Q&A 鍼灸の疑問にお答えします
鍼灸治療を受けてみたいけど、不安に思うことや疑問に思うことが多々あると思います。
ここでは、そういった事柄にお答えします。項目にないご質問は、お気軽にお問い合せください。
鍼ってとても痛そうですが・・・
鍼灸で使う鍼は注射の針よりももっと細く、髪の毛程の細さなので痛みはほとんどありません。
トゲが刺さってもチクチクと痛むのに、どうして鍼は痛くないのでしょう。ポイントは鍼の刺入方法にあります。鍼を細い管(鍼管)に入れ、片手で管を支えて、もう片方の手で鍼の頭を叩いて刺入するのです。コツは管を支える力加減と余分な力を抜いて素早く刺入するということです。
まれに、患者さんの症状・体質が特異な場合や、痛点に当たると一瞬チクッとした痛みを感じることがあります。 鍼が苦手な方には、鍼を使用しない治療も行っておりますのでご安心下さい。
また、鍼には「ひびき」とか「得気」ともいわれる特異な感覚があります。ズーンと重いような、ダルイような、時にはしびれるような感覚です。鍼にはこの鍼感があるとよく効くのです。
鍼灸の鍼って太そうで、本当に大丈夫なの?
鍼はとても細く、髪の毛の太さと一緒です。 TVや漫画などの影響で、太い鍼を打たれるイメージがありますが、当院では、全身治療では、鍉鍼(身体には刺さない鍼です)または1寸鍼(長さ30mm太さ0.14mm)を使用しております。また痛みや凝りのある部位への局所治療でも、長さ50mm太さ0.2mm以下の非常に細い鍼を使っております。
先端も注射針とはまったく異なるもので、痛みを極力抑えられる形状となっております。
鍼が深く身体に入りすぎて、怪我をしないか心配です
基本的に、経穴に1~2mmの深さしか刺さないので、怪我の心配はございません。
急性の痛みやシツコイ凝りをとるために、体幹の深い筋肉や深いところにある凝りに直接届くように鍼を入れる場合もあります。この場合でも患者様に確認してから処置いたします。
鍼は直接深い筋肉に触って施術することができる唯一の方法と言えます。直後はかなり強い刺激を感じますが、ある程度の時間置鍼することにより刺した痛みがなくなるだけでなく、筋肉が緩んで血液の流れが改善され圧迫していた神経も緩むため、筋肉の痛みも消失していくのです。
痛みが増強したり、痺れたりするのはなぜですか?
痛みの悪循環と呼ばれるものです。ちょっと専門的な解説になりますが、・・・
私たちの身体は病気や外傷などの刺激を受けると、炎症を起こしたり、発痛物質(ブラジキニン・プロスタグランジン・セロトニンなど)を発生させます。これらの発痛物質が身体にあるセンサーを興奮させると、電気信号(インパルス)を出します。インパルスは脊髄から脳に送られて痛みを感じさせ、脊髄から脳へ行く間に交感神経を興奮させます。交感神経は血管を収縮させる働きがあります。また、痛みを感じた脳は運動神経を興奮させて筋肉を緊張させ、筋肉の中を通っている血管を収縮させます。このような局所の血流不全が組織の酸素を欠乏させ、新たな発痛物質を作りだします。こうして痛みが痛みを増強させる循環が出来上がります。これを「痛みの悪循環」と言います。
鍼で感染することはないですか?
鍼は、滅菌消毒されている特殊なディスポ鍼(使い捨て)を使用しております。よって感染することはありません。また鍼は一度の施術で全て廃棄しており、衛生面においては最大限の注意を払っておりますので、ご安心下さい。
鍼による副作用はありますか?
体内に存在しない成分を取り入れる薬の投与による治療とは、 根本的に異なる治療法なので副作用の心配はございません。
治療後に、痛みが増したり、身体がだるくなったりする人が稀にいらっしゃいます。例えば自律神経のバランスに乱れがあると、治療後に体調が変化し全身がだるくなることがあります。また運動不足で新陳代謝が衰えていると、代謝が盛んになり運動時と同様の疲れがでます。あるいは患部に知覚マヒがあると、感覚がよみがえり痛みが復活したりします。これらは瞑眩(めんげん)現象と呼ばれる正しい治癒反応です。心配なさらず安静に過ごしてください。
鍼灸治療は薬物療法のように、痛みやしびれ、だるさといった症状を抑える対症療法ではありません。もともと痛みやしびれ、だるさなどの症状は、身体の治癒反応として起きている側面があります。ですから痛み止めなどでむやみに症状だけを抑えるのは、身体の自然治癒力を止めていることになります。これに対し身体の自然治癒力に働きかけ、治癒を促進するのが鍼灸治療の特徴です。
他に、鍼治療後に皮膚に青あざができることがありますが、これは皮下の静脈からの内出血で問題はありません。2週間程度で綺麗に消失します。
1回にかかる治療時間は、どれくらいですか?
