海外プチ冒険旅行

はじめてのヨーロッパ 1992/2月

最終更新日: 2009/05/31

 一般的にフランスやイギリスへ旅行するといえば、憧れを抱いて訪れるケースが大半かと思います。

 私にとっては一生縁が無いと思っていたヨーロッパ。 特に憧れも無く、行きたいと願ったこともありませんでした。
 そこへどうした縁か、仕事で行くことになりました。 休日に町をブラつき、撮影した写真を掲載しましたが、他の旅行記と違って、あまり好意的な見方になってないと思います。 ご容赦くださいませ。

 こんなことを口に出すと、「何を言うか! 会社の金で行かしてもらったのに!」と、ご立腹になる方々も多いことを経験しています。 その通りですね。 感謝しております。
 でもそういう、立腹するような人って、行き先がヨーロッパじゃなくて発展途上国だった場合には、なぜか、「それは大変だったね」というコメントになりがちだから不思議です…

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何てことはない田舎の風景です。

でもこの画像が、ドイツ古城街道 ニュルンベルク(Nürnberg)近郊の、歴史ある建築物というと、急に重々しく、中世の面影やロマンを感じたりするのだから、人間の感性なんていいかげんなものかもしれません。



シャルルドゴール空港に降り、初めてパリに来たときのことを今でも覚えています。
仕事帰りの金曜の夜、重い荷物を抱えて空港から市内へ向かうところでした。
幸いにもタクシー利用が認められていたので、建物を出て、タクシー乗り場で車両に乗り込みました。 運転手はさぞかし礼儀正しい紳士… ではなく、服装もややラフな、移民を連想させる外見。 日本のように制服を着こんだ運転手は見ませんでした。

さて、困ったのが英語が通じないこと。 行き先さえ言えば目的地には連れて行ってくれるのですが、領収書をもらわないと会社に請求できません。
領収書… 英語の "receipt" が通じず、困った挙句、手持ちのガイドブックをひっくり返して調べた挙句、やっと見つけました。
"Un reçu, s'il vous plaît." 今ではいい思い出です。


画像の説明が遅れました。 上の画像も こちらも、セーヌ川沿いのメジスリー河岸(Quai de la Mégisserie)。
街側の歩道にはペットショップ、花屋、観葉植物店などがあり、庶民的な雰囲気があり、家族連れや若い女性も多く見かけました。






ノートルダム寺院 (Cathédrale Notre-Dame)
“超有名” と言っていい観光名所です。
この日も観光客が大挙して訪れ、写真を撮りまくっていました。

歴史的建築物にひどく感動する方々もいますけど、鈍感な私の場合は、こうやって実物を目の前にしても特に…






画像とは関係ありませんが、冬のパリ・リヨン駅(Gare de Lyon)ではホームレスと見紛う酔っぱらい三人が、新聞紙にくるまって口論の最中。 一人は女性です。 からまれたらコワそうでした。
華やかな面だけがパリではありません。 もっとも その面々が手にしていたのは一升瓶ではなく、ワインでしたけど。

当時の地下鉄は、まだ手動レバーでドアを開ける車両が多かった記憶があります。 そうそう、郊外の駅に行ったとき、私の目前を歩いていた若い女性が、自動改札機の機械そのものの上に登って改札を通過したのを見て驚きました。 無賃乗車でしょうか。
まあ、私には度胸が小さいからムリですね。 しかも通報されたら、あっという間に身柄を拘束されることでしょう。 よそ者とは そういうものです。 ルールに従い、慎重に。


ヨーロッパの人々と接して、まず感じるのは香水の匂い。 彼の地での印象は、全く嫌味な感覚は無く、上品な印象を受けました。 日本と違う気候のせいかもしれないし、使い方が洗練されているのかもしれません。

ふと台湾を旅したときのバックパッカーが泊まる宿を思い出しました。 その、長期滞在していた、確か米国人の部屋は、私にとっては独特の強い動物性脂肪の臭いが充満し、長い時間留まることができませんでした。 でも、もし彼が香水を使っていたら… 刺激臭が和らいだのかもしれないし、湿度の高い地域では、逆効果だったのかもしれません。

どんよりと雲が垂れ込めています。 日本やアジアの各都市と比べて色彩に乏しいです。
好き嫌いは別にして、立て看板や のぼりの類も皆無ですね。 やや遠くに見えた森は 緑ではなく、黒い塊に映りました。

パリの街は なんとなく色あせた、活気の無い、昭和の東京オリンピックなど記憶に無くなった、70年代の代々木とか原宿の公園通りとかを連想します。
渋谷とか有楽町のような雰囲気はありません。 偏った見方かもしれませんね。 俗っぽくない、そんな雰囲気がいい! という方々もお見えなのですから…

なんだか汚れて埃っぽい凱旋門の画像に、拍子抜けした諸兄もお見えでしょう。
カッコ良く撮ろうとすれば、もっと良い構図もあったのでしょうが、冬の散策中のスナップ写真なんて、こんなものかもしれません。

あの有名なシャンゼリゼ通りも、上だけ見ていれば有名店が立ち並ぶ、洗練された、セレブなショッピング街に見えるのでしょうが、歩道では清掃車が行き交い、枯葉ではなく、紙くずやビニール袋が散乱して風に舞う、少々汚い通りでした。 いえ、ここだけ汚いのではなく、どこもそう変わらないということです。

日本の都市と違うのは、驚くほど古い車が、思いきり汚いまま数多く走っていたこと。 それに クソ寒いのにオープンカフェでお茶を楽しむ人たちが少なくないこと。
さて私も一杯…
寒くて震えながら飲むエスプレッソは すぐに冷たくなりました…


さて、場所が変わりまして、イギリス・バーミンガム。(Birmingham)
鉄鋼の街と記憶している諸兄もお見えかもしれません。
なんてことない、フツーの都市ですよね。

ここを訪れる日本人はきっと少ないでしょう。
歴史を感じない ─お城や遺跡が無いですから。
でも産業革命以降ではありますが、商業と鉄鋼産業の歴史はあるんですけど…


テムズ川の光景。
オシャレですか? それともフツーの光景に見えますか?







たぶんロンドン塔(Tower of London)だったと思います。
投獄、拷問、処刑といった暗い歴史で有名だそうです。

私は不勉強ゆえ、どれほど有名な建築物なのか、わかりません。 申し訳ないです。




ロンドンといえば有名な、赤い2階建てのバス。
個人的には乗り物好きなんですけど、特に感慨も何もありませんでした…

そういえば子供のころ、マッチボックスのダブルダッカーを持ってたっけ。
砂場で遊んでいて無くした記憶があります。



雨に濡れそぼる、ロンドン・St.パンクロス駅(St.Paccras)。
しっぽりとした風景です。
旅行者にとっては快適な天候から ほど遠いですけど、これこそイギリスらしさが満ち溢れた画像ではないかと思います。
抜けるような青空や、コントラストの鮮明な絵は似合わない。
この、暗く、湿気の多い空気感。
貴方のイギリスのイメージはいかがですか?


車窓から。
抑えた色調ですね。 景観を重視し、建築物の色彩には厳しい制限があるとも聞きます。
これが良いことなのか、そうではないのか良くわかりませんが、歴史を感じさせる街並みにはなると思います。

反面、少なくともアジアの各都市のような、地の底から湧き出るようなエネルギーというか、活気のようなものは あまり感じることができませんでした。


アルプス上空での1枚。

EU圏内運行の空の旅は、高度が低いようです。
今回の写真集の中で、この写真が一番美しいような気がするのは、きっと、性格が屈折している私だけでしょう。