教育行政の責務とは。それは、「教育条件の整備・充実」にあるのです。では、「指導主事の任務」とは。
豊橋市教育委員会 2003年11月12日(水)
教育長 地宗 一郎様 三河教職員労働組合
執行委員長 畦地 治
学校訪問における不適切な「指導」について改善を申し入れます。
先日、ある学校の市教委訪問において、ある主事が不適切な発言を行い、現場で教育活動に邁進する教職員の気持ちを傷つけたことについて改善を求めます。
ある主事は、指導講評の冒頭に「最近の先生は、素人化傾向にある。」「子どもの心を捉えるという点で素人」と発言しました。これは、大変多忙な教育現場で、悪戦苦闘する教職員の努力を「素人」と決めつけ、誹謗するものです。そして、これは、市教委の共通認識であるのか、お聞きするものです。
また、このような「物言い」は、不適切であることは明白です。このようなことすら判断できない「素人主事」を任用している市教委の落ち度だと考えるものです。厳しく点検されるよう申し入れるものです。
また、教育内容に不用意に口を差し挟み、短時間見学しただけで、現場の状況にあわない不適切な言動を通して「指導」と称するものを行ったことについても、「素人」の言動としては許容できても、市教委の学校訪問における発言とあれば認めることのできないものです。「黒板の下20センチは使うな。」とか「低学年の板書の字は、手のひらの大きさ」などの言動もありましたが、これなど、現場の教職員に学ぶとか、普段の交流において「語る」ような言辞ですが、学校訪問において「指導」と称して行われることに奇異の念を持つものです。
学校訪問における主事等の発言については、市教委として適切なものであるよう、よく検討し、慎重に行われるよう申し入れます。
また、面接などにおいて、管理職の発言等について、それを確かめるような質問をしたと聞きます。このやり方も、不適切なものです。教育の現場に対する訪問のあり方として、このようなやり方を改善するよう申し入れます。
本来、学校訪問は、教育行政の仕事として、「教育条件整備のために」行われるものです。子どもらと教職員が教育活動に心おきなく邁進できるよう条件整備を行う、そのための学校訪問になるよう申し入れます。
補足として、指導主事は「感激と指導を供与する、相談役と有能なる専門的助言者であれ」と説き、「助言という示唆的活動において教師の人格や自主性を尊重しての指導でなくてはならない」と指導主事の職務の本質的性格を考えた武田一郎氏の言葉を引用するものです。
○ 「指導主事の任務」というものをもっと真剣に学んでほしいと思います。
武田一郎氏の『指導主事の職能』(学芸図書)など、戦後新しい教育想像に向けて文部省内にあって、指導主事行政の草分け的地位にあった方の本をぜひお薦めしたいと思います。
「トップ画面へ行きます。」
「学ぶとは、ともに希望を語ること」!!