琵琶湖周遊2020秋　2020年11月

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前夜の予報では午後から雨マークだったのに朝から雨、午前中の降水確率が60％に悪化していました。こういうときもあります。宿の朝食は予想外に品数が多く、素朴な風味が身体に沁みます。
「気張って走ってもらわなあきませんで、アハハ」
話し好きの女将さんにそう励まされ、腹一杯食べると元気をいただいたようでした。

出発時には止んだ雨がまた降り出し、途中の東屋で雨宿り。ただでさえ体感温度10℃以下なのに雨に濡れると5℃くらいまで下がるかのよう。ここで出会ったサイクリストのおじさんは、奇遇にも同郷、同じ市内にお住まいの方でした。数年前に定年を迎え、ソロキャンプもするし、四国一周も達成したという元気なおじさんを、私も見習いたいです。

止んだ雨が降り出したりまた降ったり、ウエット路面なこともあってペースが上がらないまま風車街道を抜け、高島に着きました。4年前に寄った小さなパン屋を目指したものの、残念ながら休業日。やむなく少し高級そうなお店に入り、冷え切った身体を暖めました。ラッキーなことに地域共通クーポン(￥1,000)が使えたのでお得に利用できました。

高島を出発し、国道に合流すると交通量が多い反面道路左側に歩道も無く路肩も無いに等しいため道路右側の歩道を進みます。

白髭神社で参拝の後、さらに国道を進み、北小松から国道を逸れて自転車道を進んでいきます。風は目まぐるしく向きが変わり、西南西に落ち着いたよう。南方向の風はいくぶん暖かく、雨もすっかり止みました。しかし若干向かい風の方向、地味に消耗します。風向きが今度は北に変わって追い風になってきたころ、志賀駅で小休止。それから和邇まで走り、レトロな食堂に入りました。

私はカツカレーを、妻は日替わりランチ￥800をチョイス。日替わりランチはエビフライとチキンカツに加えておでんまで。すっかり満腹になりました。いくぶん殺風景にも見える、職業ドライバーがよく利用しそうな食堂ですけれど、厨房の雰囲気が良く、大将がにこにこ顔で調理している姿が印象的でした。

食後、堅田から琵琶湖大橋へ。北西の冷たい風が容赦なく吹きつけ、橋の上ではフラフラして危険を感じるほど。強風の中、虹が出ていて写真を撮っていると雨まで降ってきてたまらず橋を下ります。

琵琶湖大橋料金所を過ぎ、商業施設の駐輪場でしばらく雨宿り。小降りになってきたところで走り出しました。琵琶湖畔のさざなみ街道を北へ走っていきます。北西の冷たい風は今度は向かい風となり、キツイ。琵琶湖サイクリング、前回もラクではなかったですけど今回も少々厳しい。この時期、太平洋側は晴れて乾燥し、日本海側は不安定で冷たい雨の天気。琵琶湖は太平洋側でもなく日本海側でもなく、南風になれば晴れるし北風が入ると冷えて雨模様。そのダイナミックな変化を体感できるのが自転車旅の醍醐味の一つなのかもしれません。
向かい風にバテたか、昨日の疲労も蓄積しているのか、野洲市を抜けるあたりでコンビニを見つけ休憩。目的地の近江八幡まであと10kmもない、慌てずにいこう。

4年前同様、白鳥川河口から白鳥川を南下していきます。進む向きが追い風になり、ちょうど風速7〜8mと思われる北西の強風が吹き荒れ、落ち葉や小枝が風に吹き飛ばされる中、背中を押されるように近江八幡に到着。

どんどん気温が下がっていきます。どこかお店に入って暖まろうとカフェを探すも、あまりに高額だったり、閉店時間だったり。ようやく八丁堀近くに良さそうなカフェを見つけ、ひと休みしました。コロナの影響で観光客が減り、今は大変な時期かという予想に反し、ここのカフェは地域密着の常連客ばかりで影響は少ないとか。コロナに関係なく朝は毎日常連客で賑わい、御年97歳の常連客は5kmほど離れた家から自転車で通ってくるそうです。いつまで自転車に乗れるのか気にする場合じゃないですね。私もいつまででも乗ります。乗っていろんなところへ行きます。
話し好きのママさんが教えてくださった通り、日牟禮八幡宮横のクラブハリエの隣、和菓子のお店で妻は買い物。いつも節約しとるから、こういうときに買わんと！と地域共通クーポン(￥1,000)を使っておりました。

日が沈むといっそう冷えてきます。バッグの中から服を出して重ね着し、暗くなってきた中を走ってこの日投宿する少々古いビジネスホテルに着きました。
ご自身も自転車に乗るというシニアスタッフが丁寧に受付くださり好印象。1泊朝食付きGoToトラベルクーポン利用で一人あたり税込￥3,315！ さらに地域共通クーポンも受領いたしました。ありがたいです。この日の走行距離は約65km。

妻がおみやげを買い込んだ後、4年前にも訪れた居酒屋で夕食を。感染防止のため、賑やかにお喋りするわけにはいきませんけれど、料理はどれも素晴らしい！
赤こんにゃく味噌田楽、揚げ出し豆腐、カキフライ、近江牛ホルモンキャベツ炒め、アジの南蛮漬け、．．． すべてが旨い。自己主張せず、どちらかといえばシンプルな風味なのに、じっくり手をかけたことがわかる素晴らしい味。おでん盛り合わせなんて、あっさりしているのに類型的な味とは全然違う奥深い味。リーズナブルな大衆店だなんてとても信じられませんでした。