豊橋市教委交渉報告(確認)

 2001年1月17日(水)4時より5時30分まで交渉を行った。市教委からは、加藤課長、白井課長補佐が、三河教労からは9名が参加した。交渉の内容は以下の通りである。

1、勤務時間

市教委 ここに書かれてある認識は必要であると考えている。実態は、小学校で8時20分が33校。8時25分13校。8時15分が6校。中学校は8時10分が12校。8時15分が4校。8時5分が5校。8時が1校。これでよしということではない。校長会にも話題提供していきたい。

教労  勤務開始時刻ですが、豊田市では小学校のほとんどで8時30分開始となっている。(52校中50校)その点、豊橋では小学校でも異常に早いところがある。(南部中 8:00)また、「休息・休憩時間」は確かに書かれているが、実際は守られていない学校がある(野依小、高師小、磯辺小など)。豊橋では8時30分開始が1校もない。勤務開始時刻もこの数年間の変化を見ると変わっていない。もっと、指導すべきだと思う。

     

2、教頭、教務、「校務」の授業時数

市教委 職務の見直しの中で、大きな問題として捉え、学校の実態の見直しをする中で校務分掌の整理を要請している。教務・校務さんが一緒になってやらないと学校が成り立たない。管理職は校長・教頭であり、教務・校務は教諭である。教員の意識をことあるごとに変えていくように今後とも努力していきたい。

  教労  豊田市では「四役」という呼び方はやめるという。教務、「校務」は管理職ではない。豊橋市はその授業時数分担を見ると、他の郡市に比べ比較的授業を分担しているが、まだまだ少ない。資料を調査できた1992年(平成4年)度の実績で「校長以下4人で19,7時間」に過ぎない。また、2000年度もそう前進していない。二川小のように後退している所(4人で18時間)もある。教頭の授業時数が0のところもある。また、調べているところで気がついたのは、豊教組の役員が専門外のTTであったり、中学校では「二人担任」として優遇されたりしている。改善点として、「授業時数を学校経営案に明記する」「TT教育の厳正・効果的な実施」を要求したい。

       また、「学校経営案」の職員欄に「職名」として「教務」「校務」と書いてある学校がある。ここにも教務・「校務」を特別扱いする根深い雰囲気がある。きちんと「教諭」と書くべきだと思う。

 市教委  ここは、大きな宿題をいただいたと考えたい。

3、勤務の改善

市教委 国の改革を待つというのではなく見直しを考えている。出張の削減などにも取り組んでいる。中核都市になり、本年度より市独自の研修をスタートした。内容面・方法面から実態に合った研修ができること、研修場所から近くなり出張にかかる時間・旅費の面でも大きなメリットがあると考えている。しかし、一方では、一つの講座への参加が人数の関係で出張回数が増え、現場の負担になっているのではとの危惧もしている。現在、実態把握に努め、来年度研修計画の修正を考えている。また、その他の出張についても、現場の負担軽減の視点から様々な努力を続けていきたい。

 

4、振興会刊行物の問題

市教委 ここに書かれている方向は前回も話したがそれを踏襲したいと思う。採用時期については、その趣旨を踏まえ関係機関に伝えていきたい。しかし、難しい。市民に対してもきちんとした説明ができるようにと考えている。

教労  採用が前年度というのは問題であり異常である。他の業者と同じ条件で、その年度に入ってから行うべきである。振興会刊行物の4月採用問題では、額田郡の校長会では「4月に返却できるか検討する」といっている。そんな方向性がある。また、「学校経営案」に「子とともに担当」と書く学校があるが、これもおかしい。

 

5、泊を伴う問題

市教委 体験活動の拡大や泊を伴う活動について、難しいとは思うが、非常勤の養護教諭の配置を目指して予算要求をしている。心の教育、自然体験の拡大という点からも現実には養護教諭の重要性が増しているから。市独自の取り組みとして重視している。

教労  勤務の改善を目指しての豊橋市独自の努力として評価したい。

 

6、部活問題

 市教委 中学校の春の大会を減らした。『部活動の手引き』を今年度3月までに作成する。「週2日休養日」「小学校の部活において朝練はしない」ことは厳守したい。部活は豊橋では加熱しているか、どうか。

