細井人事 第3回公開口頭審理開かれる

争点整理ばかりで進展なし。証人を採用して実質審議を!

 去る75日(木)に、第3回公開口頭審理が開かれました。しかし、県教委が審理の2日前になって陳述書を提出してきたために、争点整理ばかりで進展がなく、全く内容のないものになってしまいました。参加者からはため息や怒りの声が漏れました。

事実と矛盾する榊原氏の陳述書

 榊原信義氏(当時、横須賀小校長、現一色中校長)からは、「細井さんの岡崎市への異動希望調査表を書き直し、ワープロ打ちしたのは、細井さんの岡崎市への希望がかなうことを願ってのことだ。」という文書が提出されました。

 これに対して三河教労は、「細井さんの希望がかなうように、ワープロで打ち直し、内容も変えるほどなのに、英語の授業のない幡豆小へ、しかも明らかに通勤距離が遠くなる(通勤時間は1時間30分を超える)幡豆小へ異動させるとは、どういう具申をしたのか明らかにすべきだ。」と反論しました。

明らかに嘘がある鈴木氏の陳述書

 また、鈴木一雄氏(当時、西三河教育事務所主事、現白浜小校長)からは「平成12327日の三河教労との交渉の場で、通勤時間に全く関心を払っていなかったと指摘されているのは誤解で、細井さんの自宅から東岡崎駅が12分、西幡豆駅から幡豆小まで7分で、電車に乗っている時間を加えて70分、余裕を5分見て、75分と調べてあった。」という内容のものでした。

 これに対しては、「交渉時のテープが残っており、自宅から東岡崎駅が15分、西幡豆駅から幡豆小までを5分と明言しており、陳述書の内容と違う。証人として採用し、呼んで真偽のほどを確認する必要がある。」と主張しました。

 

 自筆の署名、押印がしてある陳述書においてすら、矛盾や明らかな嘘を書いて提出するようでは、公開口頭審理に証人として呼び、きちんと述べてもらった方が早いのは明らかです。これこそ、人事委員会の言う迅速で正確な解決です。

 榊原信義氏、鈴木一雄氏の証人採用は絶対不可欠です。人事委員会は速やかに証人採用を認め、実質審議を進めるよう強く求めます。

 

  子どもと教職員の人権を守る三河教労

三河教職員労働組合(三河教労)

未来を拓く

編集・発行責任者 畦地 治

 

97号(2001年8月)

カンパ、機関紙購読料(年間3000円)は【郵便振込00800-4-79130三河教労】へ

 




 三河でも戦争を肯定する教科書はノー!!と

扶桑社の教科書の採択をねらって「つくる会」が、刈谷市・豊橋市などで陳情

 

  刈谷市では、昨年の12月議会に「刈谷市における教科書の採択について」という陳情書が提出されました。陳情内容は「教科書採択を学習指導要領に基づいたものに」という一見何の変哲もないものでした。しかし、この陳情は、戦争を肯定する扶桑社の教科書の採択をねらう団体「つくる会」から出されたものでした。この陳情は不採択になりました。

今度は保護者の代表のようなふりをして陳情

 ところが、3月議会に、今度は趣旨と団体名を変えて、「なぜその教科書を採択するのか、その理由を公開せよ、保護者は知りたがっている」と再び陳情書を提出してきました。今度は扶桑社の教科書が文部科学省の検定に合格し、話題になっているという背景もあり、継続審議となりました。

陳情のねらいは教科書採択への不当な圧力かけ

  この陳情は、教科書採択理由の公開をうたい文句にしながら、実は教科書採択に不当な圧力をかけることをねらったものです。また、「採択にあたっては保護者の意見を反映されるように…」と言いながら、教育の専門職である教師の採択権については、無視をきめこんでいます。

 この陳情は、6月の文教委員会で不採択となりました。

 

子どもたちに「戦争を肯定する教科書」を

        渡さない市民の会が愛知で結成

 

 今、各県・各市で「つくる会」が「戦争を肯定する歴史教科書」の採択をねらって、大攻勢をかけています。こういった危険な状況に対して、子どもたちに「戦争を肯定する教科書」を渡さない市民の会がこの愛知でも結成され、活発に反撃を行っています。

  刈谷市でもこの市民の会主催の学習会がもたれ、

多数の教師・市民が扶桑社の歴史教科書の危険性を

あらためて認識し、危険な教科書を採択させない運

動を進めていく決意をしました。三河教労も市民の

会の一員として、「戦争を肯定する教科書」が採択

されないよう、運動に参加していきます。

 

