イプサムの足交換のページ


初代イプサム(SXM10G)の足回り交換を記録しました。(夜間の作業が多くなり、結果的に画像が少なくなりました) 巷には、こういうことを自分でするイプーユーザはいないのか、WEB上を彷徨いましたが見つかりませんでした。もし、挑戦される方がいらっしゃるようなら、参考になさってください。(当然自己責任でお願いします。当方では責任をお持ちできませんので。) SSTは特に必要ありませんが、スプリングコンプレッサーは必需品です。もし今から購入するなら、一本腕のいいやつを買いましょう。2本のボルトを締めこんでいく物は、第1にしんどい、第2にかける場所がない、等デメリットが大きいです。(当方、130Zの足交換の際に部品と共に2980円で購入。(笑)学生にはちょうどいい??) フロントのサスペンションロックナットとリアショック下端のラバーブッシュは再使用不可品ですので共販で取り寄せときましょう。 あと、フロントショックのバンプラバー(ASSY)は、へたっている可能性大です。当方の8年式では、ぼろぼろに劣化した上にまっぷたつに裂けてました。新品を準備していなかったため、それを再使用しましたが、あれじゃぁ全く意味無し、残念無念。

まず、お約束の使用前使用後写真を。

イプサム足交換前全景

ホイール以外全くのノーマルですな。ホイールは、ザウバーのユーロスポーツ17インチ。7Jのオフセット+45。タイヤは、PilleriのP7000。215/40-17。(←45だと外径が大きくなり過ぎる)


車高、高いです。このクリアランス…。金属チェーンでも何でも来いですな。



リアは、ジャッキや工具一式が乗っているため、いい感じに“シャコタン”。無積載でこれを目指します。(写真の意味無し?) 乗り心地は、一言でいえばふわふわ。ロール大。「逆に、内臓が揺れて気持ち悪くなる」らしい。(嫁談、おそらくST−202のED、セリカと比較)

例によってヤフオクで購入したばねは、デイトナの買タ(シグマベータ)。価格は6000円ほど。新品時は乗り心地保証なるものがつくらしい。(他のダウンサスからの乗り換え時に限り、乗り心地が気に入らんときは返品可(!)とのこと)ダウン量は“チョロっと”。さてさて、どんなもんでしょう?




使用工具は、ジャッキ、ウマ2個、前述のスプリングコンプレッサー(以下、バネコン)、ラチェット、トルクレンチ(QLレンチ)、メガネレンチ等。チラッと写っているクリアファイルには、整備要領書の該当部分が7枚ほどコピーして入れてあります。
# 足回り、ブレーキなど、「命に関わる整備」をする時には規定トルク等の管理をきっちり行う必要があります。ですので、整備要領書などで必要なデータは確認しましょう。イプサムに関しては、これ以上遊ぶつもりは有りませんので、整備要領書は手に入れていませんが、ZやEDについては探しました。配線図などは、必須。トヨタ車については豊田市立図書館(参合館)で、閲覧&コピーできます。ディーラーのサービスの人と仲良くなっておくのも、非常にいい手だと思います。

作業手順は
フロント
1.ブレーキホース、スピードセンサ、ブレーキリザーブタンクを取り外す
2.ロックボルトを緩める(はずさない)←今回はここで行わずに、別の手を。
3.サスペンションとロアアームを切り離す
4.サスペンションサポートを緩め、サスペンションASSYを取り外す
5.サスペンションASSYの分解、ばねの交換、組み付け
6.取り外し手順と逆に組み付け
リア 
1.トーションビーム下端をジャッキアップし、サスペンションと切り離す。
2.ばねを外す。
3.ばねを入れる。
4.トーションビーム下端をジャッキアップし、サスペンションと組み付け。

と、簡単に言うとこんな感じ。 作業時間は、トラブルが無ければフロント3時間、リア2時間といったところでしょうか?


では、作業開始。 当然、タイヤは外します。持ち上げる前に、ハブナットを緩めておきましょう。基本ですな。 あと、ばねには上下が必ずあります。どの向きにどういうばねの断面が組み付いていたのか、確認して覚えておきましょう。逆に組むと、死にはしませんが、異音が発生します。

まずは、フロントから。フロントは、一本ずつの作業になりますね。

  

まず、スピードセンサとブレーキホースをサスペンションからはずします。スピードセンサは2ヶ所、ブレーキホースは1ヶ所のボルトを取ればはずせます。ブレーキホースの先はキャリパにささったままでいいです。



右側のみ、ブレーキフールドのリザーバタンクがありますので、外します。ボルト2個を外して、カプラも抜いて、邪魔にならないところに水平移動しておきます。 見ての通り、ロックナットに工具をかけるスペースがありませんのでやむを得ず、後回しにします。オフセットの大きな19mmのメガネがあるなら、ここで必ず緩めておきましょう。(外さないこと)



サスペンション下端の、ロアアームと固定している部分を外します。ぶっといボルトが2本あるのですぐわかります。(写真では21mmのコマがついてます)これを、緩める。あとはディスクごと持ち上げるようにすれば、ボルトが抜けて、ロアアームが下に落とせます。(当然固着している場合もあります。そのときは、、、、頑張って。)

 

