人事問題、常勤講師問題などを訴え

県庁前で座り込み宣伝決行

  今回の「座り込み」は、「愛知地区教労の小松先生に対する一方的な突然の異動を撤回し中学校英語教師に戻せ!」「豊田市の羽田先生の『担任の補充には常勤講師を』という願いを実現せよ!」「幡豆郡の異常な人事を明らかにするために早急に公開口頭審理を開き、鈴木一雄証人を喚問せよ!」の三課題を掲げ、愛知地区教労と三河教労の共同で行いました。参加者は、愛知地区と三河地区から20人ほどになりました。

炎天下で2700枚ものビラ配布

  朝の8:00からビラを出勤者に配り、9:00過ぎに県人事委員会へ申し入れました。そして、炎天下で座り込みを行い、夕方の退庁時には再びビラまきとハンドマイクで現状を訴え、合計2700枚ものビラを配り終えました。

  途中、ホームレスの方との交歓があり、親の激励あり、岡崎市に勤めていたという元教師の激励とカンパもありました。

「療養休暇」から「休職」に追い込まれないために

 特に三河教労の組合員は、連続12時間にも及ぶ座り込みの中で、人事問題とともに、「豊田市立滝脇小に常勤講師をよこせ」という切実な要求を訴え続けました。当該校校長も「常勤を私も要求する」と言っていますが、その姿勢を堅持させることが、実現にこぎつけるためにも重要です。豊田市教委は、「非常勤を担任にしている」という状態が違法であることも認めています。しかしその一方で、「安上がりの教育」に対する反省がなく、教職員の健康を一向に配慮しないという姿勢です。
 このまま「非常勤講師を派遣」という状態が続くならば、現在、「療養休暇」をとってみえる羽田先生は、「休職することも視野に入れて考えなくてはならない」と言います。自身の健康・命を守るため、また、5.6年生の子どもらの教育条件を保障するためにも、そうせざるを得ないということです。豊田市における「担任の補充には常勤教師をよこせ」は、重要な闘いになっています。

 

子どもと教職員の人権を守る三河教労

三河教職員労働組合(三河教労)

未来を拓く

発行責任者:畦地 治

 

HP http://www.tcp-ip.or.jp/~shun-h/ 

110号(2002年9月)

カンパ、機関紙購読料(年間3000円)は【郵便振込00800-4-79130三河教労】へ



常勤講師派遣の願いを踏みにじる

  豊田市教委の責任は重大 

常勤講師を希望するという

         校長の意向が、県教委に届いていない

 療養休暇に入った担任の代替教員が、常勤ではなく非常勤講師であった豊田市の滝脇小学校の問題で、豊田市教育委員会は、2学期からは常勤講師を希望するという校長の意向を、県教委にまったく伝えていなかったことが明らかになりました。

 その小学校では7月中、非常勤講師を「担任」にしました。そして、週24時間の契約なのに、5校時後の帰りの会まで、週30時間ほど勤務させました。懇談会の日には5時ごろまでの勤務になりました。

担任としたものの、非常勤では野外学習の引率はさせることは出来ず、他の担任と交代させました。懇談会の席で保護者から、修学旅行は担任に引率してもらいたいとの要望が出されました。

三河教労は7月19日、学校を訪問して校長に、児童と保護者が安心できるようにするために、また、小規模校でもあり他の教職員への過重な負担を軽減するためにも、2学期からは常勤の派遣を市教委に要請するように要望しました。

 校長は、話し合いの冒頭から「こういう学校の現状だから、9月からは常勤講師を強くお願いするつもりだ」と答えました。

そして校長は、実際に8月5日市教委に出向き、「常勤」の要請をしました。

 ところが、市教委は、そうした校長の要請があったにもかかわらず、そのことをなんら県に伝えることもせずに、その場で「県の制度上、非常勤しかできない」と、冷たい言葉で突っぱねました。

判断するのは県教委、

   校長の意向を伝え、常勤を要請するのが市教委の責任

 代替教員を常勤にするか非常勤にするかを判断するのは県教委ですが、どういう場合に常勤か非常勤かは法律や条例で定まっていません。そこで、現場の校長がどう言っているのかをとても気にしています。三河教労は8月8日に豊田市教委を訪問し、「校長の意向を的確に県教委に伝え、市教委としても実現するように要請して欲しい」と要求しました。それに対して担当主事は一時は「伝える」と答えましたが、突如話の途中から「校長ははっきりと要請しなかった」などと言い出し、「県に伝えるかどうか検討する」としか答えませんでした。

 


 刈谷市教委は、教育長・教育課長出席のもと

交 渉 に 応 じ よ!