 

「教え子を再び戦場に送らない」ために

   「つくる会」の教科書は使えない

 

まず、この詩を読んでほしいのです。

テキスト ボックス: 戦死せる教え児よ
           竹本 源治
逝いて還らぬ教え児よ
私の手は血まみれだ
君を縊ったその綱の
端を私は持っていた
しかも人の子の師の名において
嗚呼!
「お互にだまされていた」の言訳が
なんでできよう
慚愧、悔恨、懺悔を重ねても
それがなんの償いになろう
逝った君はもう還らない
今ぞ私は
汚濁の手をすすぎ
涙をはらって君の墓標に誓う
「繰り返さぬぞ絶対に!」

一九五二年一月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


この詩は、朝鮮戦争をきっかけにして教育の反動化が強まる中で、高知県のある教師がうたったものです。

戦後日本の出発点は、まさに「二度と戦争を起こさない」であり、戦後教育の出発点は、「教え子を再び戦場に送らない」ではなかったでしょうか。

 

 私がまだ学生だったころ、戦争を生きのび、科学的な歴史の必要性を教えてくれたある教官が、自戒の念を込め、こういったのを今でも鮮烈に覚えています。

 「終戦を迎えたとき、私たちは、だまされていたと思った。…だまされてはいけない。だまされないように事実を積み重ね、科学の目で歴史を見ていかなくてはいけない。」と。

 

 私の母は、空襲に遭いながら、たくさんの友達を亡くしています。燃えさかる家屋、空から雨のように降ってくる焼夷弾から逃れるために池に飛び込み、何十人もの人が、その池で死んだことを、眼を赤くしながら話してくれました。・・・・・そして一言「竹やりで、どうやってアメリカに勝とうというんだろうねえ」と。

 

私は、「つくる会」の教科書で、子どもたちに教えることはできません。

                       (豊田 小清水小学校 南正純)




豊田スタジアムに豊田・東西加茂の小中学生全員を動員

〜ばかげた計画はただちに中止せよ〜

 

 豊田市では、市政50周年記念の豊田スタジアムが完成しました。このスタジアムは4万5000人収容のサッカースタジアムで、計画の段階から「税金の無駄遣い」「将来に借金を残す」など様々な批判がありました。

  この豊田スタジアム完成のオープニングイベントの一環として、10月24日(水)に豊田市・東西加茂郡の小中学生全員を動員する「Get Our Dream! わたしたちの世紀に向けて」というイベントが計画されています。グランパスの紅白試合を観戦し、マーチングバンドの演奏を聞き、全員で合唱をするという内容です。こんな押し付けの企画に、何と稲武町の小中学生まで動員するのです。

 

 ・豊田市の小中学生 33112名、 教職員 1780名  計 34892名

  ・東加茂郡の小中学生 2097名、 教職員  259名  計  2356名

  ・西加茂郡の小中学生 7651名、 教職員  353名  計  8004名

  ・稲武町の小中学生   322名、 教職員   26名  計   348名

  ・合計          43182名       2418名     45600名

 

無理やり動員して 喜びや感動が与えられるのか

 豊田市教委はこの計画の意義を「喜びと感動を大切にする心を育てる」と述べています。しかし、そもそも強制的に集められて「喜びと感動」が得られるとはとうてい考えられません。 また計画では、45000人で合唱を行い、「地域の一員としての自覚と連帯意識を育てる」とも述べています。これにしても、無理やり合唱をさせて「自覚と連帯」など生まれるはずはありません。まったく的外れな企画としか言いようがありません。

危険はないのか。警備体制は万全か?

 先日、兵庫県明石市の花火大会で多数の見物客が押し寄せ、多くの犠牲者が出たことは、記憶に新しいところです。

 このスタジアムオープニングイベントでは4万5000人を9時半〜10時半までの1時間足らずの間に、電車、バス、徒歩で一気に集めることになっています。大半は小学生です。万一の場合にそなえての警備体制は大丈夫なのでしょうか。

 

三河教労は、このイベントの中止を豊田市教委に申し入れました。

 主旨が的外れで、しかも危険が予想されるイベントをそのまま実行させるわけにはいきません。三河教労は、イベントの中止を豊田市教委に強く求めました。