しまなみ海道とゆめしま街道 2019年10月
2日目 大三島→ 生口島→ 岩城島→ 因島→ 弓削島→ 佐島
民宿の朝食が抜群です。卵焼き、塩鮭、あら汁。いずれも刺激が少ないのに風味がよくて体に負担が少ない食事でした。
やさしい朝食
大三島の爽やかな空気の中を走る
清々しい朝の空気の中を出発し、隣の生口島へ向かいます。
多々羅大橋を越えて
生口島洲江港からフェリーに乗船
生口島は大三島とは空気が変わり、穏やかな生活感のある空気。その中を快調に走り、洲江港に到着しました。フェリーで岩城島へ渡ります。
ややキツイ坂を上って下りて
岩城港へ到着/p>
小漕港からはプチ峠をのんびりと越えて岩城港へ。5年前に訪れた、港近くの喫茶店が目的でしたが、この日は休業でした。ほかの施設もほとんど開いておらず、コーヒーも飲めず、しかたなく牛乳で栄養補給し出発しました。
厳しい上りのミニ峠
長江港からまたフェリー
長閑な街並みを抜け、すぐにミニ峠に入りました。けっこうキツイ上り。100mは上ったでしょうか、それなりに消耗したものの長江港に到着。フェリーで因島へ渡ります。
因島はビルが立ち並び、都会的。町の中を進み、カレーのお店でお昼にしました。
カレーのお店
粗挽きキーマとレモンチキンのあいがけ
規模の小さな店舗が好印象。供されたカレーは丁寧に手作りされた風味です。キーマカレーはコクが豊かで、レモンチキンカレーはレモンの酸味が爽やか。ごちそうさまでした。
家老渡港からフェリーに乗船
穏やかな弓削島西海岸
因島 家老渡港まで移動し、またフェリーに乗船。弓削島の上弓削港で降り、5年ぶりの弓削島を走ります。穏やかな西海岸の景色が美しい。以前に訪れたカフェを再訪しました。
久しぶりに再訪したカフェ
おやつにパウンドケーキのセット
カフェのおねえさんが相変わらず優しく、私たちのことを憶えてくださっていて、いろんなことをお話しさせていただきました。2年前に広島や岡山が豪雨に襲われた際、ここ弓削島は酷い被害にはならなかったものの、断水になったそうです。それでも救援物資が届き、また島の井戸水を活用しつつ、隣の島々とも助け合いながら乗り切ったとのこと。他に食べ物の話とか、移住(Iターン)の話とか、本当にたくさんのお話をありがとうございます。「今度来るときは、絶対に連絡してくださいね」なんて気遣いも嬉しいです。
名残惜しくもカフェを出発、弓削大橋を渡り、隣の佐島へと走ります。宿の場所がなかなかわからず迷っていたとき、近所のおばちゃんが「ちょうど今から行くところやけん、ついてきて」とママチャリで先導して連れて行ってくださいました。ありがたいことです。
この晩は佐島の静かなゲストハウスに投宿。ふつうの民家をリノベーションした宿で、水回りがきれいに改装されただけでなく、古い居室や縁側など、隅々まで清掃されていて実に心地よく過ごせました。
ゲストハウスの快適な居室
夕食は宅配弁当
このゲストハウスは食事が提供されないタイプ。夕食にと宅配されたお弁当は、さきほど訪れたカフェの手作りです。ブリの照り焼きをはじめ、あらゆるおかずが飾らない、素朴なおいしさ。すっかり満足しました。食後は宿の管理人さんと、スイスからのツーリストを交えてしばしのおしゃべり。
スタッフの方はこの佐島に近く正式に移住されるそうです。いいなあ、私にはその行動力が羨ましい。都市に比べて既製品や情報がほとんどありませんけれど、とても静かで心穏やかに落ち着いた暮らしがあります。身構えたり緊張する必要はありません。人と人との距離感が近すぎず遠すぎない。私の無意識もすっかり解放されるようでした。
リビングやダイニングにも居室にもTVはありません。周囲にコンビニはもちろん、お店は無く、夜は人も車も滅多に通りません。本当に静かです。何の音もしません。人によっては不安に陥るかもしれません。
だけど気持ちを落ち着け、ゆったりとした島のリズムに己をシンクロさせていくと、この静寂が、人工的な無音状態とはまるで違うことがわかってきます。音としては聞こえてこないのに、鳥や虫たち、木々の葉、穏やかな波をはじめ、夜闇までもが優しく語りかけてくる、実に豊穣な世界に包まれているのですから。