萬年青の歴史
 おもとの歴史5
 文 オモト研究家
      芦田 潔
大正十四年になって、水野淳治郎(豊明園初代)は、オモト界の景気回復もさることながら、自己の経営活動のこともあって、オモトの買い入れに個人債権を発行して、積極的に買い入れを始めました。
この個人債権は、水野淳治郎がすでに大正八年ごろから懸賞金にあてるなどして、ぼつぼつ試みていたことがありましたが、今回はもっと大規模な債権発行で、額面は二十五円、二十円、十五円、十円および五円の五種類で、額面二十五円のを天神祭の二十五日にちなんで『天神さま』、額面二十円のは弘法大師の命日にちなんで『弘法さま』と愛称し、大手では東京の松谷正太郎や京都の大辻久一郎、愛知県武豊の榊原純平宛の五千円という巨額に達するものもありました。
第四回萬年青美術懸賞大會
大正十四年十二月八日
豊明園資料5
そうして、ようやく同年十二月八日に、前回、前々回と同様に岡崎駅北にある浄珠院で金城の松の命名披露を兼ねて、第四回萬年青美術品評大会を開催し、一応、五ヵ年計画による玉獅子および玉獅子の虎の推奨運動を終えました。
第四回萬年青美術懸賞大會
上のポスターの拡大
受付は七日午後二時限り
上ポスターの下の部分
七福人が萬年青で楽しんでいる絵柄
左側に品種名
玉獅子の虎・群雀・美鳳
寿・初菊・地球宝・錦鶴
根岸の松・白鷹・富士の雪
白鳳・鳳皇・天錦章・麟鳳
玉麟・錦麒麟・明冠・明祥冠
輝宝冠・麟王覆輪・金紫殿覆輪
長寿楽・瑞祥・玉獅子・旭鶴
図物珍品・松の霜・虎の子
錦松・徳鳳・帝冠・群雀の縞
錦龍・三合丸・喜楽・雲錦龍
二面縞・錦甲龍
水野淳治郎個人債権
大正十四年二月二十五日
水野淳治郎個人債権裏書
寿
大正十年 命名 水野淳治郎
濃緑色の波葉に薄い白覆輪をかけ鮮明な図を現す柄もの代表種。
古鉢 七子に菊模様の錦鉢  4.5号
美鳳 
大正八年 命名 水野淳治郎 
白斑中型種で葉先丸く、和羅紗地に図を現す。性質は強健で子上げ良い薄葉美麗品種。
古鉢 手島焼き錦鉢  3.8号
鳳凰 (栄冠)
大正5年 命名 水野淳治郎 
小型中立ち葉。濃緑色の光沢のある葉に覆輪をかけ、本剣、鈴虫剣、雅糸竜を見せる。
古鉢 唐人形の絵模様の錦鉢  3.3号
金城の松
大正十三年 命名 水野淳治郎 
平葉の中型種、根岸斑に甲竜をのせ雪白の図を現す美麗品種。
古鉢 七子模様の錦鉢  4.0号
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