治療は、完全な時間制ではありません。その理由は、患者さんの体質、体調、症状が一人ひとり異なり、それによって施術内容や目的とする刺激量も異なるためです。通常1時間程度で、その日の効果、目的が達せられたところで終了になります。
治療期間はどのくらいがよいですか?
疾病、症状の個人差によって異なります。各人に合う最適な治療ペースをご提案しております。例えば、症状が激しい場合は、『週 1回~2回』からはじめ、その後は様子をみながら間隔を開けていきます。急を要しない慢性疾患の場合は、『月 1回~2回』位で体質を改善しながらゆっくり治していきます。このように鍼灸治療の効果が持続している間に、次の治療に来ていただくことがとても重要です。間隔が空きすぎると症状が元にもどり、なかなか治癒に向かいません。最初のうちは間隔を詰めて、少なくとも週1~2回通院していただけると効果的です。その後は症状・痛みの状況をみて、治療間隔を調整させていただきます。
日常の健康管理に通院される患者さんもたくさんいらっしゃいます。東洋医学には「未病治」という言葉があります。これは大事にいたる前に病気を予防するという考えです。鍼灸は身体にやさしい治療法です。どうぞ、あなたの健康管理にお役立てください。
なお、無理に予約を勧めたりすることはありませんのでご安心ください。
どんな人が通うの?
WHO(国連世界保健機構)においては、鍼灸治療が約250の疾患に有効であると認定しています。腰痛、ギックリ腰、坐骨神経痛、頭痛、肩こり、五十肩、膝の痛みなど運動器疾患に威力を発揮しています。あまり知られていようですが逆子や生理痛など婦人科系や花粉症などのアレルギー、内科、耳鼻科、小児科等広く適応します。また、病名はないが身体はつらいとか、なんとなく調子が悪いとか、健康に美しく過ごしたいという方も通院されています。
当院では初診時の問診において、お悩みの症状以外にも過去の病歴や現在の体調、病気等詳しくおたずねいたします。中医学の治療は、今起きている症状を身体全体からとらえ、バランスを整えることにより治癒へ導きます。基本的に対処できない病気はありませんが、適応、不適応はあります。それを見極める診断能力は非常に重要です。当院では、現代医学(西洋医学)、中医学(東洋医学)の両面から総合的診断をおこない、あなたの身体で起きている様々な症状に対処できるように努めています。
何故鍼が効くのですか?
鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、その結果として、中枢性及び反射性の筋緊張の緩和、血液及びリンパ液循環の改善等の作用があり、ひいては、生体の恒常性(病気を自然に回復させる作用)に働きかけるのではないかと考えられています。
ちょっと専門的になりますが・・・こりや痛みのある筋肉は血流が滞っていて、緊張しています。亡血状態の筋肉に鍼をして、筋肉が緩むメカニズムは各説あり、そのひとつが軸策反射です。軸策とは細く長い線状の形をしていて、神経細胞に刺激を伝える働きをします。鍼を刺入するとセンサーが興奮してインパルスを発生させます。インパルスは軸策を通って、神経細胞により脳へ伝わりますが、軸策の途中にある枝別れ部分からインパルスが逆行して、鍼を刺入したところで血管拡張させる神経伝達物質を出します。その結果血管が拡張して血流が改善されます。また、脳へ伝わったインパルスはドーパミン・セロトニン・ノルアドレナリンなどを放出して、痛みを遮断する働きをします。
また、古来より認められている鎮痛効果の解明も、次のような諸説があります。
・ゲートコントロール…針刺激が脊髄において痛みを抑制する
・エンドルフィン…針刺激がモルヒネ様鎮痛物質の遊離を促し痛みを抑制する
・末梢神経の遮断効果…針刺激が末梢神経の痛みのインパルスを遮断する
・経穴(ツボ)の針刺激による痛覚閾値の上昇による鎮痛効果
・血液循環の改善…筋肉の緊張をゆるめ血行状態を良くする
鍼灸には以上のような効果があり、それらを上手く取り入れて様々な症状や疾病を治療することが可能となります。また身体にも大変やさしい自然療法といえます。どうぞご安心のうえ来院下さい。
整形外科と鍼灸やマッサージとの違いは何ですか?
