海外プチ冒険旅行

フランスでサイクリング 1995/9月

最終更新日: 2010/07/18

 一度は仕事で訪れたものの、二度と来ることはないだろうと思っていたヨーロッパ。
なのにまた仕事で来ることになろうとは…

 休日に街中をブラついても、何も楽しくなく疲れるだけ。見ていないところはたくさんあるけれど、もはやパリに興味はありません。
 そこで郊外へ向かう電車に乗り、レンタサイクルに乗ってみることにしたのです。

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フォンテーヌブロー(Fontainebleau)とバルビゾン(Barbizon)

前日までの仕事の影響もあって疲れていましたけど、都会を脱出して少し元気になった私。

フォンテーヌブロー駅に到着し、レンタサイクルを利用しようとしましたが、英語が通じない!
しきりに勧められたMTBは高額だったので、一番安価なフツーのにしました。 こっちのほうが街並みに合うでしょ!



そして地図を持たずに出発。 まあ何とかなるさ。

フォンテーヌブローの城館と庭園です。

疲れていた私は、城館内を見学する元気は無く、ただ庭園をフラフラしたかったのですが、自転車で入っていいものかどうかわかりません。

英語が喋れそうなオジサンどころか、ほとんど人が通らず、仕方なく そばを通りかかった10歳ほどの少女に聞きました。 ガイドブックを見ながら、片言のフランス語で。

入っていいって。
良かった。


庭園内部の木立です。

慌しい日常から開放されていくようです。








庭園内部の川です。

なぜか私は川を見ると癒されます。









ちょっと休憩しましょう。









手元にはガイドブックしか無く、ろくに地図も持っていなかった私。

バルビゾンへ向かったのですが、海外は日本と違って行き先案内板が乏しく、道の途中で不安になるものです。 こうなったら道行く人たちに訊くしかありません。


初老の男性がバルビゾンへの道を丁寧に教えてくれました。 フランス語で話しかけたのに、英語で教えてくれて助かりました。


バルビゾンに到着し、界隈を散策しました。
日本のように観光地化されておらず、いいところです。

でも、コンビニはもちろん、商店の類も、自販機も一切ありません。






パリを離れて少し自分を取り戻した私に、急に脳内BGMが流れ出しました。
皆様にとって、思い当たるフレンチポップスといえば何でしょう?
『枯葉』や『オー・シャンゼリゼ』でしょうか?
それともポール・モーリアの『恋はみずいろ』でしょうか?


私の脳内に突如流れてきたのは
フランソワーズ・アルディの『さよならを教えて』
 (Françoise HARDY / Comment te dire adieu?)
このあと、しばらく鳴り響き、なぜか止まらなくなってしまったのを憶えています。


フォンテーヌの市街へ戻ってきました。

私はこのとき困っていたです。 水分補給とトイレ。
無いんですよねえ、公衆トイレ。
郊外は店舗もほとんどなく、借りられそうなところがありませんでした。
欧米人はタンクが大きい、と聞きますけど、日本人は困りますね。


ようやく見つけたカフェでファンタを注文し、トイレを借りました。
もちろん、英語は通じません。
最初フランス語で「toilettes」と言っても通じませんでした。

「Où sont les toilettes?」って言わなくちゃダメでした。やっぱり冠詞って大事なんですね。


偶然結婚式に遭遇しました。
いいものですねえ。









皆に祝福されて、ハネムーンへ出発です。









パリに戻り、動物園が併設された植物園に入りました。
よほど疲れていたのでしょう、商売っ気のあるところへは近寄らなかったですから。


ここの動物園で若い女性に突然中国語で話しかけられて、びっくりしたのを覚えています。 相手が普通にしゃべってきたので、片言しかわからない私は、丁重に話せないことを伝えました。 私の風体、日本人には見えないのでしょうか。


パリ中心部では食事に困りました。
レストランやビストロ、ブラッセリーには入りづらい。 数人でもそうなのに、一人ではとても入れません。
どうしてもテイクアウトが多くなります。


カンヌ(Cannes)

仕事でたまたまニース(Nice)に来ていた私。
しかも週末に当たったからには、時間は限られているとはいえ、コート・ダジュール(Côte d'Azur)を見ておきたい。
そこでニースからカンヌへ、ローカル線で行くことにしました。
2等車、日本でいえば普通車の自由席ですね。
空調も無い、粗末で騒音のひどい車内。

列車内に乗り合わせていた若者集団は、発車直前に閉まろうとする自動ドアを足で押さえ、そのドアを開けたまま電車は出発しました。

少々乱暴な若者たちによって開け放たれたそのドアからは、しかし、爽やかなコート・ダジュールの風が車内に吹き込み、それがまた、空調の効いた車内では味わえないものなのでした。


日ざしが眩しい南欧での脳内BGMは何でしょう?
ここでは『太陽がいっぱい』
あの、少しやるせない、哀愁を帯びたメロディーが合いますね。

アラン・ドロン主演の映画、昔から大好きです。
アメリカン・ドリームとか、苦難の末に成功を勝ち取るサクセス・ストーリーとか、そういった作品とは一線を画す、こんな映画が好きなのは、やはり私が屈折しているせいでしょう。



サン・タントワーヌ通り (rue St.-Antonie)

ここから丘の上へ登っていきます。








ル・シュケの丘 (Le Suquet)

超一流リゾートの光景に感激するわけもなく。
日本のどこかの片田舎にあるヨットハーバーとそれほど大きくは変わらないような気もします。

それとも、コート・ダジュールはやはり違う! のでしょうか?。




画像手前はプライベートビーチですが、確か向こう側がパブリックビーチでした。 しかし、パブリックビーチのほうは人がやたらに多い! とてもオシャレな雰囲気はありません。
まるでハイシーズンの江ノ島 片瀬海岸です。

対照的な光景に驚いた私は、ただただその海岸を眺めるだけだったのでした。



さて、コメを食べないと体力を消耗していく私。夕食はこじんまりとした中華料理店に入りました。

そこで若い女性に話しかけられました。

台湾からの旅行者らしく、私が片言の中国語ならわかると知って、喜んでとうとうと喋り始めたのです。
傍から見たら、ちょっとしたロマンスでしょうか。が、悲しいかな彼女の中国語がわからない。
ごめんよ、一生懸命楽しげに話してくれたのに、9割くらいわからないままだったんだ。

ニースの小さなホテルで朝、出発前に これまた小さいプールを利用しました。

そこには旅行者とおぼしき一人の若い男性がプールサイドの椅子に腰掛けていました。
ずっと座ったままだし、少々退屈そうにも見えたので、泳がないのですか、と尋ねてみると、やはり旅行者だったのですけど、足が不自由で泳ぐことはできないとのこと。
気にせず泳いでくれ、と言われたのですけど、彼もまた疲れていて、ニースの開放的で、明るい空気に触れていたかったのかもしれません。