小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2007/08/26

過去掲載した編集◇コラム9

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ホントのところ (07/07/01)

貴方は日常バイクにお乗りでしょうか?

バイクに乗っているとき、ライダーがバイクのパワーをコントロールしています。
それって当たり前のことですよね。だってライダーが何らかの操作をしないとバイクは走り出せませんから。
でも、もしかしたら違うことだってあるのかもしれません。
速いバイクで速く走る、アメリカンでまったり走る、トラッカーで街乗りする...
逆に速いバイクでトロトロ走ることはあまりないですし、オフ車でしょっちゅう高速に乗ることもないわけで、そう考えると、それぞれの車種の得意分野─すなわちメーカーの想定範囲の行動、なのかもしれません。
つまりバイクのほうがライダーをやんわりとコントロールしているのではないでしょうか。
う〜ん、ホントのところはどうなんだろう?

話は変わり、半年ほど前に私のデジタルオーディオプレーヤー:SONY NW-A608が不調に陥りました。
いえ、単にメーカーの案内に従って転送ソフトをConnect PlayerからSonicStageCPに換えたんですけど、とたんにPC内の音楽ファイルを転送できなくなったのです。何回か転送ソフトを再インストールしてもダメ。
仕方ないのでメーカーのサポートへ電話連絡をとり、いきさつを説明しました。
「...、というわけで、どうにも対処できないんですけど...」
「はい、わかりました。では新品に交換いたします。」
「ええっ? 私は新品が欲しいわけじゃなくて、この製品が修理できればそれでいいんですが。
 それにもし使い方とかの問題で、また故障するといけないので原因が知りたいんですけど」
「修理はできません。新品に交換します。お客様の使い方に問題はございません」
「?...」
かくして新品が届き、それ以来再び快適に利用できています。
新品に交換するという対処、メーカーのサポートとしては確かに不満点など無いし、顧客第一という考え方からすれば、満点の対応なのかもしれません。でも... 2万円ほどもした製品、ごく初期の故障ならともかく、1年程度使用した私としては少々時間がかかってもいいから原因を調査し、修理して欲しかった気持ちも大きい。とはいえ、新品交換という対応が最も顧客満足度が高いのでしょうか?
ホントのところはどうなんだろう?

またまた話は変わり、先日 知人からの相談を受けました。
その知人は しばらく前に仕事とは全く別の原因で心の病を発症し、しばらく休養。その後 職場復帰して元気に働いていたものの、ここ最近めっきり具合が悪く思うように働くことができない、という相談でした。
外見上は 身体運動も判断の早さも会話のやりとりも、特に何も問題ありません。
では何が悩みなのか、もう少し訊いてみると、目標とされる働き方を目指して 効率的にガンガン働きバシバシ成果を出したいのに体がいうことをきかない、それで苦しんでいるという悩みでした。
うーん、何とも効率優先というか、成果主義の弊害というか、まるで昔の私自身を見ているようで、何ともいえない気持ちになりました。それと、少し前の私だったら、知人へのアドバイスとして気分転換とか、休養とか、食事に注意とか、薬も上手に利用するとか、いかにも即効性のありそうな話をしていたように思います。

でも今回はそういうアドバイスはしませんでした。
顧客第一や会社への貢献もそうだし、それを実現するための滅私奉公、効率優先という考え方が良くないわけではない。ただ、今、貴方が悩んでいる状態に陥ったということで、そのような考え方を見つめなおす機会でもあるのではないか。上司や先輩の、お手本とされる生き方を そのまま貴方に当てはめることが、果たして貴方にとって幸福なのだろうか。貴方の人生、会社生活だけが全てではなく、むしろ、ほんの一部ではないだろうか、そんな主旨の話をしました。
つまり 「生きるために働いているのか」、それとも 「働くために生きているのか」、この際、もう一度考えてみよう、と。

知人は「そんな考え方は 今とても受け入れられるものではない」と言い、帰っていきました。
無理もありません。おそらく今までの人生、効率優先とか競争の上に成長ありき、とか、そういった考え方を繰り返し叩き込まれ、意識の底に刷り込まれてしまっているのでしょうから。そんな考えを仮に少しでも否定することになるとしたら、それこそ彼自身の半生を否定することになってしまうのかもしれません。
でも、彼にとっての幸福とは何でしょう。ホントのところはどうなんだろう?
それは彼自身にしか答えは出せないし、簡単には出せない答えなのかもしれません。

さて...

