豊橋市市長 早川 勝様                2002年10月18日

 豊橋市教育委員会

委員長 大竹慶子様

豊橋市教育委員会                三河教職員労働組合

  教育長 地宗一郎様                執行委員長 畦地  治

 

     教育問題改善についての要求書

1、教育内容の改善のために

 @ 校長、教頭は、率先して授業を受け持ち、子どもの状況を把握すること。 

A 教頭、教務、「校務」は、学級対応の教員配置であり、専科教員と同じく率先して授業を受け持つこと。特に教務、「校務」については、積極的に担任を持つこと。

B       担任の授業時数を減らすこと。小学校では週あたり22時間、中学校では18時間を上限とするよう教員配置を行うこと。

C       勤務時間内に事務・研究時間を確保し、教員の教材研究や子ども理解のための時間を保障すること。

 D 教科指導員訪問をなくし、学校において自主的な研究活動が進むようにすること。

 E 市独自の予算において、パソコン、AETなど教員を配置・充実すること。

F 図書館司書をすべての学校に配置すること。なお、教職員に司書を兼任させないこと。

G 教材の採用にあたっては、愛知教育文化振興会(文振)または愛知県教育振興会(県振)を特別扱いしないこと。採用にあたっては一般業者と同じ新年度4月に行い、「公費負担」を名目に、「全学校一律採択」にするというような事態をなくすこと。

 H 「研究発表」がローテーションのように各学校に割り当てられており、「研究」による多忙化、教育内容の偏向は学校に異常な事態をもたらしています。県教育委員会通知にあるように「教員が児童生徒と触れ合う時間が十分持てない」原因となっており、「研究発表」をなくすこと。

 I 図書館を充実し、蔵書を増やし、教育環境にふさわしいものとすること。

 J 図書館などに空調設備を整えること。保健室には温水シャワーの設備を整えること。

   また、冬期には教室に暖房設備を置くこと。

 

2、人事において、公正・希望の尊重がはかられるようシステムを改善すること。

 @ 教職員の希望を尊重し、納得のもとに人事を行うこと。異動を希望しない教職員については、「異動希望調査票」に希望校を書かなくても良いこととすること。

 A 校長が教職員の希望を尊重し具申を行うとともに、市教育委員会の内申が確実に行われるようにすること。

 B 人事において、本来その権限を有するはずのない校長会などの不正常な関与を排すること。また、学閥偏重の人事を排除すること。

 C 1月、2月に二回行われる校長面接を確実に実行するとともに、教職員への打診を事前に必ず行うようにすること。

 D 「小中交流」を名目とする人事は、本人の納得がない場合は行わないこと。

 

3、勤務の改善のために

 @ 学校の始業時刻を、愛知県の『学校職員の勤務時間等に関する規則』にあるように「午前8時30分から…」とすること。

 A 勤務時間外の「サービス労働」をなくすこと。早朝の交通立ち番については、教職員についてはその災害時において労災の補償がないことなど問題があり、早急に検討し改善をはかること。

B     泊を伴う勤務については、早急に「1泊2日の場合、1日につき4時間」とし、それを完全実施するとともに、より一層の改善をはかること。

 C 教育委員会名による「論文」募集は行わないこと。また、各種の応募は学校現場に負担を持ち込んでおり、一切の強制を行わないここと。

 D 教職員に病気が増えており、勤務時間内に仕事ができる条件を整えること。また、学校管理者は率先して勤務の改善をはかるよう努力すること。

 E 教員の勤務時間は法律で厳しく保護されているにもかかわらず、多くの校長が無関心であり、勤務時間終了後に会議が持たれている。また、勤務時間の終了後の出張も確認されている。早急に改善すること。

F     中学校の勤務条件を改善すること。45分授業を含め、長時間勤務を解消する方策を検討すること。

G     教員の研修権を保障すること。

H     非常勤講師が増えており、その勤務内容の適正に努めること。

 

4、部活過熱は異常な状態にあり、早急に改善をはかること。

 @ 小中学校部活については、子どもも教職員も参加は自由希望制とすること。

 A 祝祭日、早朝の部活動は行わないこと。また、『手引き』にあるように、土曜日、日曜日は部活動をやめ、「週2日」の休養日を確実に取ること。

 B 子どもの健康状態を把握し、成長を阻害するような部活動の日程・時間内容を改善すること。

 C 各種大会への参加を制限し、勝利至上主義からの脱却をはかること。

 

5、教育行政のあり方に関して

@     学校訪問は教育条件の整備充実のために行うこと。訪問にあたっては、一切の準備を学校に強制することがないよう通知すること。

 A 学校設備の老朽化が進んでおり、設備の改善を確実に行うこと。階段の手摺、窓の落下防止用手摺など安全面には特に注意を払うこと。

 B 勤務の過酷さ、無神経な言動、希望無視の人事によって教職員が退職・休職に追い込まれることがないように適切な学校運営によく心がけるよう校長を指導すること。

 C 「校務」、教科指導員などの役職をなくすとともに、役職・校務分掌の簡略化・職務の見直しを行うこと。

 

6、実質30人学級の実現にむけて

 豊橋市の各学校において、全学級において30人学級の実現を目指して教員の加配を行うこと。特に豊橋市においては巨大校(岩田小、幸小、吉田方小、鷹岡小、栄小)が存在するため、学校新設や教員の市独自による配置によって教育内容の改善をはかること。

 @ 市独自の予算によって教員の加配を行い30人学級の実施に取り組むこと。なお、少人数学級(教育)の実施にあたっては、能力(習熟度)別学級(教育)は行わないこと。いわゆる「小人数指導」ではなく、30人学級を目指すこと。

A     児童数増加、減少に率先して対応すること。巨大校を解消すること。また、学校規模の拡大に対しては、新設校の設置など、率先して教育条件や設備の改善に取り組み、機敏に対応すること。当面、40人近い学級については、教員の加配を行い30人学級に近づけるなどの改善をはかること。

 B 各学級30人未満の学級編成ができるよう行政としても市人口動態を念頭にいれつつ対応すること。

  以上。