サル博士・河合さん「帰郷」 犬山の教育に激エール 県教委「批判」も 「信長のようなベンチャー精神で!」 |
サル学の世界的権威で元京大霊長類研究所所長の河合雅雄・京大名誉教授(78)が19日、この夏まで46年間を過ごした犬山市に2カ月ぶりに「帰郷」し、原作の映画「森の学校」の上映会に出席した。講演では犬山市での思い出から県教育委員会の批判にまで及び、会場を沸かせた。市は「発展に貢献した」として感謝状を贈った。 「犬山市は第一のふるさとです」 生まれ故郷の兵庫県篠山市で暮らす河合さんはこう切り出した。この8月まで生活した自宅周辺では、近所の人たちから「お帰りなさい」と温かく迎えられ「帰ってきたなあ」と感じたという。 同市を流れる五条川や郷瀬川でホタルと戯れた思い出にも触れ、最近はホタルも見られず子どもが自然とふれあう機会も減ったと懸念。「市民が力を合わせて、ホタルが住む川を取り戻して欲しい」と語った。 教育問題では、「子どものうちは、好きなことをして伸び伸びと」と持論を展開。独自の教育改革を進める犬山市の姿勢を評価したが「県教委は保守的」と批判。「犬山市が壁をうち破って欲しい」と持ち上げた。 講演後、「県教委は家康のよう。保守的で改革を目指す犬山市を『危険人物』と感じているようだ。犬山市は信長のようにベンチャー精神を持って改革に取り組み、21世紀の幕藩体制を打ち破って欲しい」と語った。260年余り続いた幕藩体制の基礎を築いた徳川家康と、中世的慣習を破り楽市楽座などの革命的な政策を打ち出した織田信長になぞらえた。 河合さんは同市の第4次総合計画審議会会長を務めるなど発展に責献したとして、石田芳弘市長が感謝状を手渡した。 (「朝日新聞」2002年10月20日) |