが出回るようになると、購入したLPレコードやEPレコードからテープに録音するようになりました。洋楽も数多く聴くようになって、FM放送をテープに録音することもよくやっていました。エアチェック(死語)です。で、気に入ったアーティストのアルバムをレコードレンタル店で借り、テープに録音していたわけです。当時中高生だった私に、LPレコードをガンガン買うお金なんてありませんでしたし。80年代中盤以降 CDが広く普及するようになってもカセットテープは衰退せず、私もメタルテープ(TYPEW)をよく使うようになりました。

NEW MAD TAPE  さてLPレコードやCDだけではなく、こんな(←)ソースを入手したこともあります。
その名も “NEW MAD TAPE”。発信源は関西地方らしいのですが、当時関東に住んでいた私のところへも伝わってきました。
曲目を一部紹介しますと
 機動ガンダム、非道戦士ガンダム、アクマ大使、宇宙刑事キャパン、“あ”、スーパーマッドメドレー・とべとべ、... 
オタクの香りがプンプンしてきます...。
カセットテープには比較的自由に録音・編集できるイメージが大きいせいか、このような類のことも一部で流行りました。今はデジタル音源全盛で著作権管理も厳しく、ユーザーの発想も制限されてしまっているように思います。

 話を元に戻します。つまりそれほど どっぷりとカセットテープ文化に浸かっていた私。MDが登場しても、なかなかテープからMDへ切り替えることができていませんでした。しかし、2000年に入り、徐々にメタルテープが入手しづらくなってきたのと、店頭で試聴したミニコンポ(パイオニアFILL 7MD)のMD再生の音が 悪くなかったので、とうとうMDに切り替えることにしました。
 あれから5年以上...。早くもMDは衰退の兆候が濃くなり、デジタルオーディオプレーヤーが大きく台頭。一度使うと手放せないらしく、魅力的です。とはいえ、家には既に大量のMDがあるし、4輪の車内ではMDが便利だし... それでも運転中にMDを差し替えるのは やっぱり面倒。そんなとき、初めに紹介したカセットプレーヤーが昨年とうとう動かなくなってしまい、安価なMP3プレーヤーを使い出したのですが、どうにも音質が悪くて我慢できない...
NW-A608  そこで、とうとう買いました。
ウォークマンAシリーズ NW-A608。果たして これでMDを使わなくなるのだろうか...
使ってみた感想は次回のこの欄で ご紹介します。


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