木の話

スギ

写真1 スギ立木

写真1 スギ立木

写真2 スギ丸太

写真2 スギ丸太

ヒノキと並んで日本の主要な植林樹種として江戸時代から広く各地で造林されてきました。最も多く植林されている針葉樹ですが、花粉症を引き起こすので、最も名の知れた針葉樹かもしれません。秋田杉、天竜杉、吉野杉、日田杉、飫肥杉、屋久杉などの産地が有名です。

辺材(しらた)は白色、心材(赤味)は淡い紅色から濃い赤褐色です【写真2】【写真3】。時には黒色のもあります。黒い木はたいてい水分が多く非常に重いのですが、葉枯し(伐採後に枝を払わず2〜3ヶ月放置し葉から水分を蒸散させること)をすることで水分とアクが抜けて程よい赤色になります。ヒノキに比べて含水率が高く、乾燥したときの縮み量が多くなります。また、製材時の反りもヒノキより大きいので注意が必要です。

写真2 スギ丸太木口

写真3 スギ丸太木口

写真4 スギ板

写真4 スギ板

ヒノキ同様、無駄なく使える材です。ヒノキよりも安価です(一部高級材を除く)。構造材として柱・梁・桁・母屋等に使います。社寺建築のような反りのある屋根を作るときの屋根垂木には、曲げやすいのでヒノキよりもスギのが向いています。断熱性に優れているので屋根板・壁板・フロアー材としても活用しています。軽くてやわらかく加工がしやすいのが特徴です。傷つきやすいともいえ、その分造作材の施工には気を使いますが。赤味の化粧材としては和室の天井板・長押・廻縁といった用途があります。また、赤味は耐朽性が高いのでウッドデッキ【写真5】にはもってこいです。そのほか特殊な加工方法として、夏目を削って年輪(冬目)を浮き出させる浮造り(うづくり)仕上げがあります。カウンタートップ用など幅広板が必要なときには30mm角や45mm角を積層して作ることがあります。

写真5 スギ ウッドデッキ

写真5 ウッドデッキ