鉛のベーゴマをつくろう

 コマ遊びに慣れてきた子どもらはベーゴマにも関心を持ち始めました。そして、「どちらが勝つか」という遊びにも熱中し始めました。
 「ベーゴマにはいろいろ種類がある」ということもわかり、「どれが強いか」も関心に。
 そして、運動場から粘土が採れ、それを細かくして、水で練り、型を作って、鉛のベーゴマを作ることになりました。

粘土の型
 運動場を20pほど掘ると、粘土が出てきます。その粘土を乾かし、細かくして、水で練り、固めて、型をとります。多少のひびは気にしません。1週間もあれば、しっかり乾きます。


 鉛には苦労しました。子どもらは釣りのおもりを持ってきましたが、ある子がおじいさんから鉛の管をもらってきました。これを、細かく切って、溶けやすいようにします。子どもらは、放課も熱心に切っていました。


 なまりを細かく切ったもの。これだけ細かく切ると、大変溶けやすくなります。子どもたちの努力の成果です。これ以外に、絵の具の鉛チューブや、古くなったおもりも良いでしょう。

鉛を溶かす
 鉛は電熱器でも、ガスコンロでも簡単に溶かすことが出来ます。
 スチール製の空き缶の上半分を切って、写真のように使います。そそぎ口を作っておくのも良いでしょう。持つときは、ペンチで持ちます。(大人がやります。)

電熱器の場合
 粘土の型も少しあたためておくと良いでしょう。鉛がなじむようにです。電熱器は、火力が弱く、鉛が溶けるのに時間がかかります。

型に鉛を溶かし込む
 型に、とけた鉛を流し込みます。量は写真のように、あとから加工しやすいほどに。多すぎると、たくさん削らなくてはなりませんし、少ないと失敗です。バランスがよいベーゴマを作るためには、型を水平にして、中心がしっかりした形にすることです。

鉛が固まったら
 取り出しましょう。この時、あせらないことです。鉛はまだ熱く、やけどをしないように気をつけましょう。鉛は、型にしっかり行き渡っているか、確かめましょう。
 また、形がアンバランスだったら、また溶かして、初めから作り直しましょう。
 この時は、木や竹のはしを使って、十分気をつけて取り出しましょう。鉛など金属は350度ほどにもなっています。思わぬことで、やけどをすることにもなりかねません。

けずり
 かどをけずって、ベーゴマ本来の「攻撃力」がでるようにします。この「けずり」が、大変重要で、角で相手をはじきとばします。しかし、この時のけずり方によっては、バランスが崩れ、よく回らないベーゴマになってしまいます。
 がんばって、注意深くけずりましょう。けずる道具は、やすりやグラインダを使いますが、破片が飛んだり、熱を持ちますので、手袋やゴーグルを用意すると良いでしょう。

ベーゴマ(完成品)
 なまりのベーゴマの完成です。しかし、このベーゴマが本当に強いのか、弱いのか、は回してみないと分かりません。良く回ることが一番大切です。
 でも、このベーゴマは、たった一つしかありません。それが、強くて、良く回るものだったら、最高ですね。

型から取りだしたベーゴマ
 
 上は、角度のあるベーゴマ。下は、「ぺちゃ」に近い扁平なものです。それぞれ、回り方にとくちょうがあり、強さも違います。
 このようにいろいろな形を作るのも、面白いことですね。

「ぼくも、こういうの作ってみたいな。でも、火も使うし、大人の人がいないとできないね。」
「お父さんか、先生に頼んでみようっと。」

〔注意〕

1,火や電気を使います。必ず、大人の人と一緒にやりましょう。
2,鉛を使います。十分気をつけましょう。(火事ややけど)
3,計画を立て、場所をかたづけてから、やりましょう。
 
では、グッド・ラック!