私たち人間は、多くの場合 大脳で物事を考えて判断し、体に指令を送って活動しています。
すなわち “心” が最上位にあって、脳器官という、いわばCPUに情報処理をさせ、指令を出させて行動しているのであって、“心” が “体” をコントロールしているわけですね。

でも、必ずそうなのだろうか?
先の知人もそうだし、過去の私自身もそうだったように、脳器官や自律神経という肉体の影響を受け、悩み、自分の生き方を見つめ直すきっかけになりました。こういう場合、“心” が上位というよりも、むしろ “体” が上位なのかもしれません。大病を患った末に人生を達観するという話は少なくありません。
そういえば人間以外の動物は “心” を持っているとして、それでも “体” が上位にあるように思います。人間だって、もしかしたらそうなのかもしれませんね。

ホントのところはどうなんだろう?


貴方自身しか答えを出せないのかもしれないし、その答えが不変のものとも言えないのかもしれません。

続)なんだかすごいぞ (07/05/03)

 愛知県の交通事故死者数は相変わらず上位に位置しているようで、交通マナーの悪さも相変わらずのように見えます。
 つい先週の朝も、私が車で出勤する際、住宅街の交差点を右折しようと 片側1車線の車線内の右側に寄りつつ標識に従い一旦停止。右方を確認し、見通しの悪い左方を確認しようと、そろりと前進したら 急に左の視界が塞がれました。後方の軽ワンボックスが私の車の左側をビュンと追い抜いていったからです。
 そうです、その軽ワンボックスは一旦停止などしていません。よっぽど急いでいたのでしょうか...

 先回歩道を走る車のことを書きましたが、やっぱりたまに見ます。
で、そういう車に限って びっくりするようなスピードを出していたり、無灯火だったり(!)。目立ちたくないからでしょうか。仮にどうしても歩道を走らなければならない事情があったとして、普通は逆にスピードを極限まで落として、ライトは早めに点灯しないと歩行者や自転車が気づかなくて危ないと思うんですけど...
 それに自転車専用道を走るのもやめてほしいです。いくら軽自動車でも、自転車とすれ違うのが容易ではない道幅のところもあるわけで...
 もっとも、私も他人のことをとやかく言えるほど 立派な運転をしているわけではないので、このあたりにしておきますね。

 それより、すごいの見ちゃいました!
ある朝 車で出勤中にバス通りの渋滞にハマって動かなくなっていたときのこと。私の車の左方を 自転車にまたがった男子高校生が追い抜いていきました。まあ、ここまではよくある光景です。
 その自転車のすぐ前方に、わき道から合流しようとしたハッチバックが突然ニュッと鼻先を出しました。
この近隣では一旦停止の停止線で止まらない車も多く、このハッチバックのドライバーは路肩や歩道を自転車が走ってくるなんて考えていなかったのでしょう。その鼻先は完全に路肩を塞ぐ勢いでした。
「わっ!!」

 私、ダメなんです、こういう瞬間。ちょっと気が小さいので目をつぶってしまうんです。
「ボガッ!!」
イヤな音が響いた次の瞬間、おそるおそる目を開けてみると...
 さっきの自転車が、ハッチバックにぶつけられたために、1メートルほど右方によろめいて大きく体制を崩した後、男子高校生は、しかし懸命にこらえ、かろうじて体勢を立て直したかと思うと、シッカと前を見据えてペダルを漕ぎ始め、そのまま渋滞の列を抜けていってしまったのでした...
 一方、ハッチバックはというと、一瞬躊躇していたようにも見えましたが、すぐに渋滞の列に合流し、その後何事もなかったかのように、いつもの朝の光景に戻りました。

いったいあれは何だったのだろう? 何事もなかったことはないはずなんだけど...

