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密猟捜査犬による密猟者摘発および予防プロジェクト |
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2010年11月17日から26日まで、ケニアのマサイ・マラ国立保護区にあるマラ・コンサーバンシー(公園管理局)に野生動物密猟対策プロジェクトを視察してきました。 ○密猟の現状について この地域は、タンザニア国境が近く、密猟者が特に多く出没します。そのため、ここに配属されるレンジャーたちは、実戦経験の豊かなものが選ばれているとのことです。
密猟者の95%はタンザニア側からやって来るそうですが、その主な理由は、生活のためであり、獲った動物の肉(ブッシュ・ミート)を販売し、生活費としています。 ここ数年、アフリカには中国人が多くなり、と同時に密猟も増えています。特にサイの角は、1000万円以上にも値が付き、常に狙われる存在となっているのは気がかりです。 一方、密猟の罰則は軽く、逮捕されても、再び密猟を行う者が多いということで、今後、何らかの対策が必要ではないでしょうか。
密猟は、銃によるものではなく、ただの針金を細工した簡単な仕掛けのワナで行われます。そのワナに引っかかった動物を殺して、肉を取るというもので、毎晩、場所を移動しながら多数のワナを仕掛け、ブッシュに隠れて、動物がかかるのを待つそうです。 ○密猟追跡犬を使った密猟の捜策について
レンジャーは密猟者を捜索、追跡し、逮捕します。
密猟追跡犬は、密猟者の足跡や体臭を感じ取って追跡するよう訓練されています。しかし、そこには、多くの野生動物の臭いもあり、足跡の臭いが蹴散らされてしまったり、出動までに8時間以上経過してしまったりすると、密猟者の臭いも消え、追跡が難しくなることもありますが、人に比べれば、この捜査犬の追跡能力ははるかに優れ、これにより、ここでの密猟や強盗などの犯人検挙成績は格段に向上しています。 ○密猟追跡犬について ここの密猟追跡犬は、ブラッドハウンドという大型の犬種で、アメリカで訓練され、当初は2頭導入されましたが、残念ながら1頭がこの地で風土病ともいえる感染症(トリパノゾーマ、バベシア)に侵され、訪れた翌日に発症し、亡くなりました。
この地には、多くの野生動物がいます。同時に、それだけ多くの病原体も存在し、アメリカ育ちの犬にとっては、とても酷な環境であったといわざるを得ません。 今後、ここでこの密猟追跡犬を使ったこのプロジェクトの成否は、いかにこの地に適応し、病気に強い犬を育成するかにかかっているように思います。 この地には、マサイ族が飼育する犬が沢山います。彼らは、この地の風土病には強く、その犬をもとに交配を進め、嗅覚の優れた、病気に強い雑種の追跡犬を作ることも検討する必要があるかと思います。
(レンジャーと滝田さんとの記念撮影)
(子育て中のアナ) 《 ご支援のお願い 》 密猟者摘発や密猟防止を目的とするプロジェクトは、現在、1頭の密猟者追跡犬(ブラッドハウンド)が実際に密猟者捜索に成果を上げています。ところが、広大なサバンナの中で、密猟現場の摘発のためにレンジャーと追跡犬チームがパトロールするには、車(パトロールカー)無しでは、その力を十分に発揮することはできません。しかし、現実的には、その車(パトロールカー) が無く、しかも、入手するための資金もなく、支援者を探しているのが現状です。 今後、このマサイマラで、野生動物を密猟者から守り、世界中からやってくる観光客の安全を守るためにも、この密猟追跡犬とそのチームが活躍できる環境が整備されることが早急に求められます。 少しでも多くの人々に、この現状を知っていただき、支援が得られることを願っています。
参考:【
アフリカゾウの涙:追跡犬ユニット、パトロールカー募金】
槍の刺さったゾウ
回収された象牙
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