三河教労(三河教職員労働組合)

10回定期大会開催される

 三河教労は、第10回定期大会を、安城市の和田米吉市議、刈谷市の山本シモ子市議、西三河南労連事務局長杉浦氏、愛知地区教労の小松氏らを招いて行いました。

 昨年度の運動の総括では、豊田市、豊橋市、岡崎市で交渉を実現し、豊田スタジアム問題、少人数加配問題、障害児教育問題などで、いくつかの要求を実現しました。また、刈谷市、安城市では、交渉は実現しませんでしたが、「交渉する必要はない」という当局のかたくな態度を改める粘り強い取り組みがなされました。

人事は闘ってこそ勝ち取られる 

 人事の取り組みでは、細井人事の取り組みの中で、現役校長である榊原信義氏、元教育事務所指導主事の鈴木一雄氏の証人喚問を実現することができました。さらに、今年度の人事異動で、本人の希望である中学校への異動を勝ち取ることができました。また組合員についても機敏な取り組みを進め、「希望と納得」の人事を実現することができました。

教員の命と健康のために今こそ

 2002年度運動方針については、少人数授業の問題、勤務時間の問題、「指導力不足教員の問題」の「3点セット」を真正面に掲げ、これを組合の存立をかけた闘いと位置づけました。特に、少人数授業では、市教委が「清掃・給食」の時間を少人数授業としてカウントさせないよう指導を強めていること、事務研究時間がなくなっている問題、仕事が実際に回っていかない実態が出されました。また、休職者の数が年々増えていることが指摘され、労安法の問題とも絡めて、取り組みの重要性が議論されました。

 三河教労は、教員の生存そのものを脅かしている勤務の実態を改善すべく今年も大いに闘っていくことを確認しあいました。

 

    新年度の役員

 委員長  畦地 治 豊田市若園小

 副委員長 山本健治 岡崎市梅園小 有冨静枝 刈谷市刈谷東

      稲垣和男 安城市南部小 土井政美 幸田町豊坂小

 書記長  南 正純 豊田市小清水

 

  子どもと教職員の人権を守る三河教労

三河教職員労働組合(三河教労)

未来を拓く

編集・発行責任者 畦地 治

 

107号(2002年6月)

カンパ、機関紙購読料(年間3000円)は【郵便振込00800-4-79130三河教労】へ

国民を戦争に総動員する

有事法制に反対します

<アメリカの引き起こす戦争に日本が参戦>

小泉首相は、「備えあれば憂いなし」として、この有事法制があたかも、日本の非常事態への備えであるように言っています。しかし政府自身が認めるように、今世界で日本に戦争をしかける国はありません。一方で、アメリカは、アフガンへの武力攻撃をしたり、北朝鮮を「ならず者国家」と決め付け、敵視したりしています。有事法制は、こうしたアメリカの引き起こす戦争に日本が参戦するために、国を挙げて「戦争ができる国」にしようとするものです。

<国民に戦争への動員を強制>

法案では、すべての国民に戦争協力の義務があることが明記されています。特に、保有している土地、家屋を差し出すこと、自衛隊の使う物資を保管し、提出すること、医療、輸送、建築、土木などの従事者が、協力すべきことは、欠かすことのできない義務とされています。また、戦争に際して国民の自由と権利に制限が加えられることを宣言しながら、その具体的な中身はあいまいになっています。戦争の拡大によってどうにでもなるようになっているのです。そして、重大なことは、自衛隊による保管命令や立ち入り検査を拒んだ場合、罰則を与えると明記していることです。

<学校も戦争協力の道具に>

こうしたことから、学校の施設・設備がアメリカ軍や自衛隊の宿舎となったり、強制移動をさせられた住民の避難場所とされたりして、教職員がそれに協力させられる事態などが予想されます。

<憲法9条、教育基本法が生かされた日本を>

 私たち三河教労は、日の丸・君が代の国旗・国家の

強制、新ガイドライン法の制定、「作る会」の反動的な

教科書の検定合格等教育の反動化、日本の再軍備化に

強く反対してきました。そして、この「戦争国家」を

つくるための有事法制に反対するとともに、「教え子を

再び戦場に送るな」の伝統を守り、憲法9条、教育基

本法が生かされ、子どもたちの笑顔が輝く学校と社会

を作るためにいっそう運動を強める決意です。

 

6・19細井人事闘争 第6回公開口頭審理 

鈴木一雄氏の証人喚問に参加を

細井先生、今年度の人事で吉良中学校へ異動!

細井先生への不当な人事を撤回させる取り組みが始まって2年が経過します。そして、今回の人事異動で細井先生が吉良中学校へ転任するという貴重な前進がありました。

現役校長の喚問の中での貴重な勝利!

