三河教労、豊橋市教委と交渉を行う

 115日(月)三河教労は豊橋市教育委員会と交渉を行いました。今回の交渉は、9月に事前の予備交渉を行い、@教育長が参加すること、A写真撮影とテープによる記録を認めること、B参加人数は制限しないこと、C実のある交渉とするために時間を1時間30分とすることなどを決めて臨んだものでした。この交渉には、畦地委員長ほか三河教労から7名が参加しました。

 2時間以上にわたって論議を尽くす

 交渉は4時に開始し、6時を超えるという長時間にわたったものでしたが、教育長は最後まで参加され、内容も可能な限り論議を尽くしたものとなりました。その中でも、

 @図書館司書の豊橋市独自の配置と小学校で30人以上の学級に講師を派遣することを目指して予算要求をしたこと。

 A日曜日の部活動を全面禁止したこと。

など、豊橋市教育委員会の積極的な姿勢を感じることが

できました。

 三河教労は申し入れ書に基づき勤務の改善、人事の改

善、部活過熱の解消、教育条件と内容の改善などについ

て質問し、要求を行いました。

 

 

細井人事 第4回公開口頭審理

12月21日(金)14:00から 「アイリス愛知」2階コスモスの間にて

        (名古屋市中区三の丸、地下鉄名城線市役所駅から徒歩10分ほど)

  延期されました細井人事・第4回公開口頭審理の日程をお知らせします。ちょう

 ど2学期終業式の日の午後になりましたので、学校関係者にとっては出かけやすい

 日程かと思います。一人でも多くの方にご参加いただき、榊原信義氏(当時、横

 須賀小校長、現一色中校長)と鈴木一雄氏(当時、西三河教育事務所主事、現白浜

 小校長)の証人喚問を実現させたいと思っています。よろしくお願いします。

 

 

  子どもと教職員の人権を守る三河教労

三河教職員労働組合(三河教労)

未来を拓く

編集・発行責任者 畦地 治

 

101号(2001年12月)

カンパ、機関紙購読料(年間3000円)は【郵便振込00800-4-79130三河教労】へ




10・24豊田スタジアム記念事業 豊田市の教育に大きな禍根

無意味なイベントに振り回された子どもと教職員

 去る1024日、「1024豊田スタジアム記念事業を考える会」など、多くの父母、教師が反対する中、「豊田スタジアム記念事業」が強行されました。

「はじめに45000人の動員ありき」の記念事業

 そもそも多くの教職員が、この計画について初めて知ったのは今年4月の職員会議以降のことです。しかし、市議会では、3月の予算議会ですでに可決されていたのです。しかも、豊田市及び周辺の全小中学校に関わる一大イベントであるにもかかわらず、現場には一切明らかにされずに企画立案され、議会でも市教委からなんら詳しい報告がないまま通過させています。昨年の秋頃、校長会で話題になったことがあると聞いていますが、現場で職員の意見を聞いた校長はいませんでした。

 こうした経過からも、スタジアムの稼働率、動員実績を伸ばすことを目的とした「はじめに45000人の動員ありき」の強引なトップダウンの計画であったことがうかがわれます。

中止の声に耳を傾けない市教委

テキスト ボックス:  夢も感動もなかった記念事業
 全員合唱では、せっかくの中学生の声が聞こえず、グランパスの紅白戦は本物とはいいがたく、マーチングバンドもバックスタンドでは遠すぎてよく分からなかったというのが実際でした。
 8月の教務主任者会で概要が出され、そのずさんさが明らかになった段階で、「考える会」が結成され、10月には「記念事業の中止」を求める申し入れが提出されました。

 しかし市教委は、子どもの安全面での不安材料が山積みであることや、内容が全く教育的でないことが明らかになっても「45000人動員」に固執しました。

 そして市教委の度重なる計画の手直しの結果、現場に対し、「下見」や余分な打ち合わせなどを押し付けるばかりで何ら有効な手立てが講じられることはありませんでした。ここでも市教委の現場を無視した「トップダウン」の姿勢が浮き彫りになりました。

市教委は、現場や父母の声を聞くべきである

 今回のイベントの最大の教訓は、現場、父母の声を

聞いてこそ、教育行政はスムーズに行われるというこ

とです。多くの父母、職員は、「こんなばかげたことは

二度とやってほしくない」と感想をもらしています。

ある小1の児童はイベントから帰る途中「今日はお弁

当を食べに行っただけだったね。」とつぶやいたそうで

す。市教委は、こうした声こそ真摯に聞くべきです。




8回「愛知の教育を考える集い」が意気高く開催

 1027日、名古屋市で愛教労(愛知県教職員労働組合協議会)の主催により、上記の教育研究集会が行われました。今回は「生きる意味・学ぶ意味をともに探る」をテーマとして掲げ、午前中に記念講演、午後は分科会が持たれました。

