豊田市教育長 吉田允昭様                      2002年1月25日

                              三河教職員労働組合執行委員長 

畦地 治

「指導方法工夫改善」の実施が、学校教育に混乱と労働強化

をもたらさないように、現実的かつ弾力的運用を求めます

 

 県教委は、文部科学省初等中等教育局財務課の指導を受けて、2002年度からの新学習指導要領の完全実施に伴う授業時数の減(小学校単学級あたり週22時間、中学校17時間)を、少人数指導等に回すことを前提とした事務連絡「指導方法工夫改善等に伴う教職員定数等について」(H13.10.19)を出しました。

それに基づき、豊田市教委は、教務主任を集めて説明会をもたれましたが、そこでは9月に文部科学省が示した「持ち時間数の減があってはならない。」という考えで説明がなされています。

しかし、この文部科学省の指導は、化石となっている「裁量の時間」を入れるなど現場を知らない机上の計算であり、これまでわずかにあった「空き時間」(われわれは以後、事務・研究時間と呼ぶ)も無くすという大変な労働強化となるもので、全国の教育委員会、教職員組合等から、質問、要望が文部科学省に集中しました。

その結果、文部科学省は、弾力的な運用を認めるように修正をしています。

それを受けて県教委は、10月25日付の事務連絡で10.19の連絡を一部修正、「実施に伴う学年別、教科別増加指導時数」の表に「その他」欄を追加しました。

これは、「裁量の時間」の弾力的な計算を許容するもので、例えば、埼玉県教委は、月曜集会、清掃活動、給食指導などの全指導教員の総時間数を計上しています。

全日本教職員組合は、11月7日に初中局財務課と交渉しましたが、その場で文部科学省は、「今まで以上に授業時間増やせ、労働時間増やせということは、全く考えていない」「今まで以上の労働強化をめざすものではない」「持ち時間をもっと増やして、強制的に少人数を進めよというものではない」「計画表は、総括表のつもりで、学校へ行くと思っていなかった。絶対条件として受け取られたが、問題提起のようなつもりだった」等と答えています。

わたしたちは、豊田市教委が、文部科学省や県教委の事務連絡を文字通りに硬直的に実施して職場に混乱と労働強化をもたらすことのないように、そして工夫と弾力的な運用で豊田の教育の発展に尽くされるよう要請するものです。

 

             要  請  項  目

1 少人数教育の実施は各学校の判断にまかせること。また、各学校で十分な話し合い

がなされ、職員の納得が得られるように、校長を指導すること。

2 事務・研究時間(空き時間)が減るような労働強化にならないよう、校長を指導すること。

3 各学校が提出した「計画表」は、あくまで計画として取り扱うこと。

4 「裁量の時間」は、弾力的に取り扱うこと。

5 学級対応教員として配置されている教頭、教務主任、校務主任の持ち時間数を増やすように校長を指導すること。また、校長も率先して授業を担当するように指導すること。

 6 学校訪問の要綱など、児童の指導に必要性のないものをなくして、労働軽減に努めること。

 7 この申し入れについて、2月上旬に話し合いを持っていただきたい。

以上