サスペンションサポートの3本のナットを緩めます。スペースは無いので、メガネ(14mm)ですな。若干サスペンションASSYを持ち上げ気味にすると、緩めやすいはずです。一番はずしやすい、前方のナットは最後にはずします。はずすとASSYが落ちますので、支えましょう。
これで、取れました。




で、さっき後回しにしたロックナットをはずしにかかります。写真のようにバネコンをトップスタッドボルトにのかけて(いためないように、工具にガムテープを巻きましょう)、足で踏んづけながら緩めます。(まだ外さない)



今度は、ばねにバネコンをかけて縮めた上で、ロックナットを外し、サスペンションASSYを分解します。ベアリングが一個ありますので、気をつけましょう。ショック不可、ゴミ不可です。また、組みつけ順を覚えておきましょう。 このとおりバラバラです。



さて、旧ばねから新ばねにバネコンを付け替えて、縮めます。十分縮めたら組付けです。アッパーシートは△OUTが車体外向きになるように組みます。ベアリングは赤いマークが上です。そして、ロックナット(新品)を仮組みします。 さてここで、上記分解時と同じ方法でロックナットを規定トルク(40N)で締めこんじゃいます。締め込んだ後、アッパーシートの向きが上の通りであることを確認します。(そうなるように閉めましょう) また、サスペンションサポートボルトは前方に一本来るようにします。(手でねじれます) 下から、差し込んで、サポートナットをかけます。一人でやるときは、根性の見せ所が、ここ。一本かけちゃえば、一番を奥の一本にナットを掛け直して、サスペンションサポート#2と呼ばれる2つ穴の板をはさんだ上で、前方の2本を掛ける。そして、規定トルク(100N)で締める。 #スペースの関係上、奥の2本にはQLレンチは掛けられませんでした。手ルクレンチでしめます。



さて仕上げ。ロアアームと組み付け。例によって、ディスクごと持ち上げる感じにすればボルトは“すこっ”と入ります。規定トルク(100N)で締めて完了。 外しておいた、ブレーキリザーバタンク、ブレーキホース、スピードセンサを取り付け、タイヤを組めば、完了。左右、頑張ってやりましょう。


さてリアは、フロントと違って、一気に左右同時にやります。 初代イプサムのFF車(SXMG−10)は、ごらんの通り独立懸架ではありません。ふっとい中間ビームが存在し、固定の中心からアームの真中にばねが、後端にショックがついています。この後端のショック固定部分を左右共に切り離してやると、べろーんと中間ビームがフリーになり(下に落ちます)ばねが外せるという訳です。(左右別々にやると、ばねを縮める必要があり、大変です。掛ける場所ないし。。。経験談) まず、車両後部をジャッキアップし、ウマをかけます。(場所がないので要工夫。ジャッキで持ち上げたまま下の潜るのは、絶対に止めましょう。)



ここで、ばねの下端のお皿に木片を介してジャッキを当てて、ばねをめいいっぱい縮めます。(この状態で、バネコンをかけるのも手です。)十分縮まったところで、ショックを外します。(写真左端に写っているボルトを外すだけで、以外に簡単に外れます。)サスペンショントップのロックナットは、緩めるように整備要領書には有りましたが、ダブルナットが緩まず、めんどくさくなりそのまま作業しました。ラバーブッシュのおかげで、ある程度の自由度があるため、無理に緩める必要はなさそうですが、気になる人はリアのラゲージ側面にあるサービスホール(ふたあり)から、緩めてください。(バイス等で軸をはさんで下のナットをうすいスパナで固定し、上のナットを緩めればOK。) ジャッキを下ろせば、ビームはショックよりも下に下りるはずです。 左右共にショック下端が外れれば、中間ビームがべろーんと下に落ちて、ばねが取れます。(おそらくバネコンは不要?純正のばねは長いので、取れない場合は無理せずにバネコンをかけて縮めてください)



こんな感じにしかかからない。。。要工夫。





ばねを組み付けるときもバネコンは必要無し。なんせ、一巻き分ほど純正に比べて短いですから。ただ、ばね上下のラバーシートが取れてしまうので、ビニールテープ等でばねに固定しておきます。受け皿のへこみに、ばねの端がぴったり合っている事を確認しましょう。
バネが入ったら、 一本ずつばねの受け皿にジャッキをかけて持ち上げて、ショックにビームを組み付けます。この時、ショック下端に取り付けられているラバーブッシュを交換します。上の写真のショックに付いているのが、古いほう。ビームの軸についているのが、新品。ショックの穴には入りにくいので、石鹸水なんかで濡らしてねじ込みます。(田原工場ではウォッシャー液の原液を使ってました。) 規定トルク(30N)で締めたら、完了。

タイヤをつけたら、終了ですな。

こんな感じです。

見た目はあんまりわからへん? 乗り心地は、ふわふわ感は解消され、きもーち固くなりました。ショックは純正のままのためっていうのが効いているのでしょうか?


さて、お約束の使用後。
後期用の純正リップ(ちょっと色違い)とキャリアなんかが付いてますが、落ち着くと車高はこんな感じです。いかが?



検索用キーワード イプサム SXM10 初代イプサム ばね交換 バネ交換 足回り交換 足交換