共感と知的興奮を覚えるすばらしい記念講演

 講演をしていただいた方は折出健二先生(愛教大、あいち県民教育研究所長)です。氏は初めに、ある少女の自立に向かう物語(自分史に基づく実話)を例に取り上げ、学びの原点は「問い」への応答と学び合いの発見であると説かれました。その少女は、小学校時代、授業が分からず、宿題を忘れると床に正座させられ、給食もその状態で食べるという恐ろしい体罰と屈辱を受け続けました。中学校時代には、勉強も部活もできない自分に情けなくなるだけでなく、親友がみんな離れていき、教師からも相手にされなくなってしまいました。しかし、高校に進学してから、先生に質問したら誠実に答えてもらうことができ、それから問題を解くことが楽しくなり、小中学校時代とは違って、毎日が新鮮で楽しく過ごせるようになったそうです。彼女は、その心境の変化を「教えてくれる先生や友達を見つけられたから」と説明しています。私たちは、彼女の成長が折出氏の主張(学びの原点は「問い」への応答と学び合いの発見である)に見合っていることを認めるとともに、それを可能にした対等平等の人間関係と人権尊重の教育の重要性にも改めて注目しました。

 折出氏の講演は、その後「学校とは、学びつつ共同し、共同しつつ学ぶ空間」「エンパワーする教室と学校を創り出そう」「市場原理の公教育への拡張には徹底批判と阻止の運動を」と続き、「労働条件で闘うとともに、学び合う教職員組合運動へと大いなる脱皮を遂げてほしい。」と私たちに期待を込めて結ばれました。久しぶりに共感と知的興奮を覚えるすばらしい講演であり、私たちの責務の大きさを考えさせられました。

 

○午後は、7つの分科会が開かれました。そのうちの一つについて報告します。

分科会『「非行」や虐待とどう向き合うのか』報告

 Y男が5年生の時、母親が育児放棄に陥り、最低限の衣食住が成り立たない状況がありました。彼はその後、不登校と家出を繰り返すようになったそうです。レポーターは6年生でその子を受け持ち、彼に自分の力で生活することを教え、学級の友達とともに、彼の生活を立て直すことに取り組みました。その結果、彼は委員会活動や部活動をがんばることができるようになったそうです。しかし、中学・高校と進んでいく中で、入所した施設や引き取られた父親とうまくいかず、「非行」の道へと走っていきました。

 この例についての話し合いの中では@子どもの自立を軸に、学級の子どもを巻き込み、家庭生活を立て直していった実践がすばらしい。Aせっかく小学校で自立の方向で育ってきたのに、中学校への引き継ぎがうまく行かなくて残念だ。Bこうした実践が個人の力量の左右されず、学校全体で共通理解を図りながら取り組まれるといいと思う。などの意見が出されました。家庭崩壊が叫ばれる中で、子ども・家庭との向き合い方を考えさせてくれるとても意義深い分科会でした。

 愛教労が総力をあげて調査作成した「2001年版 検証・あいちの学校」を1冊300円でお分けいたします。お近くの三河教労組合員に声をかけてください。




シリーズ『未来を拓く』100号に寄せて NO.2

 

 三河教労の機関紙が100号を迎え、読者の皆さんに「メッセージをお寄せください」と呼びかけました。第2回目は、豊川市の中谷優子さんからのメッセージです。

 

 

 未来を拓く力を育もう。

 広い宇宙と、地球を知ろう。

 地球の歴史、民族、文化、自然を知ろう。

 人類の負の遺産である、戦争、貧困、飢餓、差別を学ぼう。

 山を愛し、海を愛し、木や森や花や、生命あるすべての生物、 地球の財産を学ぼう。

 自分を大切にしよう。

 仲良しこよしにならなくても良いけど、隣の人を理解しよう。

 国の人、男女の性差を超えて、在日の人、障害者、アイヌや琉球の人の立場を理解しよう。

 みんなでいることも大切だけれど、たった一人で生きることをおそれてはいけない。

 一人でも生きられる強さと失敗すること、まちがうこと、泣くこと、弱さも、大切。

 肩の力をぬいて、好きな歌をうたって、楽器に溺れて、貧しいこと、美しいこと、ぜいたくなことも知ろう。

 暮らしの知恵と人の情けと、学問を究めること、想像力と創造力を身につけよう。

 未来を拓く力は、そういう生活の中にありそうな気がするね。                                      豊川市在住 中谷優子

 

 

 中谷さんは、以前から三河教労を応援してくださってみえますし、学習会などにも参加してくださっています。すてきなメッセージをありがとうございました。ますます教員としての責任を感じるとともに、「よし、子どもたちのためにがんばろう。」という気持ちがわいてきました。

 




シリーズ「教科書問題」は今月はお休みです。次号から再開いたします。