小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2022/05/29

さざなみ海道&とびしま海道 2022年5月

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2日目 三原→竹原→大崎上島→大崎下島→豊島→上蒲刈島→下蒲刈島→広

9時ごろ以後は風速6〜7mの向かい風という天気予報にビビって、朝5時起床。前日に尾道で買っておいたパンを朝食に。それと「おはぎのこだま」で買っておいたおにぎりも実においしい。手作りの温かい味でした。


朝食にパンとおにぎり


さざなみ海道の朝

6時半前には走り出しましたが寒い! 気温10℃以下でしょう。念のためネックウォーマーを持ってきてよかった。でも手先が冷えて痛いくらいです。三原から西へ、幸い風はまだ弱く、忠海手前でちょっとした峠を越えて休憩を入れ、2時間弱で竹原港へ到着しました。
竹原港前のうどん店で腹ごしらえ。連休中ですし、この先食べれるかどうかわかりません。食べれるときに食べておきましょう。


うどんで腹ごしらえ


ネギうどん¥390(税込)

予想外に出汁がおいしく、冷えた体が温まりました。ありがたい。さざなみ海道とはここでお別れ、瀬戸内海を渡って大崎上島へ向かいます。フェリーの切符を買い、9:00に乗船。サイクルーズパス適用で¥400でした。
30〜40分の船旅の後、大崎上島に上陸、何年ぶりになるでしょうか。ほとんど何も変わってないような印象を受けます。見覚えのある道を走り出しました。


大崎上島 垂水港から


大崎上島 明石港へ

大崎上島の北に位置する垂水港から、南端の明石港へ向かいます。島を横断する形で峠を越え、木江の街並みへ。ひっそりしています。GW中だろうが何だろうが、人々の生活は変わらず続いているということです。私にとって、日常や、GWの喧噪から距離を置くことが大事だということを再認識しました。風が強くなってきました。アップダウンを交え、少々バテつつ明石港に着きました。次の便まで1時間半待ち。待合所の周囲には民家ばかりで特に行くところは無さそうです。島のペースに合わせゆっくりしましょう。


大崎下島へ向かうフェリー


強風で自転車がグラグラ揺れる

フェリー料金は¥330。サイクルーズパス利用で自転車料金はかかりませんでした。フェリーのデッキでは突風クラスに思える強烈な風が吹き、先行き不安になります。

大崎下島 小長港から今度はとびしま海道サイクリングスタート。ですがすぐに予報通りの強烈な逆風、行く手を阻まれるほど。5km/hくらいに落ちることも。日差しはそこそこ強いのに風は冷たく、体力を削られていくようです。
豊島へ渡る豊浜大橋の上では強風でふらついてしまい危険を感じました。豊島の小さな食事処では順番待ちの列が10人ほど。この強風では先を急いでも消耗する一方。時間はかかっても待つことにしました。


豊島の小さな食事処


お好み焼きがすばらしい!

入店し、席に着くことができたのは並び始めてから50分後。待ちくたびれた後だからよけいおいしく感じたのかもしれませんが、お好み焼き(肉玉そば、シングル)が個人的に絶品! 比較的シンプルな風味で、キャベツも卵も豚肉も細麺も、それぞれの味や食感が大事にされている印象。これおすすめ、と出されたレモンを絞ると疲れた体に効く! 今まで食べたお好み焼きの中でナンバーワンです。しかも食後にコーヒーまでついて¥650(税込)という驚きプライス。お客は私たちでいったん終わり。食後の会計の際、店のおばちゃんが「自転車? なら、ちょっと待って」と倉庫に入った後、「はい、持ってって」と大きな夏みかんを2個渡してくれました。ありがとうございます! 私の自転車のフロントバッグにどうにか入りました。忘れられない体験になりました。いつかまた訪れたいと思います。


次は豊島大橋


上蒲刈島北岸の穏やかな海

お好み焼きで元気をチャージ、向かい風の中、豊島大橋を越えていきます。橋へのアプローチはややキツく狭く、有名なしまなみ海道ほど洗練されてはいませんが、逆に初心者を阻むところも悪くないと思います。
上蒲刈島では少々遠回りして起伏の少ない北側のルートを進んでいきます。強い向かい風がいくぶん収まってきたようです。
海岸沿いで一瞬風が凪いだときがありました。海も信じられないほど穏やかな表情を見せています。ごく短時間でしょうが、少しばかり意識が遠のくというか自分が愛知県からやってきて旅をしていることを忘れるというか、不思議な感覚に陥りました。肉体ではなく魂の生まれ故郷があるとしたら、このようなところなのでしょう。神秘的な空気は一切無く、どこまでも穏やかで温かい時間でありました。今回の旅はここに来るために、導かれたのかもしれない。
自分ではわかりませんけれど、私の無意識には彼岸、あるいはsourceが見えていたのかもしれません。ずっとここにいたい。けれども二度と戻れなくなってしまいかねない瞬間に感じました。


次は蒲刈大橋です


じゃこ天を補給

島の西側に出ると再び風が強くなってきました。だいぶバテてきています。疲れてきているところへの向かい風、蒲刈大橋への上りがキツイ。部分的に10%近くあるんではなかろうか。体力が持つか心配でしたが、全身から汗が吹き出る久しぶりの感触と共にゆっくりと上っていけます。なんだか心地よい。疲労で少々おかしくなっているのかもしれません...
妻の体力も限界近くになっており、蒲刈大橋を越えてすぐ休憩。じゃこ天を補給です。しかしゆっくりしていると冷たい風で汗がみるみる冷えていくのでした。


下蒲刈島の集落


最後の橋は安芸灘大橋

安芸灘大橋への上りを上りきり、全長1.175kmの橋を通過。本州に入ると交通量が多い上に再び強い向かい風でした。バテた体を引きずるようにアップダウンをどうにかやり過ごし、仁方第二トンネルを迂回、迂回困難な仁方第一トンネルを目前にしてスーパー入口近くのベンチで休憩します。


仁方第一トンネル手前で休憩


広駅前に投宿

固くなってきた体をいたわりつつストレッチ。ヘンなサイクリストに見えたことでしょう。買い物に訪れた地元の方々に申し訳ない。
いよいよずっと上りの仁方第一トンネルへ。安全のためトンネル内は歩道を走りました。トンネルを抜けると後は下り基調。広市街に入ると国道は片側2車線となり、一段と交通量が増えたようです。慌てず慎重に走って駅前のビジネスホテルに到着。自転車を裏手のスペースに置かせてもらいました。宿泊¥5,500/人、朝食¥770/人。個人的に嬉しい和室です。6畳と狭めではありますけれど、ゆったりとストレッチできるので助かります。この日の走行距離80km。日中は逆風に苦しみましたが何とか走りきることができました。

夕食は徒歩で商店街へ。お目当ての定食屋は休業でした。疲れ切っていたため、他をあちこち探す気になれず、近くのカレー店に入りました。


夕食はカレーに


さっぱりとトマトカレーを

疲れた体に負荷の少なそうなトマトカレー¥800(税込)をチョイス。よかった、化学調味料などのヘンな味は感じない。スパイスをはじめ、高額な素材は使ってないでしょうけれど、工夫して作られている味。さっぱりしたトマトもおいしかったです。宿に戻ってから、昼に食事処でいただいた夏みかんを食します。すっぱくて疲れが取れるようでした。