 

 刈谷市教委は三河教労が愛知県に登録している団体であることを盾に「三河教労との交渉には応じない。話し合いなら応ずるが、対応は指導主事が行う。」という態度をとり続けてきました。しかし、県教委は昨年度「三河教労との交渉に応ずる用意があるが、刈谷市独自の問題は分からないので、刈谷市教委と話をしてほしい」、「責任ある立場の人が対応するように連絡しておく。」と言っています。

市議会で「団体交渉は尊重」と認めるものの

かたくなな態度は依然変えず

  今年6月の市議会で「刈谷市教委のかたくなな態度は問題がある。働く者の団体交渉権を侵害するのか。」との山本議員の追及に対して、刈谷市教委は「団体交渉権は尊重する」と言わざるをえませんでしたが、具体的には今までのかたくなな態度を固持し、「話し合いで、指導主事が対応する」とする態度を変えようとはしていません。

「話し合いなら指導主事で十分」という態度は

教育行政の責任ある態度といえるのか

  昨年度、私たちは刈谷市教委の頑固な姿勢を厳しく批判しながらも、教育問題の解決のために、指導主事と「話し合い」を持ちました。その結果は「その問題に関しては、後日教育課長と検討して…」「課長の意見を聞きまして…」といった無責任な答弁に終始しました。これが、責任ある立場の教育長・教育課長が欠席した「話し合い」の実態でした。

 「話し合いなら指導主事で十分」という態度には、いろんな立場の人の意見を聞こうという度量の広さも、教育行政としての誠意も感じることができませんでした。

岡崎・豊田・豊橋の各市教委は、毎年きちんと交渉に応じ、

教育長・教育課長が出席するなど、誠意ある対応

  同じ立場にある三河部の他市では、岡崎・豊田・豊橋の各市教委が教育長・教育課長出席のもと、ここ何年も、三河教労との交渉に応じています。

  いろんな申し入れに行っても気軽に教育課長が対応し、率直に意見の交換を行っています。何度足を運んでも教育長・教育課長がその姿すら見せない刈谷市とは大きな違いです。

   私たち三河教職員労働組合は、刈谷市教委が教育行政の責任ある立場にふさわしい誠意ある態度をとり、教育長・教育課長出席のもと交渉に応ずるよう強く要求します。

 


 シリーズ「教科書問題」NO.10   

愛媛県から全国展開をもくろむ

    「新しい歴史教科書をつくる会」

昨年度、愛媛県の聾学校、養護学校で採択された

 2001年8月、愛媛県教委は県立聾学校、養護学校の一部(中学部)で「新しい歴史教科書」(扶桑社)の採択を決定しました。この決定に対し「断じて認められない」と考える市民グループが連携し、全国的な支援も受けながら、採択の撤回と再審議を求める署名活動が展開されました。しかし、320日の県教委定例会において「採択撤回・再審議の必要なし」との結論が、たった4、5分ほどで出されました。「初めに答えありき」のまったく形式的な審議でした。

今年度、県立の中高一貫校でせめぎ合い 

今年度愛媛県では、来春開校する中高一貫型の県立中学校3校(定員480名)で使う歴史教科書の採択をめぐり激しいせめぎ合いが起きました。県内のすべての中学校では、これまで東京書籍の歴史教科書が使われてきました。これを「ワースト3の一つ」と名指しする人々が「新しい歴史教科書」(扶桑社)を強く推薦しました。

採択をめぐる世論づくり 

「つくる会」では、これを突破口にして次回の県内市町村立中学校や全国の公立中学校の教科書採択で一挙に採択数を拡大する意気込みを示しました。藤岡信勝氏をはじめとする幹部が県内に常駐し、毎週1回の大宣伝行動を組織しました。およそ150人のカルト集団なみによく訓練された人々が署名集めや全戸配布などの活動を行いました。現地の「愛媛の『つくる会』教科書採択撤回を求める意見広告を出す会」の代表の話では、運動員は全国からかき集め、一回の配布でおよそ16万戸に宣伝物を届けていたそうです。また、タウン誌も利用し、ソフトな語り口で主婦層にも浸透を図っていきました。

知事が教科書採択に政治介入 

実はこの採択をめぐって、元文部官僚であった加戸愛媛県知事が「中高一貫校での『つくる会』歴史教科書の採択が『県政の最大課題である。』」との発言をし、吉野内県教育長もその影響を受けたことを認めています。(教育基本法第10条違反)

 県の教科用図書選定審議会が作成した資料では、検定合格8社の教科書のうち、東京書籍版の評価が最も高く、扶桑社版の評価は1ランク下の内容でした。それにも関わらず、教育長がつくる議案がそのまま県教委の決定となり「つくる会」教科書が採択されてしまいました。(教育長は、知事によって任命されます。知事が任命権を悪用して不当な圧力をかけていたことが推測されます。)

 「つくる会」は全国で都道府県支部を結成して、それぞれ常時活動を続けています。いつどこでも高くアンテナを張って、彼らの危険な動きを見過ごさないようにしましょう。