2006年1月22日、名古屋の労働会館にて、トヨタに新しい労働組合が結成されました。
自動車会社であるトヨタは、世界的な企業であり、莫大な設けを誇っていますが、それは「カンバン方式」という徹底した下請けいじめと臨時の不安定な労働者を大量に雇用し、首を切るというやり方、大もうけにもかかわらず極端な低賃金の温存というという労働者泣かせの体制によって「莫大な利益」を上げてきたのです。
そんな職場では、働く者の権利も、命も、人権も守られないのです。
ここに、トヨタ本社、アイシンなど関連する会社などを網羅して本当に働く者を守る組合が結成されたのです。
私たちは、このトヨタの労働者に連帯し、新しい組合とともに、働く者の権利を守って共同の闘いを取り組むことを決意しています。
新しい組合は、「全国に10万のサポーターを!」と訴えています。
多くのみなさんが、この組合のサポーターになり、ともに人間らしい職場作りのために協力されるよう訴え、また、私たちはその先頭に立つことを近います。
(愛教労、三河教労の代表のあいさつ)
「 みなさんも、新しい組合へ!」
新しい組合の旗
(参加者の声)
「トヨタのすさまじい労務管理に驚いた。それに「昼間の働きだけでは家族を養えないなんて。本当に驚いた。組合のみなさんは、ぜひがんばってほしい。」
「30年や40年も勤めて、紅白のまんじゅうや6万円ほどとは。労働者をバカにしていると思った。」
「若い人を臨時で雇い、徹底して働かせるなんて。本当にこの国の未来を考えているんだろうかと思った。」
「組合というのは大きいだけではだめ。本当に働く者のために動くかどうかだ。新しい組合は、1人の労働者を守る、守ることができるというところを見せてほしい。」
新組合の役員のみなさん
新しい組合は、明日会社に組合登録をつげ、組合員は団体交渉を呼びかけるとのことでした。
会社の対応によっては、提訴も辞さないとのこと。弁護士のみなさんも参加し、手弁当で支援する「輪」ができつつあります。
がんばれ!全トヨタ労働組合!
2006年1月22日、全トヨタ労働組合結成!
トップページへもどります。
寄せられた言葉
おめでとうございます。
「組合結成、本当におめでとうございます。
さわやかな感動と驚きをもってこのニュースをお聞きしました。参加される組合員のみなさんの決意は、いかばかりでしょう。しかし、結成されたからには、前を見て、果敢に前進されることを期待しています。」
1月23日 (三河)
歴史的な第一歩!
「日本の労働運動の中で、困難を克服して組合結成を成し遂げた「全トヨタ労働組合」の存在は、はかりしれない大きな意味・価値があるかと思います。その結成、存在そのものが、値打ちがあるものだと思います。そこに労働者がいるかぎり労働組合を結成して、使用者と対等に交渉してよいのだという、世界の労働運動の大原則にのっとった労働組合が世界的大企業トヨタにできたことが、私も一人の労働者として喜びたい第一のことです。
歴史的な結成の場に駆けつけることができたこと。その日、その時に愛教労から連帯の挨拶ができたこと、これがまたすばらしいことだと思います。全トヨタ労働組合の前途に幸あれ、と願わずにいられません。 1月23日 (名古屋)
全トヨタ労働組合結成宣言
トヨタ関連企業で働くすべての労働者のみなさん!