なんだかすごいぞ (07/03/11)

 ここ愛知県は都道府県別交通事故死者数ナンバーワン、その中でもなんと私の居住地がトップを走っているらしく、まったく不名誉なことです。
 それと関係あるのかどうかはわかりませんが、交通マナーもますます低下しているように感じます。
信号が黄色、いえ、赤に変わってもそのまま突っ込むのは常態化。右折信号が赤に変わって、その後に交差する道路の信号が青に変わってからでも、お構いなしに右折する車もたびたび見かけます。
逆に青信号に変わる前の見切り発車も見かけますが、赤信号を待ちきれないのか、交差する信号が赤になった瞬間に飛び出す車もチラホラ見かけます。
 困ったことにこういうことをするのが、ごく一部の目立つ車ではなくて、一般的なミニバンやワゴン、コンパクトカー、会社の営業車など普通の車に多いんです。
 他にも一旦停止では止まらないし、見通しが悪いのに減速するそぶりすら見せなかったり、わき道から左折して幹線道路に入る際に一旦停止無視どころか、ろくに減速しないために勢い余って左折大回りになってしまい、対向車線に大きくはみ出して他の車に衝突しそうになったり、どこから入り込んだのか自転車専用道を走ったりと、例を挙げればキリがありません。

 でも先日もっとすごいのを目撃しました。
 1つめは平日の夜。仕事の帰り、国道を走行していた私が前車に続き、赤信号のため停車すると、左側を猛然と通過するハッチバックがいました。私がいたのは片側2車線のうち左側の車線。そう、そのハッチバックは歩道を疾走していたのです。きっと赤信号で止まるのが嫌だったのでしょう、そのハッチバックは歩道を走りぬけ、交差点で車道に出て左折しました。もちろん赤信号。交差する道の信号は既に青で、信号待ちをしていた別の車は発進していきました。
が、次の瞬間「ギャッ!!」と鋭いブレーキ音。なんと私の進行方向とは逆に走ってきた、さらに別の車が赤信号を無視して右折、その先に歩道から飛び出した、例のハッチバックがいたために急停車、信号待ちをして普通に発進した車が前方をふさがれて急停車した音でした。

 さらに2つめ。日曜の昼下がりです。やはり赤信号のため、前車に続いて私が停止した瞬間、ただならぬ雰囲気を感じ、左のドアミラーを見ると、ミラーいっぱいに白い乗用車が映っています。ここは片側1車線だし、すり抜けするのは原付ぐらいのはずでは!?
その白い乗用車が私の車の左側ギリギリを勢いよく走り抜けてわかりました。その場所は歩道が1段高くなっているもののガードレールが無く、白い乗用車は左側のタイヤを歩道に乗り上げ、右側を路肩に落としたまま疾走してきたのです。
乗用車はそのまま信号待ちの列の横を突っ走り、道路左側の店舗に入っていきました。
が、その瞬間「ギャッ!」という鋭い音。店舗から出ようとした別の軽自動車、歩道の手前で一旦停止などしなかったのでしょう、そのまま車道に飛び出そうとして、歩道を走ってきた、あの白い乗用車と衝突するところでした...

 なんだかすごい... こんな光景が普段見られる地域って ちょっと異常でしょうか?

