島原〜有田〜唐津 2013年4月
2日目 島原→ 有田
5:30起床。今日は長距離走行のため、早め早めに行動しないと。民宿の素朴な朝食をいただく。もちろんごはんをおかわりしてエネルギーを蓄積。派手な食材は無いけれど、こうした心のこもった食事が沁みるのです。
昨夜楽しく話して仲良くなった中国人カップルが、自転車を見たいというので、荷づくりを見せました。彼らも自転車が好きだそうです。今日は特に予定を入れておらず、海を見に行くとのこと。彼らに見送られて出発しました。
雲仙を臨む
島原街道沿いの物産館
国道251号はそこそこ交通量があって少々走りにくいですが、南風を受けながら有明海沿いを快調に進み、物産館で最初の休憩。
ここから諫早湾干拓堤防道路へ。なぜかここだけ羽虫が多く、ビシビシ顔に当たります。口に入らないことを願いつつ先へ進みました。以前、マスメディアでも盛んに報じられた干拓事業ですが、昨夜泊まった民宿の大将の話では、もはや有明海の水産資源は穫り尽くされており、稚魚を放流しているほど。干拓事業が水産業に与える打撃は、報道されているほどではないという。
やはりこうして現地に来て、自らの目で見てみないとわからない。いや、私にわかったことなどほとんど無い。ほぼ満潮時の諫早湾が、堤防の外と内とで、明らかに海の色が違うことぐらいしか、わかりません。
干拓事業が必要なのかどうか、よそ者の私が意見する資格など無いですし、全国的に見れば、近代以後、日本人は各地で干拓を行い、自然を造り変えてきたのですし。
諫早湾干拓堤防道路
人工建造物が異質に見えます
堤防道路を走り終え、再び有明海沿いに国道を北上していきます。小長井のコンビニで休止。気温が上がってきて、多少体力を消耗します。モナカアイスとカロリ-メイトを補給しておきました。サイクリストの動力源はカロリー。こうした旅では意識してカロリーを摂取しなくては。
コンビニで休憩
エネルギー補給は大事
国道207号に入っても相変わらず交通量が多めで、路肩は走りにくい。しかも小刻みなUP-DOWNを繰り返すように。
でも、グチを言わずに淡々と進んでいくと、車列が途切れたときに、無数の鳥のさえずりに交じってウグイスの鳴き声が聞こえて、なんだか元気が出る気がします。
サギが羽を休めていました
カキ焼き小屋が並ぶ有明海沿線
しかし暑い。ここ国道207号は竹崎カキを焼く小屋が並び「たらカキ焼海道」と呼ばれるそうですが、さすがにシーズンも終盤。オートバイならともかく、自転車で汗まみれになっているところへ、カキ焼きの炭火はよけいに体力を消耗させる原因になりかねません。
道の駅太良
海鮮ちゃんぽん
太良町役場を過ぎてしばらく走り、賑やかな道の駅太良に到着。既に長崎県から佐賀県へ入ってしまっていましたが、せっかくなので海鮮ちゃんぽんを昼食に。これが大ボリュームで、まだ朝食を消化しきれていない気がしましたが、気づいたら完食しておりました。だんだんと体が自転車旅モードになってきたようです。
さて、過積載ならぬ過満腹状態でスタート、道の駅鹿島を素通りし、新しいバイパスを避けて海沿いの旧道を進んだ後、鹿島北部より嬉野方面へ折れるとコンビニは見当たらず、五町田のコミュニティセンターでひと休み。
何というか、開放的でユル〜イ空気でありまして、受付で座っていたおじいちゃんたちはテキトーな方向を向いて話に夢中で、中では地元の人たちの集まりなのか、カラオケの真っ最中。私たちは挨拶もそこそこにトイレをお借りしたのでした。
ここからは県道28号をさらに西へ。しかし、ここから向かい風が厳しく、なかなか前ヘ進みません。強風に巻き上げられた砂塵がビシビシ顔を直撃するという悪条件。国道34号は日の出城に着くころにはいよいよ消耗した状態に。今朝島原を出てから3泊4日分の荷物を載せた自転車で走行、ここまで80kmを超えているようですから、そりゃ疲れていて当然でしょう。
コミュニティセンター
犬走峠へ
県道45へと入ると向かい風が収まったのには助かりましたが、今度は徐々に上り勾配がきつくなり、やがて本格的なUPとなりました。標高差たかだか120m程度で、すごくキツイわけではありませんが、体力が残り少なくなってきた終盤なので苦しい。妻の自転車はコンパクトクランクでギヤ比が34×30T。いちおう私もそれに合わせてフロントトリプルのうち、インナーは使わずにセンター38×27Tで上っていきます。しかし犬走峠付近では勾配が7〜8%の箇所もあって妻がグロッキー状態に。緊急食のゼリードリンクを補給して何とか復活、峠をクリアしたのでした。
苦しかった上りの後はご褒美の豪快な下り。下って下ってぶつかった国道35を西へ向かうと、すぐに道の駅山内に到着。
道の駅山内
あんぱんを補給
何か食べないと体が持ちませんが、内臓だって疲れております。あんぱんでエネルギーを補給し、残り7km少々をじっくりと進みました。
有田まであと少し
陶器市開催中
国道はトンネルが連続しているようなので、迂回して県道233に折れるともうそこは有田陶器市の真っ最中。混雑する通りをソロリソロリと走っていきまして、妻は最後の力を振り絞ってお目当てのお店を数件回っておりました。本日の走行距離:約100km!
ここの民宿泊
大ボリュームの夕食
この日も民宿泊。夕食どき、東京は港区白金台にお住まいだという御年70過ぎの御婦人と相席に。なぜお金持ちが単身で、しかも民宿に?という疑問はさておき、非常に気さくな方でして、ご趣味の陶器のことはもちろん、お子様方やお孫さんたち、病気のことなど、美味しい食事との相乗効果なのか、それはもう時が経つのを忘れるほどに楽しくおしゃべりさせていただきました。
何も九州に限ったことではないでしょうが、旅は、人を開放的にさせてくれますね。