細井人事闘争の基本的視点
2000年5月 三河教職員労働組合
1、経 過
3月21日(火)内示 本人に対し幡豆小へ異動の突然の内示。
校長は「幡豆小へ異動が決まった。」と伝える。本人は、不当な人事であることを言う。
3月22日(水)西三河教育事務所に「不当人事であり、撤回の旨」を申し出。
3月23日(木)横須賀小校長へ事情調査。(三河教労)
3月24日(金)愛知県教育委員会へ申し入れ。
同 愛知県人事委員会へ「措置要求書」を提出。
3月27日(月)西三河教育事務所へ再度の申し入れ
3月28日(火)西三河教育事務所鈴木主事より本人に対して「話」
4月 2日(日)幡豆へ郵送(250通余)
4月 3日(月)辞令伝達
2、観 点
3月よりの取り組みを通して明らかになった問題点を整理し、5月2日、名古屋法律事務所にて、伊藤弁護士と不服申し立てについての打ち合わせを行い、今回の人事闘争の観点について論議を行う。そして、以下の点について問題点とする。
第1の柱:処分の不利益性
@適正手続き違反
・11月上旬頃、管外転出希望(岡崎)を出す。
・その後の雑談の折りに、
校長:管外転出の希望は、かねてから知っている。
細井:もし、岡崎に戻れないのなら、小学校に勤めているのは(英語教師として)心象が良くないから、郡内の中学校でも異動の希望を出します。
校長:それなら、佐久島中でもいいか。
細井:それは、だめです。到底通えません。吉良中か幡豆中です。
・11月30日、岡崎の面接
岡崎市教育長:地元だから、そんなにむちゃくちゃはしないだろうな。
それにしても、英語の教師のあんたがなぜ小学校に。
(教育長の言葉から、会議時間のことについて質問したことが伝わっていたのかも知れない。)
・12月5日、希望調査表を出す。
・2月9日に校長面接があるが、校長よりの話は何もない。
校長談:「このときは、事務所から、出入りの人数を聞いただけで、3月21日
の午前中まで、誰が出て誰が入ってくるかは知らない。」と、後の組合との話し合いで言明。
・3月21日
全職員を個別に呼んで、内示を伝える。
校長:(我が校が)2学級減だから、幡豆小に決まりました。
細井:不当人事ですね。吉良中からここへ来るときにも、不当な人事があっ
た。
A本人の専門性を阻害
・英語の教科教育が得意。(英検1級)
・通勤途中も英語を聞きながら日々通っている。
・授業研究(わかりやすい授業を独自に追求)に努めている。
・特に、吉良中での2年間の中で、英語の授業に熱意を持って授業を進めた。その中
で、生徒の手応えも感じ、いっそう英語教育を進めたいと思うようになってきた。
しかし、一色中(5)−吉良中(2)−横須賀小(3)[4年−4年−特殊学級へ]と、専門性を無視した人事が続けられてきた。特に、特殊学級の担任については、4月早々の担任発表の時突然申し渡されるという状況であった。
今回の幡豆小では、TTで算数を2年2クラス、3年2クラス(合計週20時
間)、4年2クラスの他、TTで英語を3.4.5.6年10クラス(各週で5クラ
スの5時間]を持っている。英語教育は、外人講師(AET)と担任、そして、本人の3人で授業を行っており、「本人の希望」とは程遠い実態。
(なぜ、このようなことになったのかというと、不当人事であると組合が追及した過程で、その説明に教育事務所は「小学校におけるAET教育充実」を言い始めたが、当初「算数の専科」であったのが、「英語教育」を言ったために辻褄あわせをした感がある。)
B通勤時間が規定の90分をオーバー
・実際に、勤務開始時刻に間に合うようにいくと、待ち時間も含め、99分かか
る。
・ 教育事務所鈴木主事の指摘した電車では勤務開始(8時25分)には間に合わない。鈴木主事は、「これから、近道を探せばいい。」というような無責任な言い方をした。
・今まで1時間に3本の電車があったが、新しい勤務地に行くには、1時間に2本になり、より不便になる。
第2の柱:処分は、憲法・教育基本法にてらして、違法・不当なものである。
@本人の意向を無視した処分は、適正手続き違反であり、不当である。
・県教委と愛教労との交渉の折りの確認
「本人の意向を尊重することは、大前提であり、異動方針にはかいてないが尊重されるべきもの。」
・平成4年の県人事異動方針の前書きに「本人の意向を尊重すること」がうたっ
てあった。
「平成5年度教職員人事異動方針について
このことについて、県教育委員会において、別紙のとおり決定されましたので、遺漏のないようよろしくお取り計らい願います。
なお、校長の意見の申し出に当たっては、本人に対して意向確認を行うなどにより、その希望事項が反映されるように配慮願います。」
(4教職 弟329号 平成4年11月18日愛知県教育委員会教育長)
・同じ三河の中でも、豊田、豊橋市教委などでは、「希望と納得」の人事を前提
に進めている。(豊田市教育長との確認、豊橋市教育委員会交渉、岡崎市教育委員会との話し合い)
A専門性の無視は、教師の教育権を侵害するもの
B恣意的人事は、教師の人権を侵害するもの
以上のことから、幡豆郡においては、教職員の希望を全く無視した異常な人事が行われており、このような「常態」のもとで、教職員は「泣き寝入り」を強いられている。「小学校の教師が突然中学校に異動させられ、1年で退職。その後、講師として小学校に勤務している」などという例もいくつかあることを聞く。人事の改善は急務である。