ひとりボトムズごっこ (07/01/14)

再戦のための停戦。破壊のための建設。
歴史の果てから、連綿と続くこの愚かな行為。
ある者は悩み、ある者は傷つき、ある者は自らに絶望する。
だが、営みは絶えることなく続き、また誰かが呟く。 サンライズ「装甲騎兵ボトムズ」より

 昔のアニメ「装甲騎兵ボトムズ」。
ごく1部の方々にしかわからないネタですみません。
SCOPE DOG もう20年以上も前にテレビ東京系で放映された、非常にマニアックなアニメ。かの有名なガンダムシリーズとは異なり、OVA作品が数作あるだけで続編らしい続編も無いのに なぜか熱狂的なファンがいまだに少なくないらしく、一昨年から続々とDVDやガレージキット、そしてタカラのアクティックギアというホビー商品までリリースされるという事態になっています。しかも雑誌「ホビージャパン」最新号には主人公のフィギュアがおまけで付いてる...
 メカ的にはATのローラーダッシュや降着機構が画期的で、友人たちとマネして遊んだという 30〜40代の諸兄も お見えなのでは、と思います。

 放映当時 私は高校3年生、受験生でした。もちろん友人たちとの間でボトムズは話題になっていたものの、そうそう おバカになりきって没頭するわけにもいかず、放映の回数を重ねるごとに受験が近づいて 話題に上ることすら無くなり、不完全燃焼の一途をたどったのでした。
 それから何年も過ぎ、社会人になって数年後ぐらいから徐々に私の中でボトムズが暗く静かにくすぶり出し、たびたびTVシリーズのビデオを一人で見返すようになっていたのです。

 90年代初め、当時乗っていたZXR250にも慣れてきた私は 仕事のストレスもあって、危険な “ひとりボトムズごっこ” をやるようになっていました。
 パワーこそ それほどたいしたものではないものの、12,000rpm以上の、あの、いまにも壊れそうな轟音を味わいながら、“ちょっと気合の入った” 車を煽る追いかけるようになっていたのです。
「キリコはおまえか...いや、こいつはキリコではない」 「おまえがキリコだな」などと、イプシロンの口調で ひとりごとを言いながら... 特にマ○クUやチェ○サーなどのターボモデルがお気に入りでした。
相手がこちらを認識するとともにマフラーからはブワっと黒い煙が吐き出されると、私はヘルメットの中でニヤリとしていたものです。今思うと かなりおバカ...
 でも相手もさるもの。大パワー車はもちろん、普通の下道を制限速度+100km/h以上でカッ飛ばす強者もいて、あっという間に離されていくことも。そんなときは「フィアナ、俺だ!わからないのか?」とキリコの口調で ひとりごとを言っていたものです。
ああ、思い出すだけで恥ずかしい。オタクというか、なんとアホで危険なことをしていたのでしょう。

 そんな “ごっこ” も 終わる日がやってきました。
静岡県方面へツーリングに行っていた私は 帰りに参加者と別れ、ZXR250の轟音を聞きながら一人 東名高速を西へと走っていました。焼津を過ぎて掛川あたりだったでしょうか。そこへ現れた尋常ではない走行ペースのセダン。確かギャランVR-4だったか、スッと私をかわして猛然と走っていきます。
 「面白そう」と思った私も(この時点で かなりおバカです)アクセルをワイドオープン。「おまえがキリコだな」とひとりごとを言いつつ、ZZR250では到達できない、イケナイスピードで走り始めました。
 そのまま どのくらい走ったのでしょう。緩い右カーブにさしかかり、前のセダンがノーブレーキで走り抜けていきました。私もそのまま...

 「え?」 ただの緩いカーブのはずが、緩くありません。ちゃんと曲がることを要求する高速コーナーです。
「まずい」と思った瞬間アクセルが緩んだものの、カーブにさしかかったときには10km/hほどしか減速できていません。そして抜群の旋回性を誇るZXR250も、超高速になると いうことをきかず、私はさらに焦って...
 追い越し車線にいた私は減速不十分なまま その右カーブを曲がりきれずにアウトにふくらみ、走行車線を走っていた車の先をかすめて路肩に突入。そこでなんとか立て直し、辛くも柵に激突することを免れました。
とんでもない大バカ者です... それ以来、“ごっこ” は封印しました。
 当時ご通行中の方々には大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。
今では すっかりおとなしく走っております...  ああ、恥ずかしい。


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