 教労  小学校が加熱している。現行の『手引き』では、実質野放し状態であり、「校長の許可」によって小学校では月曜日から土曜日まで、中学校では土日も実施できてしまう。新しい『手引き』に期待したい。また、参加希望制にするとともに、部活を過熱させない規制が必要だ。朝練にも規制が必要だ。

 

7、勤務時間内に仕事ができること

 市教委 これは当然のこと。学期末など忙しい時は、基本的に学校で仕事ができるようにと考えている。その時期の部活を工夫するなど、学校運営上の努力・工夫が大切だと考えている。

 教労  勤務時間内に仕事ができない現実があり、「勤務時間外に、電話で出張の依頼があり断れない」という苦情がある。

 市教委 そういうことは、あってはならない。やらないよう厳しく注意している。

8、図書館司書の配置

 市教委 平成15年の春、12学級以上の学校(17校)への司書教諭配置にあわせて、市独自の図書館司書を配置していく方向で要求していくつもりでいる。

 教労  ぜひ実現していただきたい。

 

9、人事

 市教委 人事については、校長に対して「異動させられる人たちの立場に立って行うよう」言っている。

 教労  希望と納得の人事が基本という意識はだんだん広がっているが、校長の資質と判断力が重要である。特に、三河部では小中交流による異動で退職に追い込まれる教職員が多い。小学校と中学校では微妙に違いがあり、ストレスを抱えることが多い。また、40歳を越えた担任教師の存在は重要である。小学校の男性教員と女性教員の比率の問題の検討、希望を持って教育ができる環境を積極的につくるよう努力を求めたい。  

 

10、論文

 市教委 強制はしていない。また、そのことで評価はしない。

 組合  (この点では、三河教労は「教育行政が論文を募集すること」自体をやめるよう要請しています。)

 

11、研修権

 市教委 実態把握をしたい。

 

12、学校訪問

 市教委 この点では、普段の教育活動を見せてくださいと言っている。市教委の学校訪問は教育学習条件の整備の観点で行っている。昨年より、校長と面談をしている。新しく赴任された教員とも。

 

13、労働安全安衛生法

 市教委 教員の病気が増えており、重要な問題だと感じている。

 教労  調べていると、豊橋市においても病気をかかえる教職員が増えているようだが。

 市教委 他の職種と比べても教職員の病気が多いことは憂慮している。

 

14、人権

 市教委 苦情がある。教職員の認識が大切である。子どもの人権については、子どもの権利条約に関する勉強も現職研修の中で実施している。市教委としても、人権侵害が起こらないよう毎年チェックしている。

 

15、25〜30人学級

 市教委 大規模校解消に向けての努力をしてきているが、当面学校の増設は考えていない。

 教労  豊橋には、今だ児童数1000人を超える巨大校がある(岩田小、幸小、栄小など)また、1学級40人というすしづめ学級がある。岩田小の2.4.5年は1学級39人ないし40人になっている。学校規模からすれば、専科教員が4人以上あっても良い規模であり、職員の苦労は並大抵ではない。

 市教委 30人学級等については話題になっておりおっしゃることはよくわかるが、現時点では、市独自の教員配置は難しい状況にある。

 教労  ある学校を例にしますが1学級これだけの人数を抱えながら、教頭さんが0時間、教務さんが書写のみ、おそらく評価しない書写でしょう。そして、「専科で学年主任」となっている。特定の価値観に基づく年功序列と教員管理の発想で配置されていると考えざるをえない。第一線にある教師が消耗するような配置になってはいないか。

 

16、校長・教頭の言動について

 市教委 法令に基づいて考えるようにしたい。研修を積み重ねて改善をはかりたい。

 

17、勤務時間外の出張について

 教労  市教委は出張を減らせという良いことを行ってみえるが、現場では抜け道が出来てしまっている。

 市教委 そういうことをやらないよう厳しく指導している。

 

その他

 教労  職員室は暖房設備があるが、各教室には暖房がない。温暖化といってもやはり寒い。教室で、子どもたちはコートを着ている。子どもたちのためにも暖房設備を完備されたい。