北穂高岳のページ へようこそ

 2001年7月28日から、上高地を起点に、横尾〜涸沢(泊)〜北穂高岳(泊)頂上まで
の往復する間に撮影できた画像と登山記を掲載ます。

1.屏風岩

 「上高地」を朝5時半に出発して、
梓川沿いにしばらく進むと
野猿が一匹、登山道に出てきた。
 もう自然の中に来たのかと思いつつ、
左手を見上げると、山頂付近に雲が流れる
明神岳の眺めが目に入った。

朝食を取り、「横尾大橋」を過ぎると
今度は、屏風岩が目の前にそびえた。
いよいよ、この岩壁を後ろに廻る込む感じで
登り道を歩く事になる。

2.涸沢吊り尾根のモルゲンロート

 吊り橋の「本谷橋」を渡り、
昼食休憩の後は、足場が悪くなり
歩く速度が落ちる。
雪渓で足元を気にしながら、しばらく行くと、
写真で見慣れた涸沢カールの風景の
一部が見え始める。
涸沢カールのテント場に着き、
この辺りだけで見える「涸沢槍」を目にした。
早速、2,350mに建つ改装オープンの
涸沢小屋に着き、生ビールでカンパイ。

 翌朝は、まず朝焼け(モルゲンロート)を
撮って、北穂高岳への登山道へ向かった。
3.お花畑と前穂高岳

 ここ「南稜コース」へ入ると、
キズゲの花が迎えてくれる。
それからは、○×→などのペンキ印を頼りに
標高を稼ぐ。
休憩を兼ねて振り向くと、
目の前に前穂高連峰、遥か彼方の雲海の中に
富士山、さらに左手へ目を移すと、
蝶ケ岳、常念岳が構える
素晴らしい風景が展開している。

「来て良かった」と呟くと、
昨日の苦しく辛かった気持が
どこかへ消し飛んだ。
4.北穂高小屋より下界を見る

 北穂高小屋は3,100mに建つ。
テラスから下界を眺めたら、梓川(左手)から
涸沢までの昨日の足跡がうかがえる。
 ここまで登って来ると、
気持が変わるような気がする。

下界で起こっている些細な事で、
いがみ合う人間社会の浅はかさなど、
鳥の気持が分る気がする。
ちょっと言い過ぎたかな?
5.涸沢岳を見る

 この右手の絶壁、時折ガスが掛かかって、
凄まじい光景を見せる。

ふと眺めていたら、クライマーが二人、
岩肌に張り付いて登っていた。
 望遠レンズで撮影したが、写している方が、
落っこちないかと見てて、ゾーと寒気がした。
 
6.雲海の中の笠ケ岳

 北穂高岳の頂上は広く、
小屋が近い事もあって、いつも人々で
賑わっている。
山は午後になると
西側からガスってきて、雲海が一面を
覆い尽くす事がたび度ある。
歩いてみたいと思わせるような感じがいい。
7.彩雲現る

 いつしか表銀座方面へガスが
回り込んだと思っていたら、
見る見る内に虹色に輝きだした。

しばらく見とれていたが、
PLフィルターを付け、彩度を上げて
数枚シャッターを切った一枚である。
8.私のブロッケン現象

 まさかブロッケン現象に遭遇するとは、
思っていなかった。
ラッキーと言うほかにない。
 先程の彩雲が去ってから、再びガスが
掛かり始め、大きく表銀座方面へ移動した。
すると今度は、裏銀座方面の雲間から
太陽光線が私の背中に差し込んだ。
何と雲のスクリーンに、後光が差して
私の立ち姿が投影されている。
手を振って確認して、
カメラに収めた一枚である。
9.槍ヶ岳昇雲

 遥か彼方に槍ヶ岳がそびえ立つ。
いつしか槍に向かって雲が流れて行ったと思ったら、槍ヶ岳で、天へ昇りはじめた。
まさに昇竜みたいだった。
10.星座と槍ヶ岳

 槍ヶ岳の頂上のほぼ真上に、
北極星が位置している。
星座の回転と夜明け前の槍ヶ岳を、
40分間の長時間露光で撮った。
11.明けゆく槍ヶ岳

 太陽は常念山脈方面から昇るが、
槍ヶ岳の山稜を映し出す
静かな夜明けを撮った。
12.常念岳からの夜明け

 常念岳の山容は
綺麗なピラミッド形を見せてくれる。
一昨年は、あの山の頂上から、
槍ヶ岳を撮影してたことを思い出した。
13.槍ヶ岳の夜明け

 槍ヶ岳の稜線と岩肌を赤く染めていく様子を、
望遠レンズで撮影した。
 夏とは言っても、山頂は結構寒い。
セーターにレインコートを羽織って
寒さをしのいだことを思い出す。
 
14.大キレットを見た

 このカミソリの刃のように
尖った尾根を眺めていると、
自然の造形の凄さに感心させられる。
 北穂高岳からは、
このキレットを渡って行かないと
槍ヶ岳へは辿り着けない。
15.北穂高岳山頂にて

 早朝、下山準備を終えて、
記念の一枚を撮ってから、
涸沢〜上高地、そして名古屋駅までの
帰路に着いた。

 今回の登山は、
天候にも撮影チャンスにも多く恵まれた。
自然界に感謝すると共に、
写友の藤村さんに、大変お世話になったこと
にお礼申し上げて、
拙い登山記を終ります。

〜完〜

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