平成15年不第1号
不服申立人 川合仁美
処分者 愛知県教育委員会
意 見 陳 述
平成16年8月27日
愛知県人事委員会委員長 殿
不服申立人 川合仁美
1,証人訊問への補足
まず、県教委の準備書面に私の証人訊問の言葉を使った記述がありますので、これを反論します。県教委側の準備書面では、私の実践は「どの小中学校でも実行可能」とし、私の発言を捉えて、「自身の教育計画が侵害されたことを否定している」と述べていますが、語るに墜ちたとはこのことだと思います。「教員の実践など、どこでもできる」というような言い方で教員の実践を軽視し、私の実践を断ち切りながら、「教育実践が不可能になったとしても…人事異動に伴って必然的に生じるもの」と言ってのける。教育活動という日々の営みを軽視し、教育ににつかわしくない人事をやって恥じない姿勢が、その表現に端的に現われていると思います。
2,内示後の卑劣な言い逃れへの批判
そして、希望が無視されるという教員の苦しみや悲しみを知らず、内示後にとってつけたように、加藤主査は、私の「養護教諭としての実績と豊富な経験を考慮し、…足助北部の中核校」に異動してもらったというのです。これほど教職員を馬鹿にした言葉を知りません。私の希望も実践も無視するが、あなたの「実績と豊富な経験を考慮し」ているんですよとは。加藤主査にとっては、教員と子どもらとの結びつきや教育活動などはどうでも良いことであり、「あなたは足助に行ったことがないから」などという間違いに依拠して、突然の一方的な人事をして恥じないという姿勢が見えてきます。
3,私の人事について
また、県教委側の最終準備書面は、教職員にとって大変冷たい言葉がならんでいます。
病気やそれに伴う通勤は「全く個人的な事情に過ぎ」ず、「通常40分、冬には1時間ほどかかる」通勤時間についても、「申立人のみの特殊な事情」ではなく、「社会通念に照らしてみても甚だしく不相当なものとはいえ」ないなどと。
長時間の通勤は、足助の教職員すべての負担になっているのです。それを理解しないで、改善するというのではなく、みんな長時間通勤なんだからと言い逃れる。このような人事が公然と行われていることに異常さを感じます。毎日、カ-ブと急坂の多い道を40分かけて通勤するのは、精神的にも肉体的にも疲労がたまるのです。特に冬季の多くは凍結と積雪があり、凍結を心配し、早起きをして学校へ向かうのです。気を遣う1時間の通勤時間はやはりつらいのです。疲労がかなりたまって、気力や意欲が減退し、創造力や思考力が低下するのです。それを考慮しない人事を行う感覚に東加茂に勤める教職員として異議を申しあげます。
疲労がたまると、心のゆとりがなくなり、対人関係がぎくしゃくしたり、問題を早期に発見したりすることが難しくなることが理解できないのでしょうか。
3 通院
病気についてですが、私の通院は、まず病院に行かないとダメなんです。それが、理解できず、「内服薬もないものであり、…目薬をもらってきて注すというものにすぎない。」というに至っては、これが全く教職員の健康を考慮しない本性があらわれたものと理解します。教職員の病気を「個人的なもの」と断じて、軽視するところ、それ程の軽いことと認識するところに今回の人事があったこと、今更ながら痛感します。そして、その私に「足助の中核校へ」という二枚舌に驚かざるを得ません。
4 教育計画の中断
何度も言いますが、教員の仕事は赴任して「はい。ではこれやって。」というように安直にできるものではないんです。不当な人事で、私の経験や実績を否定し、腐らせておいて、「やる気がないんですね。」とは、現場の教職員の神経を逆なでするのにこんな良い例は考えつきません。現任校での実践課題を言えば、子供の実態は、特別支援が必要な子が普通学級にいるものの「こころのおそうじ」が必要な状態ではない。つまり、家よりも学校が楽しい子が多く、家でも学校でもストレスを感じていない子が多い状態であったのです。いっぽう現在の職場の状況は、校長の感情的な学校運営に問題があり、それを根本的に改善し、教職員にとって働きやすい職場環境を保障してもらえなくては、安心して教育計画に基づく取り組みができない状況にあります。つまり、子どもに向かい合うのにまず職員室からの雰囲気を変えて行かなくてはならないという状況なのです。
5,終わりに
今回、不服申立を行い、いろいろ調べるなかで、東加茂郡の人事が本当に異常なことを痛感しました。それは、人事を行っている方々に教育者としての血の通った感覚がないことを感じました。県人事委員会は、これらの事実から正当な判断をされ、一刻も早く私の元の職場に戻す裁定を下されるよう切に願っています。これをもって、私の最終陳述とさせていただきます。
公開口頭審理が、8月27日に行われました。これが、最終ということで、川合仁美さんが最終意見陳述を行いました。
その内容は、県教委側の言葉じりをつかまえた卑劣な「反論」に対して、現場の教員がどのような気持ちで日々子どもらと向かい合い、また、ひどい人事異動に耐えているかを率直に語ったものです。
以下、引用しますのでご覧ください。
学閥で出世し、親が校長であったり、自らが「出世街道をひた走ってきた」という自信満々の方々は、他人を軽くみる傾向がありますよ。そして、「身内や学閥の利益を優先するような偏った考えが。
この人事も、子どもたちや教員の立場に立ってものごとをはっきり言ってくれる川合さんを嫌がって行われた不当な人事だと思います。
県の人事委員会は、そのこともよく見て、東加茂郡で行われているようなひどい人事がなくなるという裁定を行ってほしいですね。人事委員会は、そのためにこそあるんだと思います。
ご覧くださり、ありがとうございます。
トップページに行きます。プリンの絵をクリックしてください。
県人事委員会の裁定をまちつつ、次の裁判闘争など考えて…。
ケーキをクリックすると、人事闘争へ行きます。