整形外科では、レントゲンやCTなどの検査を行えるので、骨の変形や腫瘍などを発見でき、身体の不具合の原因をより詳しく調べることが出来ます。
鍼灸、指圧・マッサージはどれも物理療法です。生体に対して物理的な刺激を与え、身体の良好な反応を導き出す治療法です。どの方法でも、自律神経系、内分泌系、免疫系など、身体を健全に保っている機能系統に非常に良い作用をもたらします。
鍼灸治療は、身体のツボを刺激することで身体の免疫力を上げ、病気の元となる身体の不具合部を根本から治療し、病気になりにくい身体をつくることを目的とします。 又、病気にかかりにくい身体への体質改善を一番の目的としておりますので、痛みの治療を行い同時に体質改善も行われていきますので、とても合理的な治療です。
指圧・マッサージは、身体の広範囲をカバーできます。血液やリンパ系の循環を良くし、新陳代謝を促進します。そして、もっともリラクゼーションの高い癒しの治療法と言えるでしょう。当院では鍼灸治療終了後、より治療効果をあげるため適切に用いております。
鍼灸で痛みを緩和できるのですか?
痛みを感じるのは頭、つまり脳で感じているのです。鍼灸刺激が末梢神経の痛みのインパルスを遮断することで、「痛みの悪循環」を弱め痛みを緩和します。
鍼灸で身体のバランスを整えると聞きますが、どういうことですか?
自律神経(交感神経と副交感神経)は身体のバランスを整えるシーソーのようなものです。目覚めて行動する時は交感神経が活発に働き、ゆったり寛いだり眠る時は副交感神経が活発に働く、これが基本です。しかしこのリズムが崩れている方が多いのです。たとえば、夜はベッドに入って眠っていても身体が寝ていない方が多いのです。夜になっても交感神経が働き過ぎてしまうのです。鍼灸はこの交感神経を落ち着かせる働きがあります。
鍼治療が合わないという方はおりますか?
基本的に特殊な金属アレルギーや極端な鍼恐怖症をお持ちでなければ、鍼治療に合わない患者さんはおりません。どうしても鍼がだめという方でしたら、徒手療法(手技療法)や温熱療法等を駆使して、その人の体調にあわせたオーダーメイドな治療を致します。ご安心ください。
健康保険は使えますか?
条件付で使えます。まずお医者様に診断していただき、鍼灸治療の「同意書」が必要になります。「同意書」の用紙は当院でご用意しております。健康保険を使って治療できる疾患は、神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎捻挫後後遺症、その他これらに類似する疾患などに限定されています。施術料金の1割、または3割をお支払い頂きます。また「同意書」の有効期間は3ヶ月ですので、3ヶ月毎にお医者様の診断が必要になります。国民健康保険、後期高齢健康保険などは問題なくお使い頂けますが、一部の健康保険組合様では、患者様が先に治療代全額を窓口でお支払いいただき、後日患者様自身で健康保険組合様にご請求いただく、「償還払い制度」を導入されている場合がございますのでご注意下さい。詳しくは当院もしくはご加入の健康保険組合様へのお問い合わせをお願い致します。また介護保険による訪問ケア等との併用も可能です。自動車保険、自賠責保険も針灸施術に適用されます
なお下記の厚生労働省HPに、柔道整復師と鍼灸師、あん摩・マッサージ・指圧師が保険を使える条件が明記されています。
「厚生労働省の柔道整復師等の施術にかかる療養費の取り扱いについて」をご覧ください。
治療後の過ごし方について教えてください(入浴、飲酒の注意事項)
治療後は安静に過ごしてください。治療後は、筋肉の緊張がとけ血液循環が良くなっております。血液循環が良くなることにより、身体のすみずみまで新鮮な酸素とエネルギーを運び、さらに各所に溜まっている疲労物質や老廃物・発痛物質を運び去ります。また副交感神経もよく働きます。つまり身体はリラックス、休息モードなのです。この状態を長く維持してください。できれば2~3時間は横になっていてください。そうすれば治療効果も倍増します。
鍼をされた場合、入浴してもばい菌が入る恐れはありません。ただし治療後はからだの中でさまざまな反応が起きています。少し休んでからいつもより短めに入浴してください。お灸をされた場合は、お風呂は5時間以上あいだを開けてください。
治療した日は、お酒を控えてください。どうしても我慢できない人は、缶ビール(360ml)1本程度なら結構です。治療後は、内臓のはたらきもよくなり、たいへんおいしく召しあがれますが、ついつい過ごしがちになります。過ぎた飲酒は、血液循環や新陳代謝を低下させます。一方鍼灸治療は、血液循環や新陳代謝を高める作用があります。もうお分かりですね。飲みすぎは治療効果を相殺します。治療後の飲酒は控えめに、あるいは禁酒が望ましい姿勢です。
治療中の格好、着替えについて教えてください
鍼灸治療は直接患者様の肌に施術するものですので、脱衣して頂きます。できるだけ手足、肩や腰が出しやすく、リラックスできる服装がよいです。こちらで施術着もご用意させて頂いておりますので、ご入用の時はお気軽にお申し出ください。
使い捨ての鍼ということですが、安全や衛生面に関する気配りは?
