2004,2,20(金)三河教職員労働組合
はじめに
1月23日に、第1回の準備手続きが行われました。そして、第2回目の準備手続きが3月29日に決まりました。また、この間の論議で、東加茂郡おける異常な人事の実態がますます明らかになっています。
愛知県人事異動方針には「3年未満の者は
特別な事情のない限り異動の対象としない」と明記
そもそも、今回の人事では、「同一校勤務3年未満の者は、特別な事情のない限り異動の対象としない」という教職員人事異動実施要領の規定に反して、
県の人事異動方針は「同一校勤務3年未満の者は、特別な事情のない限り異動の対象としない」と明記しているのです。それを破り、不当な人事を行ったのが東加茂郡の人事であり、人事の担当者なのです。
統廃合・過去の事例では、子どもに全く配慮していない!
この点について県教委は、平成15年4月に和合小学校と羽布小学校が統合されることを「特別な事情」として主張していますが、この点について、川合先生は、1987年以降の東加茂郡における統廃合7例を出して反論しました。それは、過去の統廃合例を適用するなら、川合先生が和合小に引き続き勤めることこそふさわしい実例となっています。
県教委は、今回の人事が「統廃合」という特殊事情によるものであると言っています。そして、統廃合によって生じるかも知れない「両学区の児童の指導面・心理面(特に、従前からの児童にとって全ての教職員が変わってしまうということであれば、心理的に不安感が生ずることも予測でき統廃合後も両校にいた教職員を適正に配置する必要性があった。)」と述べています。しかし、東加茂郡において1987年(昭和62年)から行われた統廃合の7例を調べてみると児童の指導面・心理面に配慮した異動が全く行われてこなかったことが明らかとなるのです。以下の通りです。
東加茂郡における養護教諭の異動の状況(特に統廃合における)
@ 1987年(S62年)
A 足助町立御内小が足助小へ統廃合 → 御内小養護教諭は
B 足助町立大多賀小が明和小へ統廃合 → 大多賀小養護教諭は
A 1995年(H7年)
A 足助町立大見小が足助小へ統廃合 → 大見小養護教諭は
B 足助町立椿立小が足助小へ統廃合 → 椿立小養護教諭は旭町立旭中へ異動
B 1996年(H8年)
A,旭町立旭中と浅野中が統合し新旭中となる → 浅野中養護教諭は萩野小へ異動
※旭中養護教諭はそのまま留任
C 1997年(H9年)
A,足助町立大河原小が大蔵小へ統合 → 大河原小養護教諭は
B,旭町立生駒小が小渡小へ統廃合 → 生駒小養護教諭は
4つの年度、7例の統廃合に際して、いずれも統廃合となった学校の養護教諭は子どもらと一緒に(子どもらについて)異動した例はありません。養護教諭は、7例とも全く違う学校に異動しているのです。これらのことから、統廃合に際して子どもらのために養護教諭が一緒に異動するということで「児童の指導面・心理面」に配慮するというようなことは、一切行われてこなかったことが明らかとなるのです。
今回の統廃合にあたって「子どもらが寂しがるから養護教諭が一緒ついていくように配慮した」などということは、何ら根拠のないことであり、人事異動実施後にこのような方便を持ち出すこと自体、不謹慎です。逆に、「今回だけ養護教諭がついていく」ようにしたことについて、「統廃合」とは別の事情があったことを推測させるのです。
これに対して、県教委は「それぞれ種種の事情があり、一概に論じえない」などと反論にもならない反論をして、逃げの姿勢をとっています。
1年〜2年での異動が大変多い東加茂郡の人事
さらに、ここでは県の人事異動方針に反して1年や2年で異動させるという異常な東加茂郡の人事の実態を明らかにしたいと思います。
○ 東加茂郡における同一校勤務3年未満者に対する異動の実態
東加茂郡における平成12年度から平成15年度までの同一校勤務2年の者に対する異動が命じられた事例は次のようなものでした。
(1)平成12年度 8例 3町村で23校。教職員数281人。
冷田小学校(足助町)→ 日本人学校(海外)
冷田小学校(足助町)→ 阿蔵小学校(
明和小学校(足助町)→ 追分小学校(足助町)※新任2年目に対する異動です。
大蔵小学校(足助町)→ 管外 ※管外への異動です。
