これは、自分が、技術の仕事を辞めて教師になった2年目に、言葉をしゃべることができない Kくん に作った教材です。15年以上前でしょうか。
ボタンを押すと、録音されている音声が再生します。Kくんあふれる思いは、どうしたら伝わるだろうか… そんな思いで作りました。今で言うVOCA(コミュニケーションエイド)です。
障害は克服するもの… 自分の声でなくては… そういう考えがまだまだ根強かった時代だったかなぁと思います。
今は、AACという考え方、そして、ICIDHからICFへという大きな流れの中で、障害のとらえも少しずつですが変わってきましたね。
自分のできる部分は自分で、そしてできない部分は周りの人や物、環境に頼ってというのは、だれでも一緒、人間として当たり前の生き方なんですね。ノーマライゼーションの浸透には、まだまだ社会の成熟が必要でしようか。
作った教材をみると、その子の顔が浮かびます。電池がすぐなくなって、なくなると録音も消えてしまい、なんども録音し直していたことが、とても懐かしく思い出されます。