鍼は患者様の目の前で開封することにより、目にみえた安全、安心を提供します。また使用済みの鍼は医療廃棄物として適切に処分しております。手指の消毒や患者様の皮膚消毒には、適切な洗浄・消毒を心掛けており、ベッドシーツ、枕カバーも1回の使い捨てのペーパーを使用してますので、衛生面に関してはご安心下さい。
お灸は熱くありませんか。また、跡などがつかないですか?
お灸はモグサを燃やして治療する方法です。モグサはヨモギの葉の裏にある細かい毛からできています。ちょっと意外に思われますが、お灸は身近な物からできているのです。
灸施術については、施灸後の血液像(赤血球、血色素量など)、血液凝固時間の短縮、あるいは循環系に対する作用が認められ、増血(造血)作用、止血作用、強心作用などがあるとされております。
灸は“有痕灸”と“無痕灸”に大きく分けることが出来ます。
“有痕灸”とは読んで字のごとく灸のあとが残る施灸法で、①透熱灸、②焦灼灸、③打膿灸の三つに分類され、基本的に熱いです。
①透熱灸(とうねつきゅう)とは、米粒や半米粒程の大きさの艾(もぐさ)を直接皮膚に置いて施灸するもので、瞬間チクとする熱感はありますが、痛みの緩和には驚くほど効果大です
②焦灼灸(しょうしゃくきゅう)とは、イボ、ウオノメなどを直接焼き切りおとす施灸法で、ポイントに当たるとさほど熱さは感じません。皮膚科で行う、レーザー治療のようなものです。
③打膿灸(だのうきゅう)とは、親指大(直径約1cm、高さ約2cm)の艾を直接皮膚上に立てて火をつける施灸法です。大阪の無量寺灸などが有名です。この灸法を用いる治療所には、熱さをこらえる為に手すりのような”我慢棒”が患者の前にあり、それを握りしめて熱さをこらえます。まるで拷問のようですが、ヘルニアが治ったという人もいます。
“無痕灸”は、一般的にそれほど熱くなく、お灸のあとも残らない、とても気持ちの良いほっこりしたお灸です。①知熱灸、②温灸、③隔物灸、④艾を使わないお灸の四つに分類されます。
①知熱灸(ちねつきゅう)とは、透熱灸のようにお灸を据え(大きさは様々)、途中で火を消す灸法で、八分灸、九分灸などと呼ばれています。上手に据えれば、とても気持ちのいいお灸です。
②温灸(おんきゅう)とは、艾を患部から離して燃焼させるもので、また棒状にした艾(棒灸)を患部に近づけて温熱刺激を与えるものなどもあります。かなり煙たいですが、広範囲に暖まります。
③隔物灸(かくぶつきゅう)とは、艾と皮膚の間に干渉物を置いて施灸する方法です。ニンニクを間に挟むとニンニク灸、以下しょうが灸、味噌灸、塩灸、びわの葉灸などがあります。ちなみに、一般的によく知られているせんねん灸も台座灸であり隔物灸の一種です。
④艾を使用しない灸には、うるし灸などがあり、主に薬物の刺激を皮膚に加えることを目的としています。
当院では、患者様の体調に合わせて、透熱灸(深谷灸、太極療法)や知熱灸、隔物灸(しょうが灸、せんねん灸)、温灸(棒灸、灸頭鍼)などそれぞれの灸法を選択しています。有痕灸については、非常に効果の高い優れた灸法ですが、火傷の痕が少し残ることもありますので、有痕灸を行う際は、必ず同意を得てから施術しています。
女性にお灸がよいと聞きますが、本当なの?
