ここ額田の地にも希望と納得の人事を!

                      額田町立下山小学校  左右田 三男

 

 額田郡内の小学校に赴任して16年。3月の「人事の季節」になると毎年のように見てきた光景は,突然の異動の内示に涙する教師の姿でした。以前勤めていた大府市では希望しなければ異動することはほとんどなかっただけに,大きな驚きです。なぜそんなことがの思いをずっと引きずりながらの日々,疑問が消えることはありませんでした。

 そして,今年。鳥川小は新年度から学級減になるので,教員が一人転出しなければなりません。該当者はS教諭と私。12月初旬,人事異動希望調査表を学校長へ提出する際,異動希望はないけれど,学級減のために異動せざるを得ないことがあれば,内示以前にできるだけ早く話をしてほしい旨を口頭で伝えました。それは私なりの誠意でした。しかし,その日以降,学校長から何ら話がなかったので,2月24日,再度学校長を校長室に訪ね,異動について現在分かっていることがあったら教えてほしいと聞いたところ,「何も分かっていない。人事については事務所にお任せしてあるので,内示までは私も分からない。」とのことでした。私はその時,この時期に来ても話がなければ異動することはないだろうと思い,次年度に向けての展望を持つに至りました。

 3月20日(金),16時過ぎ,下山小学校への転勤の内示を聞きました。突然のことだったので驚き,学校長に事情を聞いてみると,「学級減になるのでしかたがない。内示を受けるまで,私も分からなかった。」との返事でした。しかし,後日,額田町の山田教育長は,「2月10日の第2回校長面接の時には,(左右田は,異動対象として)名前が挙がっていた。」と,語っています。内示までは,一切打診はしない。それが長年当たり前のように,ここ額田の地で行われてきた人事だったのです。

 以後,学校長や西三河教育事務所の杉山主査及び吉口主事との話し合いを繰り返す中で,学校長の意向は,「研究指定を受けていること,パソコンができる人,全校音楽ができる人,学級減であること」の4点であることが明らかになりました。しかし,それらの中では学級減であること以外,一人転出の理由になりえません。とりわけ,「研究指定」については,そのための人事を行うこと自体が問題であると考えます。明白な理由もない今回の人事ゆえ,西三河教育事務所には白紙撤回と公正な人事を求め,提訴も辞さない旨を伝えました。

 3月26日,学校長より,「人事については,こうしたやり方が普通だと思っていた。本人の意向を十分汲み取って行うことができず,申し訳なかったと思っている。」と謝罪の弁がある一方,西三河教育事務所は,「両町教育長,校長会長,杉山主査,吉口主事の5人で話し合った結果,人事は不当ではないので,撤回はできない。」との回答でした。話し合いの席に校長会長がいることも理解できないけれど,学校長が謝罪したことと西三河教育事務所が不当な人事ではなかったと判断したことの矛盾は,どう説明がつくのでしょうか。疑問が残るばかりです。

 額田郡内の人事は,異動希望がなくても転任させられたり,逆に異動を希望しても明白な理由もなく拒否されたりということが,毎年当然のごとくに行われてきました。その結果,毎年泣きを見る教師は後を絶ちません。乳飲み子を抱えたある教師は,自宅から20数キロも離れた小学校へ突然転勤の内示があり,どうしていいか分からず学年末の反省会の場で泣くことしかなかったということもありました。

 愛知県の人事異動方針によれば,「教職員の教育意欲を高揚し,」「公正かつ適正な異動を行う。」とあります。また,愛知県教育委員会は,「本人の意向を大切にすることが基本である。」とも言っています。今回の内示は,双方の趣旨にも反する不当なものであり,断じて納得できません。「教師を泣かしてはいい教育はできない。人事については本人の希望と納得を尊重し,納得を得られない場合は異動をさせない。」と明言している教育長もいます。私は,より良い教育を実現するため,今まで行われてきたような理不尽な人事をやめ,教師を大切にすることを原則とする血の通った人事をせつに願うものであります。

 今後の人事異動について確認しておきたいこと

@異動希望がない場合は,異動させない。

Aやむを得ず異動せざるを得ない場合は,必ず本人に事前に打診をし,合意を得ること。

B異動希望がある場合は,本人の意向を最大限尊重した人事を行うこと。