小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2016/05/29

琵琶湖周遊2.5日 2016年4-5月

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2日目 マキノ→ 近江八幡

自転車の旅は体力勝負。朝からしっかりごはんを食べて出発しました。前日の荒天とはガラリと変わって寒いながら穏やかな朝です。野鳥の声を聞きながら、湖に遊ぶ鴨を眺めながら、松並木の中を快適に走っていきます。


湖岸を南下


立派なマツが並ぶ

が、黒くて大型の毛虫が多い。あまりにも多い。うっかりすると踏んでしまいそう。しかも同じ方向に移動しているのではなくバラバラなので左右とも注意する必要があります。松並木を過ぎると今津の集落。味わいのあるいいところです。またゆっくり訪れたい。
湖畔沿いに風車街道を進んでいくと、多くの野鳥の声が聞こえます。姿がはっきり見えるのはトンビやサギ、湖には鴨。緑が豊かなだけでなく小規模ながら水田が並び、カエルの合唱も。いいですねえ。自転車旅の一つの醍醐味であります。他のサイクリストもたくさん見かけました。99%がロードバイクの集団で争うようなハイペース。目標を設定しているのでしょうか、平均車速の更新でしょうか、軟弱な私には、何かに追われているようにも、怒りに突き動かされているようにも見えました。
のんびり走っていても体力を使っていまして、早くも腹が減ってきました。ちょうど近江高島駅近くで地元の小さなベーカリーを見つけ、栄養補給を。
手づくりのおいしさです。これでまた元気が出ました。


小さなベーカリー


カツサンドとバターロールを補給



湖上の鳥居


白髭神社

雰囲気の良い白髭神社を参拝し、国道161号をしばらく進みます。左側(南下方向)は路肩が狭く歩道も無く走りにくいため、道路右側の自歩道を慎重に走っていくと数kmで国道を逸れるルートが出てきて、北小松駅からは国道を迂回しJR湖西線沿いに進むことができました。
前日のような風もなく順調に距離を伸ばせるものの、コンビニも店舗も無い。ずっと無い。どこかに寄るとしたら国道へ出なければなりません。面倒だし線路沿いのユルい雰囲気がいいし、そのまま走り続け、和邇の駅前に出ると、スーパーの一角にカフェを見つけ、名前にもひかれた私は迷わず昼食にしました。


ボトムズファンがひかれる名前?


焼肉ランチ

いくつかメニューがある中から焼肉ランチを選択。個人的にクドいとダメなのですが、幸い味付けが良く、しかも滋賀産のコメがおいしい。他所と違ってコメ自体の甘みや粘りは少ないのに粒がしっかりしている気がする。たまたま入ったお店だったけれど良かったです。有名店でなくともこうした地元の方々に利用されるお店は良いところが多いですね。
琵琶湖大橋まではあと5kmほどか。昼食後は交通量の多い県道を走り、大橋手前の道の駅:びわ湖大橋米プラザであんぱんを補給しました。


びわ湖大橋米プラザ


琵琶湖大橋

大きく見えた琵琶湖大橋でしたが、たいした勾配も無く、あまり風情も無く、あっけなく渡り終えてしまいました。これまでとは方向を変えて北向きに、湖岸沿いの県道559号を北上していきます。


快適な湖岸沿い


白鳥川

風は穏やかで前日とは大違い。これが本来の琵琶湖サイクリングの姿でしょうか。ただしこれまた前日とは違って暑くなってきまして、目まぐるしい気温の変化になかなか体がついていけませぬ。
休憩をとりつつ白鳥川河口へ着くと、この日の目的地:近江八幡へ向かって川沿いのびわ湖よし笛ロードを南下していきました。川向こうの車道とは違い、実に長閑な道。車の通行が無いのはもちろん、先を争って走るようなロードバイクの集団も走っておらず、景色を見ながら、野鳥の声を聞きながらのんびりと走れます。


近江八幡に到着


八幡堀

近江八幡中心部に到着しました。GW真っ最中なだけあって観光客がたくさん。少々落ち着かない雰囲気です。もう疲れていたし、少しカフェで休もうと、2年前にZZR250のプチオフで訪れた、猫のいるカフェへ向かいました。記憶を頼りにカフェを探すもなかなか見つかりません。そのうち一つの町屋の造りが記憶に合致しました。でも、カフェではなくうどん店になっています。もしやカフェが移転したのかとうどん店の女将に尋ねると、店をしまいはったとのこと。残念です... すべての物事は流転する。一期一会という言葉を噛みしめました。
他のお店を探すも、今さら観光客が集まるような気取った所へは入る気が起きず、中心部からやや外れた場所にある、小さなカフェへ入ってみました。


地元に根ざしたカフェ


素朴なパウンドケーキがおいしい

サイフォン式の炭焼コーヒーにバナナパウンドケーキをいただきつつ、ゆっくり休みました。猫のいたカフェの移転先をマスターに訊いてみましたがご存じないそう。
「自前の建屋やないと賃料かかって厳しいんちゃいますか」
現実は厳しいのかもしれません。今は連休中で人出が多いのですが、休日だけとか。しかもほとんどの観光客が観光バスなどでどっと来て、お宮さん(日牟禮八幡宮)とクラブハリエに集中するばかり。慌ただしく動き、すぐに引き上げてしまうそうです。
「もっとゆっくり見ていきはるとええ思うんやけど」
そうですね、テーマパークのように効率的に見せるしかけになっているわけでもなく、ゆっくり見ないとその土地の良さがわからないと思います。私もできればゆっくりしたい。自転車で走るスピードでも速すぎるのかもしれません。

駅近くのビジネスホテルに投宿。ビジネスライクというよりどこか家庭的で好印象。
この日の走行距離約80km。前日の疲れを引きずったまま、自分ではよく走ったほうだと思います。
夕食はフロントで教えてもらった、地元の人たちが利用する小規模な居酒屋へ。
奥にテーブル席があるようでしたが、迷わず手前のカウンター席につきました。数々のおばんざいが並び、どれも期待に違わず美味しい! 牛すじの煮物も、赤こんにゃくも、そぼろとかぼちゃ煮も。曜日限定だという鯖寿司に至っては、今まで食べた鯖寿司はなんだったんだろうというほど旨い。
カウンター席はママさんたちとの会話も楽しい。この店は移転を経てもう18年になるそうです。地元のおっちゃんたちが集う、温かいお店。


地元の居酒屋へ


おばんざいが素晴らしい

店内は昭和歌謡が流れておりまして、ふいに「東京ララバイ」が。何て懐かしいんだろう。私が少年時代、家が裕福ではなく、レコードプレーヤーを初めて買うことができたのが小学校高学年のころ。そしておこづかいで初めて買ったレコードがキャンディーズでもピンクレディーでもなく「東京ララバイ」でした。今考えてもヘンなコドモだったと思います。平成生まれだという(ママさんの?)娘さんにとっては、昭和歌謡は非現実的な世界ですよね。
おいしい料理とお酒で調子に乗った私たちは大きなイワシフライや山芋ステーキなど、あれこれと食べ過ぎてしまいました。胃が苦しい上に手足まで熱く、寝苦しい夜を過ごす羽目に。自業自得ですけど、これもまた良い思い出となるでしょう。