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あるじの独り言 |
写真; 工房の旋盤でオノオレカンバを切削加工しているところ |
物を売るということは、お客様に商品を直に手に取ってもらい、自分の手になじむか、色や形、感触はどうか、音はどうかなど確かめてもらい、
気に入ってもらったら買っていただく、ということだと思っています。
したがってネットショップの様な通販はあまり好ましい方法ではないと思っています。
しかし、より多くの人に「風の音」の商品を知ってもらい、遠方の人にも手に入れてもらうためには必要悪と考え始めました。
そこで楽工房「風の音」ではお客様に納得のいくお買い物をしていただくために、お客様とコンタクトをとる方法といたしました。
したがってショッピングカートはありません。
まずどんな商品をご希望かのメールを送り付けください。
お客様とのメールのやり取りの中で最終的な商品を決定いたします。
面倒だから「コンタクト不要」といわれる方はその旨メールください。
ダイレクトに発送いたします。
このネットショップをご利用していただくと共に、できることなら楽工房「風の音」にも是非足を運んで、実際の物を見ていただきます様お願い申し上げます。
山里の廃校や四季折々の自然も、あなたをお待ちしております。
店主のわがままをお許しください。
「美しい楽器からしか、美しい音は生まれない」をモットーに製作を続けて行こうと思っています。
ただし、美しいだけでは、美しい音は生まれないし、どんな楽器でも、素晴らしい演奏家は美しい音を生む、というのも真実ですね。
まだまだ、先は永い。
楽工房”風の音”では、ギャラリー展示用以外には、あまり在庫を持っていません。
それは、できるだけお客様の喜ぶお顔を想像しながら作るのが好きだからです。
また、去年より今年の方が進化しているはずだ、という理由もあります。 (2013.07)
風の音の楽器達は、間違っても床の間なんかに置かないでください。
どんなに高価な楽器でも、楽器は音を出して何ぼのものです。
楽器よりも、楽器を使って音を奏でる人、音を通して表現される演奏者の魂、そしてそれを聴く人のハート、
それが一番大事なものだと思います。
楽器はそれをお手伝いするだけの道具にすぎません。 (2013.07)
風の音のケーナはここが違う
風の音のケーナの秘密をお話ししましょう。秘密と言っても、ただ宣伝しなかっただけで、別に隠していた訳ではありません。
今までのケーナ作りで、良いと思ったことは何でも取り入れているだけのことですが、もう先も長くないこの歳では、公表することが、どなたかのお役にたてるかも知れないと思い・・・・
1
極端を避け、中間的なベストの寸法、形状を探し出す。
歌口の形や寸法は大き過ぎず、小さ過ぎず、管の内径や外径もおおむね平均的にし、音孔も日本人に合った寸法を音の特性とも相談して決めています。
したがって、逸品と呼ばれる様な芸術品を作ることを目的としてはおらず、誰にでも喜んでもらえる普通のケーナを丹精込めて作っています。
2
アンダーカット、ショルダーカットを音孔に施す。
アンダーカットとは音孔の内部の角を少し削ることです。
ショルダーカットとは表側の角を少し削ることです。このことにより音色は格段の向上をします。
私の様な音痴な人間でも明らかに違いが分かる位ですので、これはやる価値があります。
3
音孔の内側を末広がりにする。
これは程々のケーナなら大抵やっていますが、音孔の内側を奥に広がる様にテーパ状に削ります。
これも音色を向上させる効果があります。
4
上から2番目の孔は1番上の孔よりほんの少し小さくする。(0.5mm)
これは都市伝説かも知れませんが、良いと言われることは何でもやります。
3オクターブの音が出やすくなると言われています。
5
歌口のナイフエッジは極端に鋭くしない。
これは経験とリコーダーなどの資料からですが、ナイフエッジは少々鈍っている方が音が出やすい様です。
ピンピンに尖らせると安定した音が出ません。
歌口をピンピカに磨き上げるのも良くありません。
ペーパーで言うと#240位で仕上げた方が良いと思います。ですので歌口に塗装などはしておりません。
6
尻孔の内部は奥広がりのテーパにする
これは良く鳴る輸入品ケーナを調べたら尻孔が奥広がりのテーパになっていたので真似してみました。
3オクターブの音が出易くなる効果があるかも知れません。
7
G管の内径は18.5mm
内径を色々変えて試作をしてみた結果、19mmを超えると3オクターブの音が出難くなります。
それで18.5mmを標準に決めました。
有名な作者の輸入品ケーナは外径が太くても内径は全て19mm以下でした。
8
できるだけ尖った部分や角の部分は作らない。
これは会社勤めの時の経験からですが、面取りをしない角の部分は寄生振動という周波数の高い不要な共鳴があり、楽器にとってはノイズの発生につながります。
これをノイズと言うか、音色と言うかは意見が分かれるところでしょうが、予定している数倍の高い音はやはりノイズと考えて良いでしょう。
振動試験機などの設計おいては、すべてのエッジは大きめの面取りをしないと、ぴん角から寄生振動が発生し、時には試験機の破壊にまで至ることがあるということを経験しました。
楽器においても、当然ピン角からの不要な高音ノイズの発生は考えられるので、すべてできるだけ滑らかな面取りをする様に心掛けています。
9
頭部の管端面は水平でなく、後ろを2度位下げる
これは音には影響しないかも知れませんが、ほんのわずか頭部の後ろを下げると吹き易くなります。
見た目には分からない程度です。逆さに立てて見た場合わずかに傾斜しているかなと思う程度です。
あまり気にしないでください。
以上ですが、何かのお役に立てて頂ければ幸いです。
伊藤 修
工房: 愛知県豊田市松平町赤原32
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