小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2023/12/17

丹後半島2023秋 2023年10月

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2日目 網野→経ヶ岬→本庄→伊根→天橋立→宮津

窓ガラスに叩きつける激しい雨音で目が覚めました。先が思いやられる天候です。


スーパーで買ったおにぎりを朝食に


コーヒーのサービス!

朝食は、前日にスーパーで購入したおにぎり。
私たちは素泊まりながら、何とモーニングコーヒーをサービスしてくださいました。しかもミニサラダも、フルーツも! ありがたいことです。

雨は止んだもよう。出発する私を、女将さんも仲居さんもたいそう心配してくださいました。丹後半島の海岸線は車でも疲れるそうです。仲居さんが魚が泳ぐような手つきをしながら「道がこんなん」と、狭くワインディングばかりのようです。
いかにも人の良さそうな女将さんは、かけひととかトークの妙味などとは無縁ぽく、ひたすらに隣人愛というか人類愛に満ちたような人。きっとこの人柄に惹かれて人々が集まってくるのでしょう。ともかく、お世話になりました。

北北西の強風。少しでも雨に遭わないことを願いつつ、雨具を着て8:00に走り出しました。市街地を抜けるとさっそく上り坂、続いて少し下り、また上り。噂に違わず、サイクリングビギナーを拒む地形のようです。海岸線に出ると厳しい向かい風! 上り坂での強い向かい風にペダルが止まりそう。妻が一緒に走らなくて正解です。きっと怒っていたでしょうから。
雨がパラパラと降ってきたころに道の駅てんきてんき丹後に到着。


道の駅てんきてんき丹後


モーニングセットを補給

雨が強くなってきました。9:00の開店まで待って、モーニングセット¥500をいただきます。この先ほぼ何も無さそうなので、食べれるときに食べておきましょう。
幸い雨は止んだようです。薄日も差してきました。雨具を脱いで走り出します。
しばらく上った後の犬ヶ崎トンネルは、強風のあまり、トンネルの中も強い向かい風! 何というサイクリスト泣かせの天候でしょう。ここからまた雨が降り始め、雨具を着るも、久僧付近で激しい雨に。
雨具を着てはいますが、靴が防水ではないこと、バッグも防水ではないこと、雨中の下りはブレーキが効きにくくなることから、雨をしのげる場所を探し、見かけた診療所の軒下に避難。この日は日曜で休診日。迷惑がかかることはないはずです。

激しい雨は続いていましたが、空を見上げると雲が流れています。小一時間ほど待ったでしょうか、どうやら小降りになったところで出発しました。


診療所で雨宿り


柚志の海岸から上っていきます

小雨の中、柚志の海岸近くまでいったん標高を下げ、再び経ヶ岬へ上ります。
雨の中、上って上って... 雨具の中が蒸れてどうしようもなくなった頃、経ヶ岬への分岐に到着しました。経ヶ岬先端へはここから下っていくらしいのですが、戻るにはまた上らねばならず、余裕の無い私はこのまま国道を進むことに。
雨は上がったようです。雨具を脱ぎ、さらにしばらく上り、白南風隊道というトンネルが頂上ぽい。11:00過ぎに着くことができました。


経ヶ岬のトンネルを抜けて


下って下って、浦入トンネルへ

ここからは下り。下って下って、爽快に下って、いえ、路面がウエットですし、工事中片側通行止め区間もありますし、ブレーキの効き具合を確かめつつ慎重に下っていきます。

浦入トンネル手前の工事中路面でアクシデント!
突然カラン、カンという音。止まって確かめると前照灯のライトが落下した音。
下った道を引き返して少し上るとライトを発見。ですが、後続の四輪車に踏まれてバキっという音が響きました。割れて傷ついたライトを回収すると、何と点灯します! よかった! 浦入トンネルと、さらに先のトンネルでもライトは必要なのです。ケースが割れているので雨天では使えず、充電も危険でしょうが、とりあえず旅の間は何とかなりそう。
気を取り直してトンネルを過ぎ、本庄の浦嶋神社近くの農家カフェでお昼にします。


農家カフェ


イカ釜めしのランチ¥900税込!