確かに冷え・更年期障害・生理痛などの女性特有の症状にお灸は良く効きます。女性は男性に比べて、手足の冷えや内臓の冷えを訴えることが多いです。骨盤内の臓器の冷えが腰痛・便秘・生理痛を引き起こすことがあります。中国の古典で有名な〔黄帝内経素問〕では、「寒気が経脈の外に宿ると急に痛む。この時は温めると直ちに痛みが止まる」と書かれています。
今、通院中で薬を飲んでいます。治療は可能ですか?
症例によっては、他の病院との併用により、より高い効果を発揮することがあります。
鍼治療は、自然治癒力を高める治療法で、むしろ長期的な治療に適しています。
冷え症は鍼治療で改善できると聞きましたが、本当ですか?
冷え症の一番の原因は、血行不良にあります。更年期障害や生理不順を引き起こすと、同時に冷え症も生じやすくなりますが、これらの症状の原因には、自律神経の乱れがあります。自律神経が乱れる原因は、血行不良にあります。血行不良の状態の時に良く見られる現象が瘀血と呼ばれる鬱血状態です。これは、経穴(けいけつ)と呼ばれる血液と血液が交差する点で血液が鬱血し、血流が悪くなっている状態です。鍼治療は、経穴と呼ばれるツボを刺激することで、鬱血した血液が流れるようにすることです。血流が良くなることで、新鮮な酸素が身体全体を流れるようになり、身体がポカポカして温かくなることを感じる方も多いようです。
又、ツボを指圧するという方法もありますが、経穴(ツボ)の上を数秒指圧する程度ですので、ツボを刺激ししばらくの間置刺しておく鍼治療とは比べものにならず、鬱血状態を解消出来ません。指圧をしている時は、気持ちが良いのですが、鬱血状態が改善されることはないので、根本的な体質改善にはならないのです。
鍼治療においては、経穴(ツボ)に鍼を刺すことで鬱血状態を解消することができ、しばらく心地良い状態が続きます。そういった点で冷え症の治療は、鍼灸が最も得意とする分野でもあり、その効果も大きいと言われています。ただ慢性的な冷え症で悩んでいる方は、長年培ってきた体質というものがあるため、1回や2回の治療で身体が戻るというわけではありません。その場合は、定期的な治療を繰り返す必要があると思います。鍼治療は、そういった冷え症の辛い症状に悩む人たちをサポートする上でも注目をされています。
五十肩でずっと悩んでいますが、鍼灸で治りますか?
五十肩の症状は、肩の痛みを伴います。痛みを伴っている肩関節周辺を治療することは大切です。五十肩の痛みは、肩関節周辺の筋肉に炎症を生じていることが原因の一つです。しかしその部位だけ治療していると血行が悪くなったり、治療部位が腫れてしまったりする場合があります。肩だけでなく首筋から手の先まで、筋肉の歪みや凝りが生じる場合もあります。つまり首筋から手の先までの身体のバランスが崩れることで、さらに肩の痛みを悪化させていることもあるのです。 又、治療のポイントが、背中やお腹、腰にもあることがあります。このように五十肩の治療のポイントには、個人差があり、一律的な治療では完治しにくいという現実があるのです。そのため、肩関節周辺のみの治療より、鍼灸治療のように全身のバランスを見ながら、個別のオーダーメイドによる治療が、より適しているということになるのです。
又、五十肩の再発防止にも、今、鍼灸治療が注目されています。実際に肩の痛みが治まっても、身体の血行のバランスが悪いままだと、五十肩を再発する可能性も高いのです。鍼灸治療には、筋肉の炎症の痛みを緩和しつつも、五十肩を起こしやすい身体の体質を根本的に変えていく力があります。なぜならば、鍼灸治療の目的は身体の免疫力を向上させ、自然治癒力を高めることに治療の目的があるからです。そういった意味でも、鍼灸治療は五十肩の再発防止にぴったりの治療法です。五十肩が完治した後でも、健康維持と再発防止のため、通い続ける患者さんもいます。
坐骨神経痛で長年悩んでいますが、本当に鍼灸で治りますか?