3月の公開口頭審理において榊原校長を証人として喚問したことは、それ自体貴重な前進でした。今回、細井先生が吉良中学校へ異動したことは、5年前の「中学校から小学校へ」という不当な人事そのものを見直しさせた(撤回させた)というべきで、実質的な勝利であると考えます。それは、下記に記すとおりです。

  @ 係争中にもかかわらず、「中学校へ」という要求に基づく異動であること。

  A 5年前の中学校から小学校への不当人事を認め、修正するものであること。

  B 榊原・鈴木両証人を喚問するという中での異動であること。

しかし、今回の異動によって「中学校で英語を教えたい」「通勤時間は、県の教育委員会の異動実施要項以内」という希望や原則に近づけましたが、細井先生の本来の希望は岡崎市への異動です。まだそれがかなえられたわけではありません。

幡豆郡における異常な人事(悪弊)は、依然改善されず

また、この間明らかになったように、幡豆郡においては一部校長などによる異常な人事が行われてきました。それは、「校長会長が、人事に関する校長連絡会(校長面接)を招集していたこと」で明らかです。ご承知のように、「校長会とは任意の団体」であり、教職員の人事に関する重要な会議を招集するなど、あってはならないことです。「校長会長招集」という事実は、学閥や一部校長の「私設人事」が実際に行われていたことを示すものです。

また、榊原校長は公開口頭審理において、依然として「内示まで(異動する人の)名前がわからない」などと述べました。今回、細井先生への打診が3月15日にあったことからしても、3月早々には名前が明らかになっていることは確かです。「内示当日まで分からない」などという言い方の中に「人事は秘密」「打診はしない(希望は尊重されない)」という遅れた人事をこれからも続けようとする姿勢が感じられます。

 また、鈴木管理主事は、通勤時間について何ら考慮せず、「1時間30分を越えてはならない」という県異動方針に違反する異動を行ったのです。そして、異動希望調査書の校長による書き換え「管外を書いたら、管内も」といった詐術的な人事のやり方の存在、そして、校長などによる報復的人事の存在も問題となっています。

 依然、改善されていない異常な人事について改善をはかることが、細井先生だけでなく多くの教職員にとっても重要となっています。

第6回公開口頭審理 6月19日(水)14:00〜 アイリス愛知 コスモスの間

県教委の回答と食い違う

市教委が独自に判断し校長を指導

少人数指導加配のための指導時間に、「給食指導」や「清掃指導」はダメ

 本機関紙で既に報告しましたが、県教委は昨年末1219日の愛教労(愛知県教職員労働組合協議会)との交渉で、少人数指導の加配の基礎となる「増加時間数」についてこう述べています。

 

組 合:「清掃指導給食指導、朝の会、全校集会、各種委員会など、今言ったもの

    は全て[その他]の欄にカウントしてよろしいですか。」

県教委:「そうです。特に帯で取っている時間帯は時間を計算して・・・。」

組 合:「帯で、給食とか、掃除とか、その他の所に書いて、やるということですね。」

  県教委:「そうですね。」

 

豊田市の複数の小学校では、4月の職員会で少人数指導の計画を話し合い、「増加時間数」に清掃指導、給食指導も含めることで計画を作成しました。そして市教委に報告しました。ところが豊田市教委は、5月初めに、「清掃指導や給食指導は、少人数指導の趣旨にそぐわない」として、作成し直しを命じました。

三河教労は5月14日(火)に、「豊田市教委の指導は県教委の回答と違う」と、市教委を訪問し、県教委との交渉記録を示しながら訂正を求めました。その時のやりとりは、要約すると次のようでした。

 

三河教労:「どうして、A小の清掃指導や給食指導を認めなかったのか。」

担当主事:「県教委(財務管理課)や近隣の市教委の様子を聞いて・・・」

三河教労:「県教委は、清掃指導や給食指導はダメだと言ったのか。」

担当主事:「いや、そういうことは言っていない。」

三河教労:「では、豊田市教委が判断したことですね。」

  担当主事:「ええ、清掃指導や給食指導は、少人数指導の趣旨にそぐわないと考え

        判断した。」

 

 A小の場合、市教委の指導で、週9時間が新たに増加されました。県教委がOKと言ったことを、市教委がNOというのはおかしな話です。

 三河教労は、この問題について、今年の1月15日付けで豊田市教委に、「現実的かつ弾力的運用を求める」申入書を提出し、「この問題について2月上旬に話し合いを持っていただきたい。」と要求しましたが、なしのつぶてでした。

 この問題では、校長会も頭を悩ましていると聞いています。それなのに、一番身近な教育行政機関である市教委が、現場の悩みに応えるのではなく、「清掃指導や給食指導は、少人数指導の趣旨にそぐわない」などと形式的・官僚的な見解で指導をしているわけです。