釜めしが炊きあがるまで待つこと30分少々。女将さんが直接買いつけたというイカが風味よく柔らかくておいしい! 秋の味覚だそうです。ほかにも穫れたての枝豆が新鮮でいい香り、旬のイチジクも。すっかり土地の秋の味覚を満喫しました。
もう雨は降らないだろうと判断して雨具を片付ける私を見て、大将も女将さんも丹後は天気がころころ変わる、地元住民でも天気が読めん、そう忠告するのでした。

ちょうど13:00に出発。ミニ峠が2本、お腹が満たされて力が出るはずが、天候が回復し安心したのか私の脚は徐々に動かなくなっているようです。最後にプチ峠を上って道の駅 舟屋の里伊根に到着しました。
ところが鄙びた漁村のイメージとは裏腹で、観光客が押し寄せ大混雑。道の駅の駐車場に入りきれない四輪車が長い列をつくっていました。なぜ道の駅が集落から離れたこんな高台に、と初めは疑問でしたが、混雑ぶりを見て理解しました。これだけ多くのマイカーや観光バスが小さな集落内に入ったら、地元の人たちは日常生活を送れないでしょう。観光客は高台から舟屋を眺めて写真を撮ればいいのです。それでも行きたい人たちは、徒歩で下っていって舟屋見物すればいいのです。


道の駅から舟屋を見下ろす


大混雑の伊根

大勢の観光客が醸しだすテーマパーク的な空気に辟易し、どこにも寄らずに引き揚げることに。道の駅から集落まで下っていき、自転車でゆっくりと、歩行者の間を縫うように走ります。日曜だからか若者も多いし外国人の観光客も多い。動画撮影らしきグループも数多い。静かな漁村ではなく、騒がしい上に随所に交通誘導員が配置されている、一大観光地の様相です。とてもゆっくり休憩する気分ではありません。

ろくに休憩しないまま伊根を離れ、そのままやや追い風の中を走り続けましたが、とうとうバテてしまい、里波見で止まりました。


里波見で休憩、バテバテ


天橋立を走るよ

30分以上は体を休めたでしょうか。いくぶん脚の乳酸が分解できたところで走り出しました。が、やっぱりキツイ。もう私の脚は売り切れ寸前です。半ば惰性で走り続け、ついに天橋立入口に到達、未舗装路をまったり走ります。まったり以上のペースだとバテそう。このまったりが微妙に休憩になりました。
しかし天橋立も観光客が多く、駅前はさらに人が溢れています。休憩を諦めてそのまま宮津方面へ。あと3kmという案内表示を見かけましたが、そのたった3kmが辛く感じるくらいにバテておりました。

宮津市街は交通量が多い、大型スーパーに立ち寄り、翌朝用のおにぎりを購入。元気なら宿に直行するのですが、もう疲れ切っていて、ひとまず宮津駅前の喫茶店でひと休みします。


宮津駅前の喫茶店


ブレンドコーヒー¥280税込!

ブレンドコーヒーが¥280とリーズナブル! おそらく深煎り細挽きながら、雑味や苦みばかりになりがちなところを、うまくまとめています。さすがですね。

日没時間に宿に到着。素泊まり¥5,090/1人のわりに部屋が広くて助かります。


宮津で投宿


部屋が広くて助かる

夕食に、歩いて駅前へ。疲労が溜まり、脚が固まって歩きにくい...
目当ての食事処は予想外に混雑していました。ボードに名前を書いて順番待ちです。日が暮れてから気温が急降下、体感では10℃未満。入店までの30分が長く感じられました。


宮津駅前の食事処


煮付定食¥690税込

体が冷え切ったまま、さらに待つこと20分、煮付定食が供されました。

魚の風味を活かした、薄味志向。味噌汁はあらで出汁を取ってあり、麦味噌。西日本の味付けが嬉しいです。安価なのにボリュームたっぷりで満足しました。