教育基本法の解説

「教育基本法の解説」〔1947年(昭和22年)12月25日発行〕    前のページへ

 ここに、一冊の冊子がある。『教育基本法の解説』である。
多くの死者と破壊を目の前にした昭和20年8月の敗戦、人々が呆然としつつ、将来に期待したこと。それは、平和な社会をつくることであったと思う。その願いは、戦前を引き継ぐ政府によってことごとにゆがめられ、曖昧にされてきたように思う。
 しかし、この冊子を開く時、当時の人々が目指した平和で民主的な日本の形成という夢が、生き生きと感じられる。
 多くのみなさんに、この冊子の語る言葉にじかにふれていただき、その息吹を感じてほしいと考える。
「ここまで読まれましたか。ご苦労様じゃの。55年も前の字で、読みにくかったじゃろ。」     
     「でも、わしらの気概を感じてほしいのじゃ。それじゃ、また始めへもどるぞ。」」

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「教育基本法というと、条文くらいは一度はよんだことがあったけど。」
「でも、この解説を読んだら、素晴らしい言葉があった。」
「戦前は、国はうわべだけはえらくなったようだけど、国民は、ただ財界と軍閥と、官僚の支配の対象だっただなんて。」
「これを、文部省の仕事をしている人がつくっただなんて。」
「本当に信じられないよ。」
「戦争に負けた直後のことだから、みんな真剣だったんだ。」
「過去の誤った教育理念を一掃するともあるね。」
「これは、平和・民主の日本にするという決意なんだ。」
「でも、これと反対のことがやられてきたんだと思う。」
「そうなんだよ。この決意の通りやられてこなかったんだ。」
「そして、この教育基本法をなくそうとしている人たちがいるなんて。」
「それは、再び戦争の道を考えるということではないのかな。」

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