小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2006/11/15

過去掲載した編集◇コラム7

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「新車購入」 (06/10/13)

 ZZR250のサイトなのに すみません、バイクではなくて自転車の話です。
今年5月に15年以上も昔のMTBを再生させ、周囲を走ったり、たまに通勤に使ったりしていました。ただ、昔ダートを走っていた頃は何も気にならなかったのに、タイヤをオフ用のブロックタイヤからオン用のタイヤに新調して以後、どうも自転車自体の直進性に不満を感じるようになりました。そこで、ある日ふと立ち寄ったサイクルショップで その話をしたら、「ちょっと見てみましょう」ということになり、その結果...
 なんと事故歴か何かでフロントフォークがわずかに曲がっているとのこと! えっ?そんな! 事故したことはないし...中古で購入したから、前のオーナーか?
 そんなことはともかく、気にしなければ普通に乗れるので、このままでも良かったのですが、スプロケやシフターなど消耗品の交換も難しくなってきたし、あと何年乗れるのかということを考え、思い切って新車を買ってしまいました。過去ヘンに自転車にハマった時期があっただけにさんざん迷ったあげく、購入したのは SPECIALIZED SIRRUSというクロスバイク。メーカー製の新車を買うのは実はこれが初めてで、今までは中古とか解体屋再生品とか自作とか...


 これがSIRRUS  このMTBBは近所の用足しに 解体屋の再生車はドナドナ

 SIRRUSの乗車感はMTBとは別モノ。あたりまえか... なんだか かつてほんの少しレースをカジった記憶が蘇ってきました。乗り込んでいくとロードとは違い、多少違和感が出てきましたが、これはこういう少々あいまいな自転車ですね。

 さて、エンジンで動く乗り物とはいえ、4輪とバイクが全く違う乗り物であるように、タイヤが2本なのにバイクと自転車も全く違う乗り物なのです。わかる人はわかりますよね。
なのに私の愛車ZZR250とマイカーのカリブ、そしてこのSIRRUS、妙な共通点があるようです。
1.走るコースによるが、その気になればそこそこ速く走れる点。
 ただ、ある程度のカスタムが必要。カリブはM/Tとはいえ相当ツライですけど。
2.カテゴリーの中では安い、というかお買い得な点。
 入門車的な役割も担っていると思います。
3.実用性が考慮されている点。
 良く言えば日常性を犠牲にしていない。悪く言えば中途半端。

 うーん、どうせ乗り物を複数所有するのなら、全く性格の違う車種を所有するほうが楽しめるはずなのですが、こうも共通点が出てしまったとは...
中途半端で優柔不断な私の性格が出ているのでしょう...

キャブセッティング (06/08/27)

Jets  キャブセッティングというと皆様はどんなイメージをお持ちでしょうか? 「知らない」「自分には関係ない」「キャブ車なんて時代遅れ」「原付・単気筒車がやること」「面倒」「興味はあるが無理っぽい」など... どちらかというと ネガティブなイメージが多いのかもしれません。

 私も、キャブセッティングなんて ごく一部のマニアがやるもの、自分には縁が無いと思っていました。なのに今やどっぷりとハマり、まさかこの年になって苦しむことになろうとは...
 マフラーを交換したり、プラグを換えたりしたときに パイロットスクリューを少々調整したり、バクダンキットをデフォルトのまま付けたりはしていましたが、本格的にやり出したのは一昨年にプラグコードを換えてから。ハーフカウル そして今年3月にエンジンヘッドオーバーホールを施してから全域でセッティングが狂い、覚悟して取りかかりました。どうせ何度もキャブを外すことになるのだから、と作業性向上のためにパワーフィルター仕様にしたのが かえってシビアなセッティングを要求されるようになり、何度も何度もやり直し、それは苦労しました。パイロットスクリューの微調整は実走してみないと結果が出ず、走りながら道端に止まっては調整、を繰り返しました。
 ↑こんなハズカシイ姿で近所を走り回ることも

 週末にしか作業しなかったとはいえ、約5ヵ月後の今日になって、やっと ほぼ満足できるセッティングが見つかり、ひと段落しました。あとは寒い時期の性能がどうか、冬になってみないと何とも言えないというところです。

 確かにジェット類交換作業はしんどいし、パイロットスクリュー調整だってやり難くて面倒。しかし、苦労した分、得られるものは大きかったようで、1,500〜4,000rpmは街中で十分に実用的、4,500rpmから活発な吹け上がりを見せ、8,000rpm以上はトップギヤ・高速域でも250ccにしてはしっかり加速してくれます。
 セッティングがうまくいかないときは「なんてダメなバイクなんだ」と思うこともありましたが、今ではキャブレターの知識も向上した上に混合気が濃い・薄いの感触が掴めてきて、こんなセッティングの機会を与えてくれたZZR250に感謝すらしています。もう10年目の車両ですが、今が最も調子良いといっていいでしょう。