結論から言えば、鍼治療で効果のある坐骨神経痛と効果がない坐骨神経痛があります。どのタイプの坐骨神経痛なら、効果があるかないかを明確に区別するのは難しい面もありますが、一般的に鍼治療で治らないと言われる坐骨神経痛には次のものがあります。
鍼治療で治らない坐骨神経痛の種類
・心臓、内臓諸器官の異常が原因によるもの
・癌や腫瘍から発症した坐骨神経痛
上記に当てはまらない坐骨神経痛なら、鍼灸治療の効果が期待できるかと思います。但し、坐骨神経痛の痛みが鍼治療で治ったからといって、二度と再発しないという訳ではありません。鍼治療によって完治する方もいれば、症状が緩和したけど少し痺れが残っているという方もいます。又、職場の環境やストレス、体質的な要因にも影響されるので、どこまで治療を行なえば完治できるのかは個人差があります。坐骨神経痛の症状が現れたということは、日常の生活で身体に何らかの負担がかかっていると考えられます。坐骨神経痛を引き起こした日常の生活習慣を改善しない限りは、坐骨神経痛を完治することは厳しいかもしれません。仕事上どうしても身体への負担を減らすことができないという方も大勢いらっしゃいます。痛みが生じた時に、鍼治療を受けると痛みが緩和されたという報告は数多くありますが、出来ることなら、痛みが発症する前に、予防的な治療がどうしても必要です。再発防止のためにも、定期的に鍼治療を行うことをお勧めしています。又、坐骨神経痛の症状には、内臓諸器官の異常から、腫瘍や癌などの重大な疾患が見え隠れしていることもあります。これらの症状を鍼灸院で発見することは難しいです。どのような坐骨神経痛の症状であれ、一度はMRIなどの検査をお受けになり、鍼灸治療で改善させることが良いかと思います。
妊娠中に鍼灸をしても大丈夫ですか?
鍼灸は、薬による投与を行う治療とは根本的に異なるので、副作用の心配はありません。
むしろ、妊娠中の女性や薬による治療を控えたい方に適しています。
産後ケアには鍼治療が良いと聞きしましたが、どのような治療を行うのですか?
産後は、「頭痛、めまい、貧血、動悸、腰痛など」の一般的な症状から、「生理不順、冷えなど」の婦人科疾患、「倦怠感、イライラ、鬱など」の精神的な面まで、様々な身体の不調を引き起こします。 又、「頭痛と冷え」、「めまいと高血圧」、「肩こりと下痢と鬱症状」などのように、2つ以上の身体の不調を同時に併発することも多く、どの病院でどの治療を受けたらよいか悩んでいる女性の方も多いと聞きます。このような症状は、頭痛薬を飲んだり、血圧を抑制する施しをしても、一時的な解決にしかならず、再発の可能性も高いようです。問題のなかった身体の別の部位で新たな異常が生じることもあります。
このような産後の不調の根本の原因を探ると、体力の低下、すなわち「免疫力の低下」にあります。免疫力が低下することにより、身体のいたるところに様々な異常が生じるようになるのです。 東洋医学(鍼灸治療)は免疫力を向上させ、病気にならない身体をつくることに、真の目的があります。近年の西洋医学では、免疫力の低下と血流には深い関係があるということがわかってきました。ただ東洋医学では、太古より「気」や「血の流れ」が身体の健康体と密接な繋がりがあることを研究されております。その東洋医学における代表的な治療方法が鍼灸治療になります。 鍼灸治療は、西洋医学の一律的な治療方法と違い、オーダーメイド、つまり個人の体質に合わせた治療を行います。鍼灸治療は身体全体の気の流れの悪い部分を発見し、全身を治療するようなイメージに近いと言えます。少し、専門的な解説になりましたが、簡単に言えば、西洋医学が「悪いところを切る」「薬物療法」を得意とすることに対し、東洋医学は「身体を内部から治療する」「病気を未然に防ぐ」ことを得意としています。
鍼灸治療を受けられると、日々身体が軽くなり、いつの間にか病気を気にしない身体に変化していることに気づかれる患者様も多いようです。ぜひ、慢性的な身体の不調にお悩みの方(女性のみならず男性も)は、一度は鍼灸治療をお試しになられてもよいかと思います。