私たちは本日ここに新しい組合、『全トヨタ労働組合』(略称全卜・ユニオン)を結成しました。
○私たちは日本国憲法や労働組合法などにも明記されている労働者の団結権、団体交渉権、
団体行動権を行使して、全てのトヨタ関連企業で働く労働者とその家族をも含めた生活と権利、健康を守り社会的地位の向上をめざします。
○この組合は要求と自覚的意志にもとづき正規・非正規社員を問わずパート、期間、嘱託、管理職、派遣など全てのトヨタ関連企業で働く労働者が一人でも加入できる個人加盟の単一組織です。
○トヨタ系関連企業には既存の労働組合があるのになぜ『新しい労働組合』が必要なのでしょうか? 今の労働組合は『働く者の生活と権利』を守ることや、困っている労働者を救済するどころか、会社と一体となって労働者を過酷な『長時間過密労働』に駆り立てています。しかも70年代以降、労働者の声を無視して法律違反の『サービス残業』を長期間職場に放置してきました。職場の仲間が、疲労困ぱいでも働き続けなければならず『過労死』や『自殺者』まででています。ストレスやうつ病などから健康を壊して安心して働き続けられない労働者も数多くいます。そして『こんな組合とは関わりたくない』と言う労働者も多数います。このように今の、労働組合は組合員の声に耳を傾けるよりも、労使協調して会社の儲けのために熱心に活動しています。
○私たちは、トヨタ系関連企業に『働くルール』を守らせ、『働く者の生活と権利を守る』ことに真剣に取り組む『本当の労働組合』が求められていることを痛切に感じています。
○中小・零細で働く皆さんはトヨタ大手企業の半分も満たない低賃金、或いは賃金未払い、長時間労働が当たり前、健康破壊、残業手当が付かない、いつ仕事がなくなるか、リストラの不安、有給休暇がとれないなどなど、劣悪な労働環境で働いています。
○派遣社員や期間従業員などの非正規労働者の皆さんは低賃金に加えて、いろいろな労働条件、待遇面で正規労働者より悪い条件で働かされています。そして仕事がなくなれば解雇されるという雇用不安がいつもあります。
○若者の就職難は深刻です。派遣、期間従業員などの仕事しかない状況で、低賃金で結婚もできない生活です。
○労働者の過酷な労働の反面、トヨタは急速な海外展開、グローバル化で業績は空前の利益を謳歌しています。トヨタは今年のグループ世界生産台数を昨年より80万台多い906万台に設定し、米GMを追い抜き『世界一』になることがほぼ確実となっています。トヨタは国内外で増産を加速させ、トヨタグループ系列部品メーカーも『かつて経験したことのないスピード』と必死の増産対応を迫られています。こうしてトヨタは2年連続1兆円越える経常利益をあげて、系列グループ会社も軒並み過去最高の利益を計上しています。トヨタとトヨタグループ系列部品メーカーが空前の利益をあげているのに、豊田市では資本金一千万円に満たない中小零細事業者4700社あまりの約7割が『赤字』で法人税を納めることができないという深刻な状況になっている。中小零細事 業者の経営を守らなければなりません。
○これらの利益はトヨタに関係する全ての労働者が懸命に働きつづけてきた結果です。その働き方は先に述べたように命を削って働かざるをえないほど過酷なものです。こんなにトヨタは儲かっているのに、なぜ私たち労働者は健康で、ゆとりある、人間らしく生活できないのでしょうか?
○私たちは、皆さんとカを合わせて行動すればこれらの問題を大きく解決できると考えています。ですから1年余の真剣な討議と慎重な準備期間を経てここに『全トヨタ労働組合』の結成を決断しました。
○私たちの『全トヨタ労働組合は『働く者の生活と権利を守る』ことに真剣に取り組む『本当の労働組合』であり、ここに加入していれば会社の言いなりで我慢していることなく、要求をもって団結して交渉することで実現できます。
○トヨタ関連企業で働くすべての労働者のみなさん!管理職の皆さん、職場で困っているみなさん!『全トヨタ労働組合』に声をかけてください。
私たちは労働組合を自由に選ぶ権利があります。新しい労働組合に加入した労働者は『ユニオンショップ制度』だからといって既存の労働組合を脱退しても会社を解雇されることはありません。既に最高裁が判決を下しています。(92年4月28日、全日本造船機械労働組合関東地方協議会 いすゞ自動車分会)
また必ずしも既存の労働組合を脱退する必要もありません。
労働者のことを真剣に考えてくれる労働組合の仲間になって、要求をもって堂々と会社と団体交渉し、生活と権利を守るために共に行動しましょう。
○私たちの『全トヨタ労働組合』は、少数の組合員でスタートしますが既存の労働組合では決して、できない『ひとりひとりの要求実現のため』取組みます。又企業に法律を遵守させ、社会的責任を果たさせることができると確信しています。そしてこの地域の労働者と市民の皆さんの期待に応えるために活動します。
○私たちは人間らしく健康で安心して働ける職場と、家族団らんの生活ができるように取組むことを申しあげて結成宣言とします。
2006年1月22日 『全トヨタ労働組合』結成大会
組合結成後、いろいろな話が伝わっていますが、以下に書いていきます。
○新しい組合の登録が行われました。
○団体交渉行われる!会社側は不当にも、組合の要求を認めようとはしませんが、「団体交渉が行われたこと。働く者の生の声が届けられたことがすばらしい。
○裁判が提訴されました。「いじめ労務管理」「長時間労働」に対して、提訴が。(詳報はおって)
○組合が要求していた「長時間勤務」を会社側が認めた!そして、「処分もおこなわれた!」とのこと。(詳報はおって)
○給与交渉で、組合側が要求した額以上を支給。そして、不当な「差別査定」が行われなかった可能性も。
「ブラックボックスのような差別給与システム」の実態はわかりませんが、組合員の給与にそれを行わせなかったことは重要だと思います。(詳報はおって)
なんだい。
もっとくわしくおしえてよ!
というおしかりの声が聞こえてきそうですが。わたしも、知りたいのです。
特に、長時間勤務を認めたこと!そして、処分者まで出したことを。