 最後に私なりに感じた、キャブレター各パーツの担当範囲を参考情報として ご紹介します。あくまで自分のバイクで実走した感触、しかもパワーフィルター仕様なので、一般的ではないかもしれません。ZZR250の場合、負圧式のせいかアクセル開度ではなく 回転数で表現したほうが実走感覚に合う気がします。

 メインジェット    担当範囲:9,000rpm〜
            影響する範囲:4,000rpm〜
 ジェットニードル   担当範囲:4,000〜8,000rpm
            影響する範囲:アイドリング〜12,000rpm
 パイロットジェット  担当範囲:2,500〜4,000rpm
            影響する範囲:アイドリング〜4,000rpm
 パイロットスクリュー 担当範囲:アイドリング〜2,000rpm
            影響する範囲:アイドリング〜2,500rpm

 例えば3,500rpm付近の吹け上がりが良くなかったとして、ここを直すにはパイロットジェットを換えるわけですがアイドリングまで影響が及んでしまうので、パイロットスクリューを再調整するわけです。では5,000rpm付近を良くするためにジェットニードルをいじると... パイロットジェットもパイロットスクリューも調整やり直しとなるわけです...。
うーん、電子デバイスと違い、時代遅れなのかもしれませんね。

親切 (06/07/02)

 自然な形で他人に親切するのは難しくありませんか? 世の中、自然な形でさらっとできる人と、できない人に分かれてしまうような気がします。思うに、他人に親切にできる、できないはその人の良心云々ではなくて、いつどんな形かはどうあれ、その人が経験できたか できていないかによるのかもしれません。

 私事ですが今年3月、原因不明の病気に罹患し、約2週間余り38度以上の熱が続き、一時は39度を超えていました。その間さらにつらかったのが、10日間ほど高熱と同時に膝や足首の関節が炎症を起こして腫れ上がり、痛みのために歩行困難になってしまったこと。普段はなんでもない道路や屋内の僅かな段差すら ひと苦労で、手摺や車椅子のありがたさを実感しました。
 今ではおかげさまで この原因不明の病気は全快しましたが、このとき歩行困難になったことで日常滅多にないことを経験でき、個人的にプラスになったことが多いと思っています。

 当時受診した総合病院では高熱の原因がわからず、検査に次ぐ検査で頻繁に通院していたのですが、妻も看病疲れから毎回同行してくれたわけではなく、高熱と関節の激痛に耐えながら ひどいびっこを引きつつ1人で病院にたどりつき、よろよろと壁につかまりながら外来患者用の車椅子を借りて院内をのろのろ移動すると、今まで見えていなかったものが見えてくるのでした。
 私と同じように外見上いかにもつらそうな表情の人、じっと診察の順番を待つ人、仕事があるからといって待ち時間の長さに不満を言う人、半身不随なのでしょう、左手と左足を器用に使って自力で車椅子を進めている人、車椅子の上でふんぞり返り、介護者へあれこれ命令している人...

 車椅子で移動すると周囲の親切が身に沁みます。高熱ながら かろうじて自力で移動できる私でも、多くの看護師さん、一般の患者さんに少なからずお世話になりました。皆さん忙しい中、助けてくださり、とても感謝しています。
 一方で嫌な思いもたくさんしました。悪気はないのでしょうが、車椅子の進路を妨害したり、炎症を起こした私の足につまづいたり。他にも車椅子だとすばやく動き出せないのと、列に並んでいても前の人との間隔をギリギリまで詰めれないせいか、受付や会計の列に並んでいる時、毎回のように横入りされました。
 こういうことをするのが なぜか決まって年配の人たちばかりなのです。一番驚いたのが、ある日病院内のエレベーターに乗ったとき。車椅子に乗っているとエレベーターの乗り降りはもちろん、扉の開閉ボタンのところまで移動するのにも時間がかかってしまうのです。その日、到着階でエレベーターを降りようとしたら、降りる私を遮って乗り込んできた人が、私がエレベーターから降りている最中なのに 扉を閉めるボタンを連打し始めたのです! この人もお元気そうな、年配のご婦人でした...
 対照的に親切だったのが小さい子供をつれた若いお母さんたちです。エレベーターの開閉ボタンを押してくださるだけでも本当に助かりました。

 先に挙げたような年配の人たちを非難するつもりは全くありません。きっと何か急ぐ事情があったのでしょう。私だって今回のような経験が無ければ 車椅子に乗った人の気持ちなんてさっぱりわからなかったに違いないのですから...

 このように貴重な経験ができたことで、これから病院でも周囲に親切になれるような気がします。いえ、病院だけでなく、普段バイクに乗ったり、車を運転する時も 今までよりも周囲に親切になれるといいな...


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