御蔵小学校(足助町)→ 追分小学校(
羽布小学校(下山村)→ 花山小学校(
花山小学校(下山村)→ 管外 ※管外への異動です。
敷島小学校(旭 町)→ 新盛小学校(
(2)平成13年度 6例 3町村で23校。教職員数275人。
御蔵小学校(足助町)→ 敷島小学校(旭 町)※校長の異動です。
和合小学校(下山村)→
和合小学校(下山村)→ 則定小学校(
和合小学校(下山村)→ 大沼小学校(
※異動希望をした申立人と入れ替えの人事。
阿蔵小学校(下山村)→ 羽布小学校(
豊田市 → 田平沢小学校(下山村)※校長に昇進して異動。
(3)平成14年度 8例 3町村で23校。教職員数274人。
冷田小学校(足助町)→ 敷島小学校(旭 町)
追分小学校(足助町)→ 管外
則定小学校(足助町)→ 足助事務所(足助町) ※教頭の転出です。
明和小学校(足助町)→ 花山小学校(
和合小学校(下山村)→ 田平沢小学校(
阿蔵小学校(下山村)→ 小渡小学校(旭 町)
築羽小学校(旭 町)→ 花山小学校(下山村) ※校長の異動です。
敷島小学校(旭 町)→ 管外 ※教頭の転出です。
(4)平成15年度 7例 4町村22校。教職員数263人。
追分小学校(足助町)→ 足助中学校(足助町) ※校長の異動です。
追分小学校(足助町)→ 管外
萩野小学校(足助町)→ 下山中学校(
新盛小学校(足助町)→ 則定小学校(
新盛小学校(足助町)→ 管外
稲武中学校(管 外)→ 則定小学校(足助町) ※校長としての昇任人事です。
和合小学校(下山村)→ 大蔵小学校(足助町) ※本事案
なんと、同一校1年での異動も何例か存在!
○ 同一校勤務1年での異動例も存在します。
(1)平成11年度
冷田小学校(足助町)→ 愛教大付属小学校(管外)
(2)平成13年度
新盛小学校(足助町)→ 佐切小学校(
(3)平成14年度
足助小学校(足助町)→ 則定小学校(
冷田小学校(足助町)→ 明和小学校(
(4)平成15年度
足助小学校(足助町)→ 大沼小学校(
下山中学校(下山村)→ 大沼小学校(
このように、東加茂郡においては同一校勤務3年未満の者に対する異動が頻繁に行なわれています。これらすべてが「特別の事情」に基づくものとは到底言えません。そして、そのほとんどが本人の希望を無視した一方的な異動なのです。
他の郡(5件)と比べても異常な東加茂郡(35件)の人事
ちなみに同じ時期の額田郡(
また、
この点、東加茂郡の人事は県の異動方針をことさら無視しているというしかありません。
教育の公正な運営は、教職員の身分を守ることで可能に
教職員人事にあたって、「同一校勤務3年未満の者は、特別な事情のない限り異動の対象としない」というルールが定められているのは、児童、生徒との人間的な接触や保護者との信頼関係の存在を前提とする教育という業務に関わる教職員について、同一校への勤務を一定期間保障することによって教育効果の発揮を図るとともに、恣意的な異動が行なわれることから教職員を保護することによって、教育に対する不当な介入を防止しようとするところにあるのです。
校長や教育委員会の意のままに、好き勝手に人事がおこなわれるなら、教職員は校長の言動に戦々恐々とならざるを得ません。
東加茂郡においては、上述したように、「同一校勤務3年未満の者に対する異動が当たり前」という異常な状態にあります。川合先生に対する今回の不当な人事は、東加茂郡でおこなわれている異常な人事異動の一角をなすものなのです。
公開口頭審理で、異常な人事の実態を暴露!改善の一歩に!
今回の人事闘争の過程で、今年度から「異動調査票」が実施されましたが、ほんのささやかなものでしかありません。しかし、不当な人事を許さない取り組みが確実に進んでいます。わたしたちは、今後行われる公開口頭審理で徹底した討論を行い、東加茂郡の人事がいかに子どもと教職員を無視し、学閥などの特定の利益のために行われてきたかを明らかにしたいと考えています。そして、他郡市では当たり前となりつつある希望と納得の人事が、この東加茂郡においても実現されるために奮闘します。
「楽しい学校は、元気な先生と私たちのいる学校」
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