小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2016/12/04

佐世保〜平戸〜唐津 2016年11月

  3日目> 4日目

4日目 筑前前原→ 自宅

無意識下で何か大きなものに包まれたような温かい気持ちのまま、前夜はぐっすりと眠れました。

爽やかに澄み渡る晩秋の空の下、名残惜しくも帰路につきます。駅のホームで電車を待っていると、私のすぐ近くで一羽のスズメが元気よく盛んに囀っており、逃げようとしません。まるで見送ってくれているかのようでした。ありがとう。


スズメがお見送り


電車へ乗り込む

電車が駅を出発、しばし目を閉じれば昨日の光景が目に浮かんできます。アニキのお宅ではご近所の方々もたくさん集い、賑やかな一日でした。アニキの子供たちと年齢が近いチビッコたちも含めて常時5人前後は同じ部屋におりました。 私たち夫婦は子供がいないので、小さい子供が複数名同じ部屋にいると、特に何をするわけでも無くてもすぐに疲れてしまうのですが、昨日は全然違って疲れることは全くありませんでした。どうしてだろう... 思い起こしてみると、5人前後集まっていたにもかかわらず、子供たちが皆落ち着いていました。おとなしいとか覇気が無いとか、そんなことは一切ありませんけれど、皆それほど自己主張することもなく自然体でした。大人との距離の取り方も上手で、避けることも無く、変に意識することも無い。
子供たちが落ち着いているのは、おそらく大人たちが落ち着いているから。大人たちが不安に煽られることもなく安定し、自己主張をすることも無く、自然の中での人間の立ち位置をわきまえて自然の流れの中に暮らしている。近代以後の日本、特に大都市圏の人々がとうに忘れ去ってしまったリズムの中に。
唐津くんちという祭りが大きく関わっていることは疑う余地が無いと思います。思い出に刻まれる、素晴らしい出会いでした。

私たち現代人は自然に抗い、周囲を己の思い通りにしようと自己主張をするケースが多い。人間が作り出した風潮やトレンドに振り回されることも少なくない。そうして知らず知らずのうちに淀みや歪みを抱え込んでいるのかもしれません。


博多で新幹線に乗り換え、さらに名古屋駅で乗り換えて最寄り駅に到着。自転車を組み立てました。
平地でも桜の木の多くが落葉、朝晩は冷え込む。季節は既に晩秋、まもなく冬です。
                          (おしまい)